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ヘッドハンター名鑑vol.28

※掲載内容(プロフィール等を含む)は公開当時のものです。

今回は、株式会社ビズリーチ主催「JAPAN HEADHUNTER AWARDS 2021(以下:アワード)」にてメーカー部門のMVPを受賞された株式会社タイズの野中奨高氏による寄稿文を掲載いたします。

活躍する現役ヘッドハンターによる「業界の展望」と「今後活躍する人材層」についての寄稿をぜひご覧ください。

【野中奨高氏 プロフィール】
大学(電気工学専攻)卒業後、大手機械・プラントメーカーに入社。大型発電プラントの電気エンジニアとして、計装・制御設計や施工管理業務を経験。製造業で生き生きと働く人を増やしたい、企業と求職者の発展に寄与したいと考え、株式会社タイズに入社。技術的知見をもとに、大手優良メーカーと求職者の双方を担当し、若手からハイクラスまで多くの転職支援実績を持つ。社内でも四半期・通期MVPを受賞。

野中奨高氏による寄稿文

製造業の動向としては、2020年春からの新型コロナウイルス感染症拡大の影響による停滞から生産・販売が戻り、電機業界では在宅勤務によるPC周辺のIT・ネットワーク製品、サーバーの需要が拡大し、業績が回復しました。半導体業界では、「自動運転・5G・IoT化」の発展に伴い通信量が世界的に増大するなかで、データ通信や記録に用いられる半導体需要が急増しています。
自動車・機械業界は生産台数の回復により、関連する化学・素材メーカーへの発注が増えています。なお、電気自動車の普及に伴い、半導体、電子部品、各種電池などの需要は急激に増加しており、この傾向は今後も続くと考えられています。

私の担当は、「機械・電機・半導体・化学・プラント」領域の大手企業です。ある担当企業は「コロナ禍」の影響による大きな打撃は受けておらず、2021年3月期も決算を上方修正し、事業拡大に向けた積極的に投資を行っています。一方でコストダウンや間接費削減、早期退職制度を敢行する企業もあり、業績の明暗が分かれる状況となっています。
中途採用においても、2020年度下期頃から次期中途採用を積極化する企業が増え、実際に2021年度4月以前から2021年度の中途採用計画を拡大すると発表した企業も多数ありました。ただ、中途採用に慎重な企業も当然あり、超即戦力のみを採用する方針の企業も少なくありません。

現状では、企業の採用意欲が特に高い職種として3つ挙げられます。まずは、サプライチェーンの再構築を行うためのSCM(サプライチェーンマネジメント)や生産管理、ロジスティクス、調達購買などのポジションです。各社が地政学的リスクや感染症等によるサプライチェーン寸断のリスクを鑑みて、自社SCM体制の見直しを行っています。
次に、社内システムの再構築のための、IT系ポジションです。社内業務システム刷新に伴うシステム導入やAI・IT・ロボットなどの先端技術を活用した業務効率化、工場のシステム全体の最適化(スマートファクトリー化)などIT投資を積極化する企業が急増しています。
最後に、「モノからコトへ」を実現するための事業企画や製品開発ポジションです。データを利活用して、新製品開発に反映させる、ソリューション体制を強化するなど、モノから派生する付加価値の創造が求められています(自動運転、ドローンによる物流の効率化、IoTデータを活用したソリューションなど)。また、製造ラインにおいては、デジタルとアナログの融合を促進させ、自動化・省人化を実現するためのロボットを利用した非接触生産手法など製造サプライチェーンの変革が求められています。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、企業が社会から求められる価値、働き方やキャリアに対する考え方は大きく変貌を遂げました。そのなかで、活躍が期待される人物像としては、自ら経験とスキルを獲得し、主体性と課題意識を持ってアウトプットしていくタイプが挙げられます。これまで競合するとは考えられていなかったような新たな競争相手も増えており、市場の変化に臨機応変に対応できる強さが必要であると考えます。転職を検討中の方は一日一日を大切に、意識して経験とスキルを身につけるといいと考えます。

次回のヘッドハンター名鑑は、2021年9月15日(水)公開予定です。


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