朝日杯FS 全頭考察
印
◎タガノエルピーダ
○ジャンタルマンタル
全頭考察
1枠1番 エコロヴァルツ
近親にスプリント路線で活躍するヴェントヴォーチェがいる牝系で同じく牧浦厩舎が担当している。
母はキンカメ産駒で芝中距離3勝。
本馬はブラックタイドを配合してより重厚でパワフルかつスタミナ豊富な馬だと思う。
繋ぎも立ち繋ぎで洋芝の札幌で強い競馬してきたのも納得の馬体。
ゲートは立ち上がり気味だが、すっと先行できるセンスがある。
しかし前身気勢が強く抑えきれず逃げる形になってたのは不安要素。
そのためホープフルじゃなく朝日杯のペースの方が折り合えるというを選択した。
ストライドの伸び、走り方はすごく綺麗な馬で素質は高そうだが最内から阪神マイルで好走できるビジョンが湧かない。
逃げ、ないしは番手で折り合うしかなくそこから決め手勝負の阪神マイルはなかなか難しいレースになりそう。
1枠2番 ミルテンベルク
ドイツのPライン牝系で日本ではなかなか活躍馬が出てない牝系。
ディープ×Acatenangoの母ペルレンケッテは芝1400で4勝した先行馬。
本馬はモーリスを配合しサンデーの4×3で配合的にはFair Trialの影響が強い立ち回り型の1800〜2000くらいの距離のイメージだが気性が前向きなのでスプリントからおろしたのかなと。
新馬から強い勝ち方をして小倉2歳Sもアスクワンタイムと怒涛の追い込みをしてきて2着。
本質的にはもっと長い所と思っていた所で京王杯だったがかかってしまい力を出しきれずに5着だった。
現状マイルだと折り合うのが難しくこの中間も折り合い重視の調整。
打点的な所でも届くかという所なのでなかなか厳しいレースになりそう。
2枠3番 ジャンタルマンタル
母インディアマントゥアナは北米G3馬で父Palace MaliceがベルモントS馬という完全ダート配合に思えるがPalace Maliceの母Palace Rumorがアイアンバローズ、ジャスティンパレスの母なので日本の芝適性があり、本馬とノルマンの馬が今年芝で勝ち上がっている。
母はA.P.IndyにStorm Catで奥にWar Relicも持っているのでSecretariatをクロスしつつEight Thirty≒War Relicでパワーの仕掛けもある配合。
父はSmart Strike、Nureyev、Robertoと日本の芝馬でも奥でよく見る血が並んでおり、芝も出るのは分かるがミスプロ、ロベルト、Nureyevのダート中距離配合にDeputy Minister、Ack Ack、Relaunchと個々で見るとパワーに溢れている。
本馬の配合としてはGood Example≒Eight Thirty≒War Relicのダート短距離配合とミスプロ×ロベルト×Nureyevのダート中距離配合と強烈なナスキロなのでスピード、パワー、スタミナどれも豊富だがどう発現するかという形。
馬体はスッキリとした腹回りにボリュームのある胸前、トモの容量もあり首や顔はダート馬の様な太さ。
新馬戦は京都1800mを正攻法で完勝。
前走デイリー杯も少しかかる所を見せたがインの2番手追走から京都外回りのイン差しで完璧な騎乗もありまた完勝とセンスの良さを見せた。
配合上のどこが出てるかは難しいがStorm Cat持ちっぽい競馬をしているなという印象。
今回また内枠を引き川田騎手を手配。
馬場も結構な内伸び。
社台、高野厩舎としても鮫島君を降ろしてまでなので負けられない戦いとなるが阪神マイルG1で今までと同じようにすんなり勝てるのかと思う。
完璧な競馬ができる本馬が決め手のある馬とどこまで凌げるかがこのレース見どころになりそう。
2枠4番 サトミノキラリ
母バレードはHyperion色の強い牝系にNijinskyは入るが柔らかいスピードを繋いできた所にディープをぶつけた形でSir IvorをクロスしHaloと脈絡させているが非力な印象の配合。
そこにビッグアーサーなのでスピードを継続した形。Princely Giftが3本になるがそこまで非力感のない馬体なのが救いか。
ビッグアーサー産駒の牡馬にしては小柄だが筋肉量はありその分東京1400でもやれたのかなと。
それでもストライドはそこまで伸びずそこが限界かなという所。
