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神戸物産の外食・中食業界拡大戦略

はじめに


神戸物産が外食・中食事業を拡大する計画について、その戦略や成功ポイントを探ります。外食業界の変化に対応し、神戸物産が展開する業務スーパー以外の店舗育成に注目が集まっています。

神戸物産の業務拡大戦略

神戸物産は業務スーパーのノウハウを活かし、外食・中食店の総店舗数を2026年10月期までに計200店舗と現状より3割増やす計画を進めています。これにより、業務スーパー以外に収益源を広げるだけでなく、外食・中食のFC加盟店を増やして食材の販路を拡大することが期待されています。

外食・中食事業の売上高は前期比495%増の10,950百万円、宮業利益は512百万円(前期は119百万円の 損失)と4期ぶりに黒字転換し、過去最高業績を更新した。

中期経営計画

長期ビジョン

「良い物をより安く」を大義に、食の総合企業としてお客様の豊かな暮らしを支えてまいります。

2026年10月期に向けた基本方針と戦略について

中期ビジョン

プライベートブランド(PB)商品を強化し、業務スーパーを中心として、事業の継続的な成長を目指します。

基本方針と戦略

(1)外食・中食事業の拡大
(2)国内PB商品の生産能力の強化
(3)業務スーパーの継続的な成長を目指す

重点施策

(1)業務スーパーを継続的に出店し、1,130店舗以上とする。
(2)既存店への出荷額を毎期2%以上成長させる。
(3)PB比率を37%まで向上させる。
(4)国内PB強化のため、設備投資を毎年100億円以上行う。
(5)加盟店に対し、省エネ什器や自動発注などの導入を促し、店舗運営を効率化する。
(6)外食・中食事業において、継続的に出店を行い、プレミアムカルビはFC店舗を出店する。

中期経営計画数値目標(連結)

長期ビジョン達成に向けた目標

(1)業務スーパー店舗数を1,500店舗以上に拡大
(2)PB比率を40%以上に向上
(3)外食・中食事業の全業態で500店舗以上に拡大
(4)物流拠点への投資による販管費率の改善
(5)連結営業利益率を10%以上に向上

成功ポイントと再現可能な戦略

神戸物産の成功ポイントは、人件費や店舗の運営コストが重い一般的なスーパーと異なり、FC方式での出店と好採算のプライベートブランド(PB)商品の充実といったビジネスモデルで成長してきた点です。これは他の企業でも再現可能な戦略であり、特にPB商品の充実による顧客満足度向上が重要です。

業務スーパーのFC内容

◆ロイヤリティが仕入れの1%(※)
◆利益幅を確保できる高品質・低価格のオリジナル商品
◆ほとんどロスが出ない常温・冷凍商品メインのラインナップ
◆利便性の高い発注システムによる店舗運営
◆スーパー経営未経験でも安心のサポート体制

業務スーパー事業の売上高のうち、FC本部としてのロイヤリティ収入はFC加盟店への商品出荷高の1%と、 FC展開する企業のなかでは低い料率となっている。これは同社の経営方針である、FC加盟企業の収益を拡大 することが自社の成長につながるという考えに基づくもので、ロイヤリティ収入で稼ぐのではなく、食品の製造 と卸売事業で収益を拡大することを基本戦略としているため。

外食・中食事業の展開

神戸物産は業務スーパー以外にも外食・中食事業を展開しており、総菜店「馳走菜(ちそうな)」、ビュッフェレストランの「神戸クック・ワールドビュッフェ」、焼き肉オーダーバイキングの「プレミアムカルビ」の3つの外食・中食事業のFC展開を進めています。

馳走菜のFC内容

ロイヤリティが総仕入高の2%
◆神戸物産のノウハウを活かしたオリジナルメニュー
◆廃棄ロスの少ない商品ラインナップ
◆飲食店未経験者でもすぐ習得可能なシンプルオペレーション

将来展望

神戸物産の外食・中食事業は、市場環境の好転により増収基調が続いており、2024年10月期にはコロナ禍前の売上水準達成を目指しています。特に、「神戸クック・ワールドビュッフェ」では、インバウンド需要や旅行客の需要回復やイベント需要の増加などにより、増収が見込まれています。新規出店としては、2024年1月に千葉県に1店舗を出店しました。


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また、「プレミアムカルビ」も順調な拡大が見込まれており、特に首都圏内での新規出店の意向があります。湘南台店ではデザートビュッフェに焼き菓子を追加し、好評を得ています。今後もデザートメニューの充実や期間限定フェアの開催により集客力を向上させる予定です。

さらに、「馳走菜」についても業務スーパーとの同時出店を計画しており、新規加盟のリクエストが増えていることから店舗数の拡大が見込まれています。商品戦略としては、デザート類のラインナップを拡充し、既存店売上高の伸長を目指す計画です。2023年11月には業務スーパー内に3店舗を新規出店しました。

結論

神戸物産の外食・中食事業の拡大戦略は、業務スーパーの成功モデルを活かし、他社でも再現可能な戦略となっています。今後の展開に注目が集まる中、業界全体の発展に貢献することが期待されます。

引用: 2024/06/12 日経MJ(流通新聞) 11ページ

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