テキストプレースホルダ__5_

「行き先は、自分で決めない」

そうすれば、想像を超えた世界にたどり着ける。自分の人生は、不思議なことにこの法則が成り立っています。ベース、作曲、そしてサポート。進むべき道は、周りの人達が決めてくれました。

「行き先」=「得意なことの延長線上」だとして、「得意なこと」を自分で決めなくても大丈夫。今日はその話をします。

空いていた枠①

ベースを始めたきっかけは、中学校の文化祭。当時仲良くしていた友達グループ内で、"コピーバンドを組んで文化祭に出よう"という話が持ち上がりました。仲間内にドラム、ボーカル、ギターは揃っていたものの、ベースだけいなかった。唯一の選択肢は、手の空いていた自分が始めること。こうして枠にハマる形で「じゃあ俺やるよ」となりました。

つまり、自分からやる楽器を決めたわけではなく、偶然ベースとマッチングしたわけです。だから将来「音楽で生活する」なんて考えてもみなかった。ただし、ここでライブの楽しさを知ってしまった結果、ベースを趣味として続けることになります。

空いていた枠②

その後、曲を作るきっかけが訪れたのは、高校生の頃。とあるデスコアバンドに加入しましたがすぐに崩壊、コンポーザー不在のメンバー3人だけになる事態に。状況を打開すべく、思いつくままにデモを作ってみたところ、kneeya君ともう1人のメンバーが「良いですね!」と言ってくれました。それが、「曲を作れる」と思えた最初の出来事です。

そのクオリティは、今の100分の1くらいでした。デモといっても、超原始的な方法で重ね録りしたものです。【MTRに録音したギターに合わせて、ドラム音が鳴るパッドを手で叩く】ことで作っていたので……。

そのデモの次に作った曲が、Sail Away。あとはお馴染み『Judgement』、『Sanctuary』そして『Revised Standards』へと連なります。

つまり、初めから「コンポーザーになる」のを目標にしていたわけではありません。"曲を書く人がいない⇒じゃあ自分でやってみよう"、これが始まりです。それに対して、最初期メンバーからの評価と、曲を聴いてくれた人達からの反響があったおかげで、「もっと良い曲を追求しよう」という軸が出来上がりました。

かかってきた電話①

その後サポート業でツアー生活を送るのも、周りの人達が決めてくれたことです。Her Name In BloodのDaikiさんからきた「次のツアー、サポートギター弾ける?」という電話。ここから世界は一気に広がりました。

画像1

不思議なのは、あの時「サポートギターやります」なんて営業してなかったのに話をもらえたこと。そもそもライブでギター弾いたこともないし、サポート業の発想すら頭になく。行き先を決めてないどころか、ルートとして考えたこともなかったです。

かかってきた電話②

そしてもう1本、2014年10月3日の昼間にCrystal Lakeからきた「今日のライブ、サポートベース弾ける?」という電話。

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元々このライブへ遊びに行く予定だったので、運良くそのまま引き受けることに。しかし、どう考えても事前に予定するのは不可能な話です。当然曲を弾けるわけなかったので、出番の直前まで楽屋にこもり、必死に耳コピしました。

実はこの時、アンコールをやらないはずが、結局「アンコールやろう!」となり、さすがに焦りました。フレーズが身体に浸透していなかったので、キメとブレイクダウンだけは外さないよう、死に物狂いで弾いたのを覚えています。その後の数年に渡る顛末はご存知の通り、想像を超えた世界を経験させてもらいました。

「行き先のラベル」

こうして流れに身をまかせるかのように生きてきましたが、"自分で行き先を決めない=ただ待っているだけ"、という意味ではありません。何か行動することで、自然と「行き先のラベル」を貼ってもらえる感覚です。

例えば、HNIBから連絡が来た理由は、「SBTWの音源を聞いて、ギター弾けるのを知っていたから」と後日聞きました。確かに、『Judgement』ではギターも弾いているのを公言していたんです。その行動に対して「サポートギター」「ツアーメンバー」という行き先を与えてくれました。

他には、レコーディングの仕事も、元をたどるとSBTWの音源を自分で仕上げていたのがきっかけです。それを聴いた友達のバンドから頼まれるようになり、気づいたら「エンジニア」という道に進んでいました。

ラベルを貼ってもらったら、そこからまた自分のセンスに従えば良い。そうするとさらに細かい「ラベル」を貼ってもらえる。

例えば、最近ミックスのレッスンをやるようになりました。これはエンジニアの道を進んだ結果、「教えて欲しい」と連絡が来るようになったからです。最初から「人に教えるようになる」という行き先を設定していたわけではありません。

流れに乗る

こうして周りの人達が、「行き先」を決めてくれたおかげで、「そうか、こっちの道へ進めばいいのか」と自走出来るようになり、今に至ります。

このnoteも同じで、元々はプロフィールを載せるために作ったページです。たまたまベースの話を載せたら、「分かりやすい」「読みやすい」といった"文章自体"への反響をもらえました。

それを受けて少し更新を続けた後、「どうせ書くなら、全力でやってみよう」と有料noteに全てを注いでみたら、なんと50部以上売れて、今も売れ続けています。まさに想像を超えた世界です。

この法則は、大なり小なり誰でも当てはまります。例えば、カメラマンの場合「ライブ写真がカッコいい」という反応をもらったら、「次のライブは◯◯を工夫して撮ってみよう」と焦点が絞られていく。あえて「景色に力を入れよう」とはならないですよね。

きっと「最初から得意なことが得意」な人の方が少ない。そうしないと、天才しか生きていけない世界になってしまう……。

流れに身を任すのも、行動の一つです。

流れに乗って自分でも泳げば、さらに速いスピードで先に進める。


今日は以上になります、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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P.S.

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