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ヘッドハンター名鑑vol.21

※掲載内容(プロフィール等を含む)は取材当時のものです。

今回は、株式会社カラフルカンパニー 田丸陽介氏へインタビューを実施いたしました。
田丸氏は、求職者との面談をスタートしてから2年で、面談担当として約50名の転職をサポートされてきました。企業側の担当も行い、北陸エリアの製造業界やIT業界に特化した、エンジニア職の採用支援に多くの実績をお持ちです。
活躍する現役ヘッドハンターへのインタビュー記事をぜひご覧ください。

【田丸陽介氏 プロフィール】
京都産業大学法学部を卒業後、新卒でカラフルカンパニーに入社。企業や店舗の広告展開に携わり、現在は就職支援コンサルタントとして従事。石川県を中心とした北陸エリアに特化し、製造業界やIT業界で働くエンジニアを中心に、若年層からハイクラス層まで幅広い支援実績を持つ。企業担当と面談担当を両面で担当しており、双方の考えを理解したうえで支援を行っている。2019年には社内の四半期MVPを受賞。

インタビュー

Q. メディアプランナー(営業)から就職支援コンサルタントになったきっかけをお聞かせください。

2018年10月に異動したのですが、それは、弊社の中核事業である編集・出版事業(フリーペーパー)と合わせて、人材紹介サービスも拡大を図るタイミングでした。
私自身も入社して6年半がたち、新しいことにチャレンジしたいと思っていたので、ありがたいタイミングでした。

Q. 就職支援コンサルタントになって感じたこと、思ったことはありますか。

都市部に比べて、地方は人材紹介サービスがまだまだ浸透していないがゆえに、どんな求職者がいるのか分からない、広告掲載より高い、などという理由で懸念される企業が多いように感じます。
クライアント企業へは、人材要件をうかがったうえで人材紹介サービスをご提案します。求人広告の掲載では希望どおりの採用が難しいので使うことにしました、というケースも多いです。
そのため、求職者のスキルや経験をしっかり理解したうえで「現在はこのような方が登録されていますよ」とクライアント企業にご提案することが多くなります。一方で、経営者に対して事業計画に沿ったポジションをご提案することがあまりできていないため、これからの課題だと思っています。

Q. 就職支援コンサルタントになって3年たったご感想はいかがでしょうか。

メディアプランナーをしていた頃は、飲食・美容・小売業界などのクライアント企業が多かったので、関わらせていただくクライアント企業が様変わりしたと感じています。
現在は、製造業のなかでもエンジニア職の採用支援が多く、文系出身の私には「会話に出てきた言葉が分からない」「分からない言葉を調べる」の繰り返しでした。また、分からないことはそのままにせず、おしかりを受けてでもお客様に質問するようにしていましたね。
今でもよかったと思っているのは、最初から両面(クライアント企業および求職者の両方を担当)ではなく、クライアント企業の採用支援からはじめ、半年の期間を経て、段階的に求職者との面談を始められたことです。それによりクライアント企業と求職者の話がつながって、より理解が深まったように感じています。
実際に求職者が疑問や興味を持ちそうな点については、あらかじめクライアント企業に質問をしてクリアにしておくなど、事前情報の準備ができるようになりました。

Q. コロナ禍の影響によりクライアント企業(北陸エリア)の中途採用に変化はありますか。

新型コロナウイルス感染症の拡大前は、Web面接など、リモートでの選考ツールを導入しているクライアント企業は少なく、先行き不安も重なって一旦募集を停止するという企業が多かった印象です。
選考のハードルに関しても、コロナ禍の状況前であれば通過するような方がお見送りになることもありました。
そういった意味では、現在はほとんどの企業でWeb面接が可能になり、遠方の方が選考を受けるハードルは低くなってきています。
企業の選考に対するハードルも戻ってきている印象です。

Q. コロナ禍の影響により求職者(北陸エリア)に変化はありますか。

企業におけるリモートワークの環境準備は、首都圏より遅れて始まりました。
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、リモートワークをはじめとしたIT環境の構築が進んだように感じます。
求職者からは、「これから中途採用はどうなりますか?」という質問をはじめ、「会社の業績が悪くボーナスが支給されないので転職を考えています」というご相談が増えました。求職者の気持ち的にも切羽詰まったものを感じています。

Q. 今後の展望やモットーがあればお聞かせください。

前提として、求職者のなかには転職先が決まりやすい方もいれば決まりにくい方もいます。そういったなかで私が軸にしていることは、すべての求職者に対して同じ熱量で支援をすることです。転職したいという気持ちに寄り添い、転職することだけをゴールとせず、その方に必要なサポートを提供できるように日々取り組んでいます。

クライアント企業に対しては、顕在化している求人の採用支援だけでなく、潜在的な求人へのご提案をしていきたいです。
そして、新しいポジションを募集したいと思ったときに、一番に声をかけたいヘッドハンターとして私の名前が挙がるような関係性を築いていきたいですね。

弊社はフリーペーパーなどの広告関連事業でも、クライアント企業とお付き合いがあります。しっかりとお話をうかがったうえで、広告掲載で採用ができる職種であれば求人広告をご提案し、求人広告では採用が難しい職種や特定のスキルを持った方のニーズに対しては、人材紹介サービスをご提案しています。
小回りが利くといったら語弊があるかもしれませんが、機械的な支援ではなく、一見気づきにくい部分にも目を行き届かせるような北陸エリア(地域)密着型の採用支援をしていきたいです。
また地方在住の方が東京の企業に勤務するケースは、リモート勤務が一般的になって聞くようになりましたが、逆に東京在住の方が地方の企業に勤務するケースはあまり聞きません。そういった働き方があることも、場合によってはクライアント企業へ提案していきたいと思っています。
そしてIターンやUターンの促進なども支援し、地方人材の流動化をしていきたいです。

Q. 求職者とのエピソードがあれば、お聞かせください。

2020年4月頃の話になりますが、当時26歳の製造業で働く方の転職をご支援させていただいたときのエピソードです。
お会いした時点ですでに転職活動は進んでおり、何社か受けられていましたが、選考が思うように進まず、不採用になってしまったり、選考が進んだとしてもご本人が納得していなかったりするような状況でした。
すぐに良い結果が出ず、新たな求人が出るまで一旦様子を見る期間もあったのですが、職務経歴書の添削や、定期的なやりとりをしたり、新しい募集が出た際には直接お話しすることを意識したりして、サポートを継続していきました。
結果的に追加でご紹介した企業とご縁があり、無事に入社されました。
求職者からは転職後まもなくご報告をいただき、楽しく働いているそうです。
そして出会いは転職支援でしたが、今は仕事の近況と一緒に私生活のご相談もいただくようになりました。当初はとても驚きましたが、こうやって慕ってもらえるのはうれしいですね。

次回は、2021年6月1日(火)公開予定です。


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