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ヘッドハンター名鑑vol.32

※掲載内容(プロフィール等を含む)は取材当時のものです。

今回は、スレイト・コンサルティング株式会社の窪田吉伸様へインタビューを実施いたしました。

窪田氏は、クライアント企業が採用に苦戦しているポジションに合致した人材をピンポイントで紹介して採用に至るケースが多く、求職者に対しては、希望や状況をくみ取り、転職活動においてきめ細かなサポートを実施しており、満足のいくポジションでオファーを獲得し、安心して新たなキャリアを歩まれる方が多いそうです。

活躍する現役ヘッドハンターへのインタビュー記事をぜひご覧ください。

【窪田吉伸氏 プロフィール】
大学卒業後、コンサルティング会社に入社し、中小企業向けに事業計画の策定等に従事。
その後、住宅メーカーに転職し、販売からスタート。実績が認められ、プロジェクトの事業収支計算を基に資金調達を行う財務職を担当。
2008年からヘルスケア業界をメインに担当するキャリアアドバイザーとして活動を始め、幅広い年齢層、ポジションの方々のキャリアアップの支援を行っている。
内資・外資製薬会社、バイオベンチャー、CRO(医薬品開発業務受託機関)等をクライアントに持ち、メディカル業界の全てのポジションをカバーし、実績を挙げている。

インタビュー

Q. 人材紹介業に転職された理由をお聞かせください。

この業界に入ったのが2008年で20代後半だったのですが、自分の能力を生かし、何かの役に立てることはないかと考えた際に、コンサルティングという仕事に憧れを持っていました。
コンサルティングにもさまざまな種類があるなかで、企業や人の役に立ち、短期間で数多くの成功体験を得られるコンサルティングは何かと考え、いろいろ調べるなかで、人材紹介業に出会いました。求人企業であれば採用の、求職者であれば転職の成功へと導くことができるため、自分がその間にかかわることで、三者間で成功体験を同時に生み出すことができる仕事として、とても魅力的に感じました。
そして自身の経歴とやりたいことが合致したこともあり、最終的に人材紹介業を選びました。

Q. 仕事をするうえで大切にしていることは何でしょうか。

仕事をするうえで大切にしていることは2つあります。
一つは「バランス」です。てんびんで例えると私は真ん中にいて、求職者と求人企業の間でバランスをとるのが役目で、どちらかに軸足を移してしまうと、入社後にミスマッチが発生することもありますので、両者の間に立ち、両者が相思相愛になるように心がけています。
もう一つは「継続すること」です。求職者のなかには、「今すぐに転職したい」という方もいれば、「今は情報収集だけをしています」という方もいらっしゃいます。そういった方に対しても長期的に連絡を取り続け、関係性を保つようにしています。
そして求人企業と求職者の双方にとってベストなタイミングを見計らい、ご紹介につなげられるように心がけています。
また、求人企業には、人数は多くなくとも継続して良い人材を紹介し続けることで、長期的な信頼関係を築いています。

Q. どんな状態がバランスの良い状態だと思いますか。

求人企業と求職者がそれぞれに対して同じくらいの情報量を持ち合わせていることです。
求人企業の情報は一定量収集できますが、求職者の情報は異なります。職務経歴書から得た情報だけではなく、ご本人から伺った情報や、関わりのなかで理解して得た情報がとても重要です。
「情報の親密性」というのでしょうか、面接で求職者に確認できなかったことがあれば、求職者に代わりフォローするのも私たちの仕事で、どれだけ求職者を理解できているかが大切なのだと思います。
ですので、求職者の情報は常にアップデートするようにしています。今はどういう状態でどのような方向に進みたいと思っているのか、何か考えに変化があればその変化までも把握するように努めています。そうすることでベストなサポートができると考えています。

Q. メディカル業界で採用成功する求人企業の特徴をお聞かせください。

求職者の目線に合わせて対等な対応をしてくださる企業だと思います。
求職者がメディカル業界内で転職活動をされている場合は、ある程度の情報が収集できていて、他業界からの転職を検討されている方と比較すると欲する情報が異なることが多いです。
そのため、求職者の状況に合わせてその方が知りたいと思うことに誠意をもってご対応いただける企業は採用成功しているように感じます。

これはヘッドハンターへの対応としてもいえることで、われわれに対しても情報開示をしてくれる企業は、こちらも求める人物像をイメージしやすくスピード感のあるご紹介につながります。
そしてこちらの声にも耳を傾けてくださる企業とは、良好な関係性が築けて結果的にお付き合いも長くご支援させていただいています。

Q. メディカル業界で転職成功する求職者の特徴をお聞かせください。

転職活動の軸(希望)は求職者ごとにあると思うのですが、それを持ちつつも柔軟性がある方だと思います。
そういった方は、良いポジションに出会える可能性が高くなりますし、採用する企業もこの方だったら採用したい、と良い印象をお持ちいただけるケースが多いです。
たとえば、ある一つの疾患領域に固執して、それをこれからも継続していきたいという方よりも、他の疾患領域も含め幅広くチャレンジしていきたいです、とご検討いただける方は選択肢も増えます。
採用する企業にとってもその方が入社した場合、今後こういったポジションにもアサインできるかもしれない、というビジョンが描きやすいと思います。
ですので、転職活動の軸を持っていることは大切ですが、「これができるなら、これもやっていきたいです」と柔軟性を持って幅広くポジションを検討できる方は成功している印象です。

Q. 転職活動においてヘッドハンターとの上手な付き合い方があればお聞かせください。

実は日頃、「ヘッドハンター」という言葉を使わないようにしています。
というのも、求人企業と求職者双方の代理人として活動することを心がけているので、ヘッドハンターよりも「エージェント(代理人)」のほうがしっくりするんです。
この記事を読まれている方が求職者の方であれば、私たちを代理人としてうまく活用していただきたいです。求人企業に関して聞きたいことがあれば、気軽に質問してほしいですし、面接練習も付き合います。そして求人企業に直接聞きにくい年収に関する相談もお聞きしています。そういったささいなことでも気軽に相談してほしいです。そのためにいるのが私たちで、それが仕事だと思っています。

Q. 転職活動の心構えやアドバイスがあればお聞かせください。

転職はご縁だと思います。よいご縁(チャンス)をつかむきっかけとして、ヘッドハンターを使っていただきたいと思います。
また、希望するポジションで入社するためには、自身の力だけではなく、その業界に精通しているヘッドハンターのサポートがあったほうが、より希望を実現する可能性が高まると思います。ご縁をつかむためのパートナー(伴走者)として利用してほしいです。

Q. メディカル業界での最新トレンドがあればお聞かせください。

少し前であればメディカルアフェアーズやメディカル・サイエンス・リエゾンなどの募集が多く、各社で意欲的に採用をされていました。
最近では、他業界と同様にデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた採用やデータサイエンティストなどの募集が増えています。メディカル業界にあるデータをいかに効率よく活用していくか、その課題を解決するために他業界からスキルのある方の採用を各社が増やしています。この採用の流れが最新のトレンドとして挙げられるかもしれません。

Q. メディカル業界の今後の展望をお聞かせください。

メディカル業界では古い商習慣が続いてきたが故に、他の業界と比べてDXが遅れています。
そのため、DXが進んだうえでの話になりますが、今まで以上に視野の広い方が求められるようになるでしょう。
さらに、今までは自身の専門範囲内で活躍している方が多かったですが、DXにより仕事の効率化や可視化が進むため、今後どうしていくべきか、メディカル業界全体を捉えて考えられる方が活躍していく時代となっていくのではないかと思います。

次回の公開もお楽しみに。


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