見出し画像

Aaron Chaparian Recordings

Aaron Chaparianとは、Sever The Kingのギタリスト兼エンジニア。新譜が最高だったSentinelsの音源制作にも携わっています。

画像1

そんな彼がYoutubeに「Songwriting Example」というシリーズ名の元、オリジナル楽曲のオケを延々とアップロードしていまして。そのペースとクオリティが凄まじい。今回はそのチャンネル紹介です。

アップロードされている曲自体は「オケの欲しいアーティスト/ボーカリストに販売する」ことを目的にしているため、基本的にインスト。

そういう意味では、コンポーザーやエンジニアといった作り手向けのチャンネルです。ダウンチューニングや海外アンダーグラウンドの最先端サウンドが好きで、楽曲やサウンドメイクのアイデアを追求したい方の参考になると思います。

曲紹介

今日の時点で"Songwriting Example 82"まで上がってます。「センス恐るべし!」と思った3曲を紹介します。

どの曲も共通して感じるのは以下のポイント
・キャッチーかつ凝ったリズムセンス
・遅いテンポでもダレない工夫
・同期(シンセ)を混ぜる塩梅の絶妙さ
・不協和音系バリエーションの豊富さ

最初はこのポイントを頭において聴くと、楽しめると思います。

①:Songwriting Example 40 (Metalcore/Djent)

いきなりBorn of Osiris新譜バリの勢いで幕を開けます。この時点で上がる。

2:59~の展開がとにかく秀逸。執拗なパン振りから、しっかりブレイクダウンにまとめ上げるやり口に、頭脳の明晰さが出てます。2周目からシンセを足してくるあたりも容赦ない。


②:Songwriting Example 56 (CRAZY HEAVY DJENT)

かなり現行の、モダンダウンチューニングサウンド。彼は同期系の処理も非常に長けていて、2:36~シンセ入れ&音抜き部分の展開にそれが垣間見えます。

細かいアクセントの挟み方もズバ抜けている。3:25~キテレツ上物パートを経ての、後半クレイジーパート。十分クオリティ高いフレーズなので、後は回すだけでも成立するのに、一瞬挟んでくる4:32-4:33のブレイク。このあたりは"舌を巻く"と言わざるを得ない、、最高!


③:Songwriting Example 47 (Progressive Metalcore)

こうした初期Erraの流れを汲むプログレッシブメタルコア曲もいくつか上がっていて、どれもハイレベル!

パっと聞きのハイライトは明らかに1:34~ですが、ブレイクダウンの構築って行きよりも帰りの方が難しいので、帰り道(1:51~2:01)のビョンビョンリフにも手練れの妙技を感じます。2:19でまた落としに繋げるところもスムーズ。※ビョンビョンリフは勝手に命名しました。

最後のブレイクダウンは、表向きシンセで引っ張る裏で、折り返しごと(5:26&5:34)にエフェクトを入れる采配にセンスを感じます。


おまけ:Songwriting Example 57 (Deathcore)

得意とする王道の"棍棒で殴りかかり"的な曲は、流石のクオリティです。0:55や2:14で聴ける、崩壊ギリギリのラインを突いてくる"圧"はエンジニアだからこそできる技ですね。


まとめ

入口として聴きやすい曲をチョイスしましたが、全体の割合としては、もっとダウンチューニングだったり、ダウンテンポ/Thall的なものが多いです。

自分は元々STKが好きだったので、「Songwriting Example 1」からチェックしてますが、作を重ねペースも早いのにクオリティが全く落ちないどころか、むしろ上がっていることに感動します。

ちなみにAaron本人とはFacebookで繋がって、直接レコーディングの話を聞いたりもしました。(*2019年時点)本人いわく、「たまにSansAmpとPeaveyは使うけど、実機で使うのはそれだけで、基本的にはPC内で完結している」とのこと。youtubeのコメント欄では、チューニングの質問に答えているのも見かけたので、色々気になる人は深掘りしてみると良いですね。


ご感想はTwitterでシェアしてくださると嬉しいです!  https://twitter.com/Bitoku_Bass