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【中学受験】効果的な過去問の使い方とは②~志望校レベル別の具体的手順

過去問の使い方は奥が深いです。お話ししたいことはたくさんあります。元塾業界出身者としてお伝えできることはすべてお伝えします!

過去問の効果的な利用方法を知り、入試直前まで志望校合格に近づきましょう。

3回に分けてお話しています。


今回は、志望校を易しめ、中堅、難関の3つに分けてそれぞれの過去問活用方法を具体的にお伝えします。

【レベル分けの基準イメージ(当ブログ)】
レベル分けはざっくりと、次のようなイメージです。

◆易しめの学校
首都圏模試:偏差値45くらいまで

◆中堅校
首都圏模試:偏差値45~60くらい
日能研・四谷大塚:偏差値54くらいまで
SAPIX:49くらいまで

◆難関校
首都圏模試:偏差値60くらい~
日能研・四谷大塚:54くらい~
SAPIX:49くらい~

※このくらいの偏差値で難関校と呼ぶのはちょっと…
と思う方がいらっしゃったら失礼しました。
こちらのブログをご覧になる層が個別指導や家庭教師の利用、
塾なしで中学受験する方が多いもので、こういった区分けに
させていただいております。

志望校のレベルによる出題傾向の差

同じレベルの学校でも出題傾向はもちろん異なりますが、全体的には下記のような傾向が見られます。

易しめの学校

標準的な中学入試問題の中では基本問題中心の出題です。中学入試独特の問題パターンの出題が少なめで、標準的な中学入試問題集の基本問題の中でも全く出題がないパターンがあったりします。しかもほぼ数字を変えただけのパターン問題も多く出題されます。

中堅校

標準的な中学入試問題が中心の出題です。出題パターンをしっかり押さえれば、合格にかなり近づけるでしょう。ただ、標準的な内容だけでも相当の量があり、問題の出され方も少しずつ変えて出題されるため、同じパターンだと紐づけることが必要です。

難関校

標準的なパターンに加えて、思考力・記述力・応用力が必要な問題も多く出題されます。機械的に解くだけでは通用せず、パターンを組み合わせたり取捨選択したりする力も求められます。

過去問活用の具体的手順

※特に算数をイメージしてお話していきます。

※どの科目も大方同じようなやり方になりますが、最後に各科目のポイントも加えます。

易しめの学校が第一志望の場合

とにかく過去問を何度も何度も繰り返しやることです。答えを覚えてしまうじゃないか!それでいいです、算数であれば途中式や図までなにも見ないで書けるようにしてください。

過去問活用手順

①全単元終了後、過去問1回分を解いてみます。制限時間内に何も見ないで解いてみてその時点での目標との距離を計ります。

②①で合格最低点の80%未満のときは、過去問全部をやるにはまだまだ力不足です。

分野別にせめて行きましょう。

算数の例:問1 計算だけをやる(+手持ち問題集類題)
→ 問2 小問だけをやる(+手持ち問題集類題)
→ 問3 図形だけをやる(+手持ち問題集類題)
※過去問をたくさんコピーして強化する問を何度も解くのもありです。

1周目が完了したら、2周目は過去問を通しで解いてみます。(➂へ進む)

➂①で合格最低点の80%以上取れているようなら、同様に週1回、月1回など定期的に過去問デ―を決めて、模試代わりに解きます。

解いた日、次の日辺りは間違い直し、解き直しに当てましょう。

苦手分野が見つかったら、手持ちの問題集等で類題を解いて苦手を克服します。

過去問には限りがあります。全国模試のない直前期に実力試しとしてやる問題を取っておきましょう。(最低、最新の3回分くらい)可能であれば、中古でさらに古い過去問も入手しておくと良いです。なければ、2周目、3周目や同じレベルの学校(出題傾向が似ている学校)の過去問を解きます。

➃➂も順調に終わるようなら、下記の中堅校の対策にレベルUPしましょう。

よく、逆転合格(模試でE判定でも合格)したという話を聞きます。実際私も見事に逆転合格してもらえた生徒さんのことは印象深く残っているのですが、現実として合格可能性の高いのはもちろんA判定やB判定の生徒さんです。逆転合格は運も必要なのです。運よく受かるのではなく、実力を上げて確実に受かりたいもの。それには1つ上のレベルに上がることが重要です。

中堅校が第一志望の場合

標準レベルのパターン問題を速く正確に解くことが必要です。過去問が難しく感じる場合は、分野別に過去問を解き、パターンを頭に入れることで正解率も上がっていくと思われます。

