見出し画像

運命の鍼とチーズナンがあるところ、それは南千住

南千住駅。
北千住駅の1つ手前の駅である。
東京メトロの乗降人数で比較すると北千住駅が29万人、南千住は3万人と、北千住駅と比較すると、やや控えめな印象がある。
複合商業施設、戸建てに超高層マンションと住宅地に見えるが、明治時代は「カネボウ」の工場がある、工業の街だったという。

JR線の南千住駅の北口から徒歩で3分弱。人と自転車だけが通れる道沿いに「moo鍼灸院」はあった。
「こんにちは」と出迎えてくれるのは、女性鍼灸師である村山先生。身長が150センチ台と小柄な先生が一人で営んでいる。しかし、気さくでありながらも落ち着いた笑顔が、身長を見た目より大きく感じさせた。

営業日は火曜日から日曜で、朝10時から。平日は20時までと長い。仕事帰りでも十分に間に合う時間である。治療は、鍼をうつ時間と、鍼をおいて待つ時間で約1時間。

3月に南千住に移転開業。
以前は三ノ輪で開業していたが、そのときに通っていた患者さんの通いやすさを考えて隣の南千住を選んだという。

週1日休みですが、疲れませんか? そう尋ねると、嬉しそうな笑顔を見せて、先生は答えた。
「開業してしばらくは空き時間が多いと思い週一日休みにしました。半年ぐらい経った頃には忙しくなってきたので、そろそろ休みを増やそうと考えています」

先生が鍼灸師を志したのは、とにかく勉強がしたかったからという。少し遠い目をしながら、懐かしそうに話す。
「もともとマッサージをやっていたので勉強したかったんですね。その時は仕事もフルで、夜間に通っていたので、結構大変でした。鍼の国家試験に受かってからは、鍼しかない、極めたいと思いました」

患者は女性が多いのかと思いきや、意外にも半々で、日によっては、女性だけの時もあるという。
女性向けに工夫している事を聞くと、近くの棚から切り込みの入ったハンドタオルのようなものを手に取り、それを広げて見せた。
「うつぶせになったときに、顔にタオルの跡がつかないよう、1番工夫しましたね。後はエアコンの温度です。女性は寒がりなので、必ず寒くないか確認しています」
インテリアをおしゃれにするセンスがない、という先生だが、白を基調とした少しの絵やプリザーブドフラワーでの飾られた院内は清潔感があり、withコロナの今、より安心できる。

治療部位はほとんど、腰やお尻、首と肩。
腰周りの治療の時について聞くと、先生は立ち上がってくるりと振り帰り、尾てい骨付近に手を置いた。
「このあたりにも鍼を打つので、インナーをTバックのような形にしたり、打つ箇所によってずらします。女性同士なので、全部下ろしちゃってもいいんですけどね」
おしり、インナー見せと、男性の鍼灸師にはお願いしにくい部位である。

私が以前、こちらで定期的にふくらはぎのむくみの治療を受けたときに思わぬ副産物があったことを伝える。
「生理が周期ぴったりくると言うのは、女性の患者さんからしばらくされてからよく聞きます。 血行が良くなって整うからでしょうね」
先生が面白そうに話す。その他、鍼を受けるととても深く眠れるという方が多いそう。

「鍼にいらっしゃる方は、最後の手段、と言う方が多いですね。鍼は怖いと言うイメージで敷居が高く敬遠されがちなのですが、どうにもならないと言う時は、ぜひチャレンジしてみてください」
先生は少し照れた笑顔で言った。

女性が気兼ねなくお尻を見せられる鍼灸院。とても貴重でありがたい存在である。


===以下チーズナンメモ====

院の近くのインドネパールカレーはるき南千住店のチーズナンが、ピザでいうとクリスピーという、薄くてパリッと感があって「チーズ、食べてる!」満足感が味わえておすすめです。

サポートありがとうございます。 サポートいただいた際には、書籍購入または、 カレーを食べてレポートを書いたり、または、 カレーを食べてレポートを書いたり、もしくは カレーを食べてレポートを書きます。 楽しんでいただけたら嬉しいです。