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ヘッドハンター名鑑vol.30

※掲載内容(プロフィール等を含む)は取材当時のものです。

今回は、クロスロード・パートナーズ株式会社の大山良介様へインタビューを実施いたしました。

大山氏は、洞察力が鋭く、企業の状況や課題についてあらかじめ推測を立てるため、クライアント企業からは「話が早い」とよく言われ、求職者の方からは「話しやすく、言語化しにくい潜在的な欲求を掘り起こしてくれる。また、企業の情報を熟知しており安心感がある」と言われることも多いそうです。
また大山氏は、株式会社ビズリーチ主催の「JAPAN HEADHUNTER AWARDS 2019」において会員満足度部門を受賞されています。
活躍する現役ヘッドハンターへのインタビュー記事をぜひご覧ください。

【大山良介氏 プロフィール】
20年以上にわたる人材ビジネス経験を有し、大手外資系企業におけるグローバルセールス部門責任者、事業開発責任者を歴任。最大手外資系人材紹介会社にて、グローバル人材の紹介に特化した部門の立ち上げと運営を行い、日系企業のグローバル化をサポートするとともに、世界をマーケットに活躍しうる求職者の転職支援に尽力。若手優秀層からシニアマネジメントに至るまで、幅広く企業の中枢で活躍する人材のキャリア支援を行う日系グローバル人材採用のスペシャリスト。ブティック型エージェントのCOOを経て、2021年にクロスロード・パートナーズを設立。

インタビュー

Q. 独立をされて何か変わったことはありますか。

結論から先に言うと変化はほとんどありませんね(笑)。
今はまだ会社を立ち上げて間もないこと、ほぼ1人でやっているという意味では気持ちの面で気楽だなと感じているくらいです。
その一方で、1人だからこそ自身の仕事に対して自戒していかなくては、という気持ちが増えました。

ーー独立をされたきっかけは、何だったのでしょうか。
実は、前職に転職(今から6~7年前)する際にも選択肢の一つとして独立を考えていたんです。
ただその際は、まだ1人でやっていく自信が持てていなかったこともあり、方向性で意気投合した前職の会社に転職することとなりました。そこでの経験により独立をする自信もつきましたし、前職の会社自体が会社組織として成長し続けていくなかで、今度は自身の力で自己成長を図りたいという気持ちが大きくなっていきました。
独立を決意する転機となったのは、2021年の1月頃ですね。
ちょうど新型コロナウイルス感染症の流行も2年目に突入して世の中の働き方が変化し続けるなかで、自身の働き方についても考えるようになりました。自分に合ったペースで仕事をしたい、また自分らしい仕事をしたいという思いから、独立しようという結論に至りました。
また、これは余談になりますが、家族からの後押しがあったことも理由にあります。
妻が歯科医師で、自らも独立してバリバリ働いていることもあり、「好きなようにやってみれば」と言ってくれて反対もありませんでした。

ーー独立にあたって不安はありませんでしたか。
私は仕事をするうえで、クライアント企業と求職者に対して「クオリティーファースト」を心がけてきました。分かりやすくいうと、組織に依存した関わりではなく個人対個人のように関わってきたので、受注側と発注側という感じではない関係性だったように感じています。
ですので、クライアント企業からも大山さんだから相談したい、お願いしたいと言っていただけることが多く、私が独立してもこの関係性は変わらないという確信があり、不安に感じることはありませんでした。
求職者の方も同様に、転職後も気軽にご連絡をくださったり、ご支援した方からご友人をご紹介いただいたりすることも多いので、今までやってきたことを継続していけば問題はないと思いました。
また、「ビズリーチ」という確立された転職のプラットフォームを使いこなせているし、どこでもやっていけるとも思いましたね。

Q. 独立に際しての思いをお聞かせください。

「クロスロード」という社名の通り、人々の人生の分岐点に伴走したいという思いがあります。
私は無理にキャリアを押し付けるのではなく、その方の人生に寄り添い、ベストな方法を一緒に見つけていきたいと考えています。そういったなかで、選択肢の一つとして転職があるのであれば転職のご支援をしますし、独立したいという方には独立をするためのご支援をさせていただきます。

Q. 大山様が得意とされる、業界や領域などはあるのでしょうか。

業界や領域は定めていませんが、メーカーとITが多いです。
ただ、メーカーと一言でいっても、近年は業態が変わってきているので業界内だけで完結するような支援とは異なります。
例えばメーカーでもDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでおり、DXに強い人材がIT業界に多ければ、業界をまたぐようなご支援をさせていただいているのが実態です。
その業界内に候補者となる方がいらっしゃらなければ、他の業界から探し出してご紹介をしています。

