ヘッドハンター名鑑vol.6(その2)
※掲載内容(プロフィール等を含む)は公開当時のものです。
今回は、株式会社ビズリーチ主催「JAPAN HEADHUNTER AWARDS 2021」にてヘッドハンター・オブ・ザ・イヤーを受賞された株式会社アサインの奥井亮氏による寄稿文を掲載いたします。
奥井氏は、昨年コンサルティング部門を、今年はヘッドハンター・オブ・ザ・イヤーを受賞し、2年連続の受賞となります。
活躍する現役ヘッドハンターによる「業界の展望」と「今後活躍する人材層」についての寄稿をぜひご覧ください。
【奥井亮氏 プロフィール】
総合系コンサルティングファームに入社し、大手金融・流通業界をクライアントに、ITから戦略案件まで幅広く経験。その後、マーケティング支援企業を経て、株式会社アサインを共同設立。コンサルティング・ポストコンサルティング領域に特化したヘッドハンターとして、若手層からパートナー層まで幅広く支援。一人一人の価値観からキャリアを描くことを重視し、伴走型のキャリア支援を行う。
奥井亮氏による寄稿文
1. コンサルティング業界の展望
コンサルティングファームの価値は今も昔も変わらず、クライアント企業が自分たちの事業拡大を目指すうえで、よりスピーディーな推進や、よりスムーズな課題達成をするために提案や支援を行うことです。
その一方で、クライアントがコンサルティングファームに求める仕事内容は、いわゆるピュア戦略から、最新テクノロジーの活用や、実行までを含めた経営体質の改善へと、その重心が移ってきています。
この傾向は、コロナ禍の影響によって「働き方改革」を起点としたDX(デジタルトランスフォーメーション)という形となって加速しています。
「働き方改革」というと、「どこでも働ける」というワークプレース周りが注目されがちですが、実は事業戦略や組織そのものが大きく変わる、まさに改革であり、多くの企業にとっては未知のテクノロジーを用いた新しい取り組みであるため、コンサルティングファームに依頼する企業が今後さらに増えていくことが予想されます。
その一方で、世の中の変化により案件自体は変化しています。今回のコロナ禍はとりわけ大きな変化ですので、しばらくはDX案件が大きなテーマとなるか考えています。経済産業省から昨年末に発表された「DXレポート2」によれば政府もこの動きを後押していくようですので、それも追い風になるでしょう。
中長期で見た際にどの程度デジタル化やDXが進むのかによって変わることはあると思いますが、今後の案件の例としては、蓄積されたデータを活用した事業創出や業務改善などが増えていくことも想定されます。
2. コンサルティング業界で今後活躍すると思われる人物像
コロナ禍の影響により一時は案件が減少しましたが、直近では回復し、さらにDX関連の案件が増加しているため、各ファームともテクノロジーに強い人材の確保に注力しています。
また、リーマン・ショック時と同様に、採用の中心は即戦力であるコンサルティング業界経験者であり、なかでも、短中期的な売り上げ貢献ができるマネージャー以上の上位職の方における採用が活発になってきています。
DXの流れのなかでは、テクノロジーの知見とビジネスへの理解の両方が、コンサルタントに求められることになります。
テクノロジーに強い、またはビジネスに強いコンサルタントは珍しくありませんが、両方に強いコンサルタントとなると稀有な存在です。
そのため、未経験であってもテクノロジー知見を有し、ビジネスサイドに対して強い興味があるようなポテンシャル層の方はより活躍していくと思います。
もちろん、今までコンサルタントに求められてきた、思考の柔軟性やコミュニケーション力なども非常に重要な要素です。
そして、何より大切なことは、知的好奇心が旺盛であり、クライアントワークが好きであるということ、つまりコンサルタントという職が自身の価値観に合っているということだと思います。コンサルタントにかかわらず、価値観が合う業界・職種で働くことは活躍するうえで最も重要なことです。この記事で一人でも多くの方が、ご自身のキャリアや価値観を考えるきっかけになっていれば幸いです。
次回のヘッドハンター名鑑vol.22は、2021年7月7日(水)公開予定です。
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