阪神マイルでこの枠ならイン前でどこまでズルい競馬ができるかだと思う。
3枠5番 タガノエルピーダ
タガノの名牝系で兄弟に障害で活躍したタガノエスプレッソ、武蔵野Sを逃げ勝ったタガノトネール、ステイヤーズSや阪神開催の京都記念で2着に粘ったタガノディアマンテなどがいる。
キンカメ、トニービンの時点で母方として優秀過ぎる配合だがNureyevをクロスしトニービンの緩さを締めているのも好感が持てる。
牝系もHyperion色が強くナスペリオンを締めた母という印象。
そこに少し硬めのキズナで牝馬に出たので良いバランスの配合になったなという印象。
距離もまだ配合自体は伸ばせそうな構成。
牝系の奥のEight ThirtyがありStorm CatのEight Thirtyと脈絡するのも効いてくるかなと。
新馬の内容が凄まじく完全逃げきれそうな逃げ馬を2番手から京都内回りで3F33.5秒で差しきった。
推定するにラスト1Fは10秒台を刻んでまだ1ハロン追えた形の勝利。
阪神JFに出てくれば本命にしてたと思うし、
結果的にあのレベルのレースでも良い勝負できたかなというレベルだと思う。
齋藤先生的には1週伸びた影響は逆にプラスでもう1段階上げられたと言っているがさすがに不安要素ではある。
ただ牡馬相手になるという点は憂慮しなければない点。
朝日杯はスローから瞬発力戦になりやすいので決め手のあるこの馬なら好勝負できそうな目はあると思うが激しいポジション争いや馬群を割るみたいな経験は当然してないのでそこはオッズとの兼ね合いかなと。
能力だけなら引けはとってないと思うのでここは勝負したいと思います。
3枠6番 セットアップ
母はダート1700を中心に中央3勝。
近親にJBC2歳勝ちのゴライコウがいる牝系。
アルデバラン2はSir Ivorこそ入るもののBest in Show牝系にPrivate AccountにOccupyなのでガッツリパワーがありサンデー、Storm Catという形の母。
そこにデクラレーションオブウォーなのでRahyとサンデーを脈絡させたスピード機動力タイプの馬かなという印象。
デクラレーションオブウォーのツボは沢山あってDanzigもいじれるしForliもNureyevやSadler's WellsでいじれるしRahyはもちろんGone West、Nijinskyと距離も芝ダートもいじり方１つで面白い種牡馬。
本馬はミスプロ、Rahy、Nijinskyの機動力
辺りを刺激したのでトップナイフよりも素軽い反面粘り強さはトップナイフの方が上な印象。
新馬は函館で逃げて最後は差されたが相手がレガレイラなのでこれは相手が悪かっただけ。
難なく未勝利突破し馬場の荒れた札幌2歳Sで圧巻の逃げ切りで重賞馬になり直行でここまで来た。
折り合いに難がありこの馬もホープフル向きだがペース的に朝日杯にきた形。
この中間も引っかかる所を見せていたが武史騎手はパワーが増したと。
よりダート馬らしくというか洋芝適性っぽい感じになってきたのかなという印象。
おそらく逃げるかなと見ているが阪神マイルを逃げきれるとは思えず、なかなか厳しいと思う。
4枠7番 オーサムストローク
母はFlankel産駒のフランス生産馬。
母自身がSadler's Wellsの3×4という日本ではなかなかな血統で繁殖として期待されて輸入されてきたと思う。
エピファネイアをつけSadler's Wellsの4×4+5というさすがに重そうな配合だがナスキロの切れ味が増強されていて締める所は締めて濃いNothern Dancerはシンボリクリスエスで外せてバランス的には悪くないと思う。
とはいえSadler's Wellsが濃いので基本的には先行してどれだけ粘れるかという馬。
札幌で同じ相手に2度負けたが中山では良いラップを刻み圧勝。
前走東京マイルのベゴニア賞イクイノックスの妹ガルサブランカを相手に勝ったという事実と差しきらせなかった点は評価して良いが余りにもスロー過ぎたのでこのレースは参考外でも良いかなと。
前進気勢が強い馬だが前走のペースで大丈夫なら折り合いは問題ない。
パワフルで前肢の上がりも良くストライドが伸びて凄く好きな走り方をするエピファネイア産駒らしい馬。
