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ヘッドハンター名鑑vol.16

※掲載内容(プロフィール等を含む)は取材当時のものです。

今回は、株式会社プロフェッショナルバンクの近藤主規氏へインタビューを実施いたしました。
近藤氏には限られたインタビュー時間のなかで、現在の転職マーケットをはじめ、クライアント企業や候補者の方との強固な関係性構築のために日々実践されているルーティンなど、幅広くお答えいただきました。
活躍する現役ヘッドハンターへのインタビュー記事をぜひご覧ください。
※近藤氏へのインタビュー記事は、前編、後編の2回に分けて公開いたします。
※関西に緊急事態宣言が発出される直前の1月12日にインタビューを実施しました。

【近藤主規氏 プロフィール】
大学卒業後、株式会社リクルートにて人材採用に関わる営業を経験。新規事業(新製品)立ち上げにも関わり、事業拡大時の人材ソリューションにおけるコンサルティング業務に携わる。地方地場の人材会社を経て、2011年に株式会社プロフェッショナルバンクに加わり、地方に本社を構える企業を中心にミドルクラスから経営者人材まで幅広い案件を手掛ける。福岡支店、東京本社勤務を経て、大阪支店の立ち上げ業務に携わり、現在は大阪支店支店長を務める。

インタビュー【前編】

Q. 緊急事態宣言が発出されるようですが、関西・広域の転職マーケットにおいて感じられることをお聞かせください。

私は関西、中国、四国、九州エリアのメーカー等の採用をご支援していますが、緊急事態宣言で一時的に採用が停滞する可能性はあるかもしれないと思います。
一方で、このような状況だからこそ、ヘッドハンティングして人材を採用したいという企業はありますので、そういった企業様の把握と採用支援を進めていきたいと考えています。

Q. 新型コロナウイルス感染症の拡大による、ご自身の業務などへの影響はいかがでしょうか。

株式会社プロフェッショナルバンクは、業界特化型ではないために、業績が落ち込んでいる一部の業界からのオーダーは減っているものの、弊社のクライアント企業は、ヘッドハンティングで優秀な人材を獲得するという「攻めの意識」が強く、この環境下だからこそ採用するという企業が中心のため、全体的に大きな影響を受けていない印象です。
また 、関係性構築により、企業状況を深く把握できていると、「今の状況であれば□□の職種の人材が必要ではないか」というご提案を行い、採用に至ることも多々あります。
候補者側の意識としても、このような環境下の場合は、安泰・安定を求めるマインドになるケースが多いですが、一方で世の中何が起こるかわからない、自らの身は自らで守るという意識をお持ちの方もいるので、「どのようなキャリアをどこで築くか」「キャリアや経験をより生かすために転職をする」という動きは変わらないと捉えています。

Q. 積極的に採用をしようとしている企業の特徴などがあればお聞かせください。

私の場合、製造業系の中小規模(従業員数でいうと大体50名から500名程度)の経営者とお話をさせていただくことが多いのですが、このような状況だからこそ、これまで大手企業に採用されていたような人材を獲得できるチャンスがあると考え、会社経営にインパクトを与えるための「攻めの採用」という志向性をお持ちの経営者が多いような気がします。
そして変革しているときだからこそ、変革に強い(適応できる)、インパクトプレイヤーが求められているとも感じます。
「攻めの意識」が強いからこそ、本当に採用すべき人材像は経営者の方と徹底的にすり合わせるようにしていますね。

――変革に強い人材なのか判断するための秘訣はありますか。
事前情報からだけでは判断しにくいと感じており、まずは候補者と会話をすることを大切にしています。候補者との会話のなかで、担当をしている仕事に対して当事者意識をもって取り組まれているのか、どのような活躍をされているのかを把握するようにしています。
その後に、事前情報とヒアリング結果が一致しているかを確認しています。
例えば営業を経験されてきた方であれば、どのような実績があるか、活躍していたとお話しいただいた場合も具体的に実績を出すためにどのように創意工夫したのか、どこまでその業務に関与し、結果・実績にどう影響したのか、そのあたりの整合性を確認するようにしています。
また、候補者自身がキャリアの棚卸しをできていないこともあり、面談を通じて「自分の考えが整理できて良かったです」と言われることもあります。

Q. ご自身が仕事をするうえで心がけていることは何でしょうか。

「信用」してもらえる仕事をすることを心がけています。
クライアント企業・候補者から信用してもらえるようになると情報が集まってきます。多くの情報を保有し、情報を生かすことで、またさらなる信用につながっていくサイクルが生まれると考えます。
そのためには、正直・誠実に、逃げずに仕事をすることが大切です。できる限りの情報を理解し、コミュニケーションを取ることが前提ですが、わからないことは必ず出てきますし、わかっている情報だけでのコミュニケーションでは成長はないと考えます。
ですので、わからないことは「わかりません、教えてください」と正直に伝えるべきです。質問することを怖がらないこと、自分なりに最善を尽くして情報を経て、わからなければわかったつもりにならないこと、正確に数多くの情報を押さえるために理解度を高めることが大切です。役職が上がるほど、このような質問に対応することに抵抗がなく、「この人は本当にうちの会社を理解してくれようとしてくれている」と、喜んで話してもらえるように思います。
また、クライアント企業の要求をうのみにせず、こちらから提案をすることもあります。間違っていても、何かの気づきがあれば、それもクライアント企業への介在価値です。それは候補者に対しても同様で、相手の発言の背景を読み取り、本質をつかむことが大切です。
誠実な対応も、その逆の対応も、相手の役職が上がるほど見抜かれるものです。クライアント企業・候補者との打ち合わせを通じて、価値を提供しながらさらに新たな価値を提供するためにも、何かしらの情報を得る。わからないことをわかる状態にすることが大切です。

Q. ヘッドハンターとしてのモットーを教えてください。

ものまね芸人のコロッケさんの言葉「あおいくま」。
「あせるな、おこるな、いばるな、くさるな、まけるな」を大事にしています。この業界には波があり、「縁・実力・努力」の世界だと思っています。「縁」はどうすることもできないですが、「努力」は自らの力で継続できます。「実力」は「努力」によってつけることができます。
そのために「実力がある」などと勘違いをせず、「努力」を継続し、「あおいくま」を意識しつつ、「実力」をつけ、「縁」を待つことが大事だと思っています。

そして今の自分がいかに幸せであるかを意識し続けています。
日本や海外などと比較していかに恵まれた環境で仕事をさせてもらっているかを忘れてはいけないと考えています。そのことを忘れると傲慢さ・おごりなどが出てくると感じ、それは気付かないうちにクライアント・候補者・社内に伝わり良い仕事はできないと私は考えます。

Q. 候補者と面談する際に大切にしていること、意識していることはありますか。

想定しておくこと、イメージしておくことです。
候補者の事前情報に必ず目を通しておき、候補者から得たい情報として、どのようなキャリアや経験があるか、どのようなことを希望しているのか、などについて事前にイメージ・想定したうえで質問を行うことが日々のトレーニングになる。面談の際に自らがイメージ・想定していた内容とすり合わせ、面談後に振り返りを行っています。

後編の公開は2021年3月18日(木)予定です。
次回もお楽しみに。


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