ーーどのような求職者へのご支援が多いですか。
経営層やボードメンバーといった方々は従来と変わりませんが、最近は次世代を担うような若手リーダー層の方のご支援も増えてきました。そういった方と関われるのも面白いなと感じています。次世代を担うような方ですと比較的20代の方も多いのですが、ご転職以降に「友人を紹介させてください」とご連絡をいただくことも多く、若い方のお話を伺うことも勉強になっています。
そういった形で支援の輪が広がっており、コロナ禍の状況下以前の話ですが、転職をご支援した方同士が友人で「飲みにいきましょう」とお誘いを受けることも多く、転職後の近況も伺えてうれしく思いますね。
求職者の多くは、転職を希望していなければ私たちに相談しにくいと感じているのではないかと思いますが、私はまずは相談からでもお話を伺いたいと思っています。

Q. お仕事に必要な業界の知見、知識はどのようにインプットされていますか。

もともとのバックグラウンドがそういった専攻であったわけではないので、求職者の方から教えていただくことが多いですね。求職者の方との会話のなかで学ぶこともありますし、知りたいことは質問させていただくこともあります。
話を伺ったうえで分からなかったことは調べたり、さらに学んだりすることを20年以上続けています。

Q. 求職者の転職後の活躍はどのようにイメージされるのでしょうか。

求人案件のヒアリングをする際に、何が課題(ネック)になっていて、なぜ採用をしようと思っているのかだけではなく、このフェーズではどのような人材だと解決に導けて、どのような人材だと同じ事態を繰り返してしまうかといったシミュレーションも同時に行っています。求人案件に対して、求職者の短期から中長期的なキャリアプランを重ね合わせるのがマッチングだと思うのですが、私もこれまで多くの方にお会いしてきた経験を通じてパターン化することで、このシミュレーションができるようになってきました。ですから、推薦の際は私自身の考えをしっかりと持つようにしています。ただのスキルマッチングだけではなく、その事業フェーズに対して、求職者が同様の課題をいかに解決してきたかなどを交えて、ポジションとの親和性を理解していただくようにしています。

Q. 「アフターコロナ」を見据えた企業の採用や求職者の動きで感じられていることはありますか。

コロナ禍の影響により時代が変化しているように思います。一昔前の「AI」のように、「DX」がバズワードとなり実際に企業各社のDXへの取り組みが進んできましたよね。
ここ最近では自社のデジタル化への対応だけではなく、競合他社と比較してどうかという競争によるDX関連の求人も増えてきているなと感じています。
求職者は、コロナ禍の影響で会社への不安から転職を検討するような方や実際に転職される方が増えたなと思います。新型コロナウイルス感染症の流行以前よりも転職を考えるハードルが下がり、転職が気軽になったような気がしますね。
また求人数が増えてきていることもあり、それをきっかけに転職活動を始めた求職者の方からは「こんな企業からオファーがあったのですが受けるべきでしょうか」と第三者の立場として意見を聞かせてほしいという相談も増えたように感じています。

Q. 今後の展望をお聞かせください。

まずは今までやってきた仕事(人材紹介業)を変わらず続けていくことを前提に、今後はさらに日本進出を検討されている海外の企業様のご支援にも関わっていきたいと考えています。

Q. 大山様にとって、この仕事で喜びややりがいを感じるのはどのような時ですか。

クライアント企業との関わりにおいては、多数の人材紹介会社のなかから「相談させてください」と最初にお声がけいただける関係性はうれしいです。
最近ご依頼いただいた、日本進出を検討している企業の求人においても、最初は相談ベースでお話を伺い、そこから制度設計なども含めて関わらせていただきました。
そのなかでほかの企業の協力も必要だと思えば、そういったアドバイスもさせていただきました。
私としては正式な案件となる前の段階から声をかけていただけることは非常にうれしいことですし、今までの信頼関係の賜物のように感じますね。
これはクライアント企業に限らず求職者に対してもいえることで、私からの紹介ではない求人に関しても「どう思いますか」と相談を受けることは、仕事の枠組みを超えて、人生の岐路に寄り添うパートナーとして、私が目指している会社のあり方と同じかなと思います。
そしてそういった場面で、会社を1人でやっているとありがたく感じることが多く、自分らしくいられているとも感じます。そういった時の喜びはとても大きいですね。

次回のヘッドハンター名鑑はvol.31は、2021年10月18日(木)公開予定です。


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