①全単元終了後、過去問1回分を解いてみます。制限時間内に何も見ないで解いてみてその時点での目標との距離を計ります。

②①で合格最低点の80%未満のときは、そのレベルの過去問全部をやるにはまだまだ力不足です。

次の2通りのやり方を並行して進めましょう。

  • 下のレベル(第二志望以下や抑えの学校)の過去問を制限時間以内で解き、テスト形式に慣れる。

  • 過去に出題されている頻度が高いものを優先に、分野ごとに固めていく。例えば旅人算だったら、過去問の中で旅人算の問題だけをピックアップしてやる。合わせて、いつもやっている問題集の標準レベルで旅人算の問題も解く。

➂①で合格最低点の80%以上取れているようなら、同様に週1回など定期的に過去問デ―を決めて、模試代わりに解きます。

※レベルが上がるほど問題量が多く(問題数が多い or 1問1問が長い)なります。解くスピードもかなり重要なので、必ず時間制限をもうけて急いで解く訓練をしておきましょう。

解いた日、次の日辺りは間違い直し、解き直しに当てましょう。

苦手分野が見つかったら、手持ちの問題集等で類題を解いて苦手を克服します。

過去問には限りがあります。全国模試のない直前期に実力試しとしてやる問題を取っておきましょう。(最低、最新の3回分くらい)可能であれば、中古でさらに古い過去問も入手しておくと良いです。なければ、2周目、3周目や同じレベルの学校(出題傾向が似ている学校)の過去問を解きます。

➃➂も順調に終わるようなら、下記の難関校の対策にレベルUPしましょう。

難関校が第一志望の場合

一見、やったことのない問題に見えても、パターンとパターンの組み合わせで問題が作られていることがあります。過去問を覚えてしまうのではなく、解くときに必要なパターンの組み合わせ方法を過去問をやりながら学んでいきましょう。

①上記と同様、全単元終了後に過去問1回分を解いてみます。制限時間内に何も見ないで解いてみてその時点での目標との距離を計ります。

②①で合格最低点の80%未満のときは、そのレベルの過去問全部をやるにはまだまだ力不足です。

まずは過去問を解いた結果を分析し、課題を明確にします。

【全体的に解き方がわからない問題が多い場合】

上の、中堅校の対策をまずはしてください。

  • 下のレベル(第二志望以下や抑えの学校)の過去問を制限時間以内で解き、テスト形式に慣れる。

  • 過去に出題されている頻度が高いものを優先に、分野ごとに固めていく。例えば旅人算だったら、過去問の中で旅人算の問題だけをピックアップしてやる。合わせて、いつもやっている問題集の標準レベルで旅人算の問題も解く。→標準が完了したら応用もやります。

【苦手分野がはっきりしている場合】

  • いつもやっている問題集の標準レベルで苦手分野の問題を解く。

  • 標準が完了したら応用もやります。

  • 過去問の中で苦手分野の問題だけをピックアップしてやる。

【時間が足りない場合】

計算や読解の基礎スピードが遅い可能性が高いです。日々の訓練が必須です。

常にタイマーで時間を図って問題を解いてください。

  • お勧めは抑えの学校の問題です。スピードだけを意識して、制限時間の半分の時間で解いてみてください。日々の勉強のウォーミングアップとしてやりましょう。

  • 第一志望校の過去問の中では、問ごとに時間を図って解いてみるとどこで時間がかかっているのかがわかります。その中で、パターン化している問題があれば、解き方も決めておきましょう。例えばどんな図をどこに書くか、など。迷いをなくすだけでも時間が有効活用できます。

➂①で合格最低点の80%以上取れているようなら、週1回など定期的に過去問デ―を決めて、模試代わりに解きます。

解いた日、次の日辺りは間違い直し、解き直しに当てましょう。

苦手分野が見つかったら、手持ちの問題集等で類題を解いて苦手を克服します。

過去問には限りがあります。全国模試のない直前期に実力試しとしてやる問題を取っておきましょう。(最低、最新の3回分くらい)可能であれば、中古でさらに古い過去問も入手しておくと良いです。なければ、2周目、3周目や同じレベルの学校(出題傾向が似ている学校)の過去問を解きます。

➃➂も順調に終わるようなら、色々な難関校の過去問もチャレンジしてみましょう。

出題傾向の近い学校を選ぶようにしましょう。

科目の特性

国語の読解

入試では所見の文章を読む力が見られるため、一度やった読解の文章を覚えてしまっていると効果が低くなってしまいます。
志望校の過去問は2回目、3回目はやらずに同レベルの他の学校の過去問を解いていくと良いでしょう。

用語、漢字・熟語等の知識問題

過去問に出た用語はそのまま出題される可能性が低いです。実力をはかり、傾向を知ることができたら、問題集等で網羅的に、繰り返し暗記していくことが得策です。

まとめ

過去問は解説が詳しくないことが多いため、歯が立たないときに無理やり解きつづけるのはおすすめできません。今の自分の実力と志望校合格との差を過去問で図り、そのとき最も適切と思われる対策を行う。それを繰り返すことで確実に目標に近づけるのです。ぜひ過去問を上手く活用して希望を叶えましょう。

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