ヘッドハンター名鑑vol.9(その3)
※掲載内容(プロフィール等を含む)は公開当時のものです。
今回は、株式会社ビズリーチ主催「JAPAN HEADHUNTER AWARDS 2021(以下:アワード)」にてIT・インターネット部門のMVPを受賞された株式会社フューチャーリンクの松井健治氏による寄稿文を掲載いたします。
松井氏は、今回の受賞で3回目のIT・インターネット部門のMVPとなります。
活躍する現役ヘッドハンターによる「業界の展望」と「今後活躍する人材層」についての寄稿をぜひご覧ください。
【松井健治氏 プロフィール】
大手人材紹介会社のヘッドハンティングチームで5年経験を積んだ後、独立してフューチャーリンクを創業して15年。合計20年ほどのヘッドハンター経験のなかで、IT・インターネット業界のボードメンバーを中心に決定実績は800名以上。インタビューした候補者の方々は10,000人以上にのぼる。直近では、AI、IoT、fintech、IT×業界特化などのスタートアップ領域にも多数の実績。
松井健治氏による随筆文
IT・インターネット業界は、コロナ禍の影響下においても、成長している企業が多いです。特に「SaaS」「DX」「EC」「リモート」「キャッシュレス」などのキーワードに関連している事業です。業績の推移だけではなく、資金調達額などからも、その盛り上がりは見て取れます。
事業が成長していることから、採用も全方位的に行われていますが、特に、エンジニアの採用ニーズは、引き続き強いです。その他、資金調達やIPOに向けた動きのためのCFO系人材、新しい事業の仕込みのための事業開発系人材、また成長した組織の業務改善を推進するようなコンサル系人材の獲得に動くケースも増えています。
時代の移り変わりも速いため、1~2年かけて育てるのに間に合わず、即戦力人材の採用で対応したいという背景があると思います。
逆説的にいえば、今後も変化のスピードは上がっていくと思うので、求職者側も変化に対応していける人材になっていく必要があると思います。
そして、変化の速い時代には、過去の実績は、先入観や足かせになる場合もあるので、将来何を生み出していけるかを考え続ける必要があります。
そのようななかで、ヘッドハンターが果たせる役割は、クライアント企業にも、求職者側にも、将来的な付加価値を具体化することだと思います。
どのような人材が、どのような事業の、どのようなフェーズで、付加価値を生み出すことができるのか。
採用支援の場でも、「企業側から言われたこと」に応えるのではなく、何が本質的な課題で、どのような形での解決方法があるのか。ヘッドハンターは、採用支援だけではなく、他の角度からの解決方法も提案していく必要があると思います。
例えば、「社長がCFOを採用したいと言っているから、CFOを募集します」といった考え方は間違っている場合もあります。
社長も自身のニーズを言語化できているわけではないですし、採用は経営課題に対する解決手法の一つにすぎないからです。
採用以外の解決方法を提案することは、私たちにとっては機会損失につながる場合もありますが、本質的ではない採用支援は、クライアント企業や求職者を不幸にする確度が上がりますし、選考の最終段階で「やっぱり、やめます」と、ちゃぶ台がひっくり返されることもあります。
関わっている人たちだけではなく、自身の商売のためにも、率直に、相手のために提案することが、中長期的なメリットにつながると思います。
総論としては、クライアント企業にとっても、求職者側にとっても、ヘッドハンターにとっても、「どのような事業が成長していくか」を見定めること、そして、その事業で成果を出し続けることが重要だと思います。
次回のヘッドハンター名鑑は、2021年8月10日(火)公開予定です。
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