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CRPの"C"は何を意味するのか?

みんな大好きCRP。
さてこのCRPの"C"は何を意味するのでしょうか?
(昔ブログに書いたものをこちらに再掲します)

CRPはC reactive proteinの略で、少し調べると肺炎球菌のC多糖に沈降反応を起こすタンパクと説明されています。しかし、このC多糖のCとは何なのか?CがあるならAやBはあるのか?

ネットを調べると、"Capsule"の"C"であるとか、肺炎球菌の抗原グループA~Cのうちの"C"であるとか、共通抗原"Common"の"C"とかいろいろな説がありました。

疑問に思ったので調べてみました。

まず、PubMedで"C reactive protein"の一番古い文献を調べると

J Exp Med. 1941 Jan 31;73(2):173-82.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2135121/?tool=pubmed
に当たりました。便利な世の中で全文読むことができます。

この時点ですでにC polysaccharideという言葉が使われています。
この論文で引用されているのが↓です。

Tillett, W. S., and Francis, T., J. Exp. Meg., 1930,52, 561.
http://jem.rupress.org/content/52/4/561.full.pdf

これを読むと、type-specific capsular polysaccharideともnon-type-specific somatic nucleoproteinとも異なる3番目の物質ということで、"Fraction C"ないし"C substance"という言葉がでてきます。そして、この"Fraction C"は肺炎球菌肺炎の患者血清と沈降する性質を持っているということが書かれています。

ということで、"C"は単なる「3番目」という意味なのだろうと思います。

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