この枠からおそらく2.3番手辺りで折り合って前走みたいなレースをしたいと思う。
しかしさすがにあんなペースにはならないので阪神マイルG1でどこまでやれるかなという所。
4枠8番 ダノンマッキンリー
母ホームカミングクイーンが英1000ギニー馬である超良血配合の高額取引場。
モーリス×DanehillというHitotsuなど豪州で大成功しているAmeriflora≒Danehill配合。
Sharpen Upでノーザンテーストとも脈絡させて粘り強さもある。
馬体は首や胴は短め距離は短い方が良いかな。
筋肉のつき方は素晴らしいのでここから成長してどうなっていくのかという馬体。
新馬は早め先頭で楽勝。
前走は少し出遅れるも爆発的な末脚で楽々差しきり1:20:7という好時計で勝利。
首が高く凄く良い走り方とは言えないがストライドは伸びるし反応もいい良すぎるくらい。
1週前の軽めでルメールとゆっくりのキャンターレベルでもギリギリ折り合えてたし木曜の最終追い切りでは福永さんがなんとか抑えて終いは促すだけで楽々11.5-11.2という素晴らしい内容。
素質はピカイチたが気性的にマイルはギリギリかアウトかという所。
来年の秋にはスプリンターズSに出てるかもしれない。
今回はなんとかルメール騎手が折り合っていければ突き抜ける可能性すらあるが最後止まることも十分に考えられる。
本命は打ちづらいく買うかどうするかという所。
5枠9番 クリーンエア
母は米国産2勝馬。
Machiavellian系の柔らかめなStreet CryにStorm Cat、Fappiano、In Reality、Buckpasserとパワー重ねてきた馬。
そこにリアルインパクトでEight ThirtyやIn Realityなどが脈絡するトキオリアリティーを刺激した配合。
同時にディープのHalo≒Sir Ivorも Machiavellian、Storm Catで刺激し1400、1600辺りを先行し差しきるイメージの馬。
新馬戦は完全に詰まるも外に出したら一気に反応し差しきり。
2走目の新潟2歳Sは反応の差と直線を迎えるまでの位置取りの差でアスコリピチェーノに屈したがそこまで差のある内容ではない。
前走は出遅れて後方追走、ジャンタルマンタルと同じ所を通り8着。馬場の悪い所を通ったとはいえ勝ち馬と同じ進路なのでここは適性の差かなと。
阪神に変わり見直せる内容ではあると思うしアスコリピチェーノを物差しで言えば好走しても良いと思う。それに鮫島君は手が合いそう。
初の急坂をクリアすれば3着はあってもと思うが流石に足りないか。
5枠10番 バンドシェル
母はルーラーシップの緩さを、French Deputyで締めた形の馬。
そこにバンドワゴンなのでSadler's WellsがFair TrialやRivermanと脈絡して相性は良いと思うが日本の主流で戦うにはDroneとUnbridled's SongのIncantationだけでは厳しい印象。
ルーラーシップは凄く綺麗な走りをする馬を多く生み出していて母父に入ってもステレンボッシュ然り本馬然り綺麗な走りをする。
新馬はゲートで伸び上がり出遅れかかり気味の追走。大外を回しあっという間に先頭に出て押しきり勝ち。
前走京王杯はかかり気味ハイペースに追いかけてしまうも最後に差し返して4着。
根性や素質はある馬だと思う。
距離の心配はかかる所だけでタフになればこの馬の良さが活きるとは思う。
今回は1発あってもと思ってたがペース的にも馬場的にも能力的にも流石に足りないかなという所。
6枠11番 タイキヴァンクール
母は未勝利も近親にゲンパチルシファーがいる。
ディープ×Storm Catのエイシンヒカリにキングヘイローを重ねるとHalo≒Sir Ivor≒Terlingua≒Droneの多重クロスにLyphard等でFair Trialを多重に重ねつつEight Thirtyをクロスする形でスピード、機動力に富んだ形になる。
加えてMiswakiなのでBuckpasserでパワーを増強しつつ粘り強さを強化している。
逃げて粘り強い配合に思える。
新馬戦は逃げて3着。
2走目は外を回される形で追い込むも2着。
前走は外から4角先頭押しきり勝ち上がり。
さすがにここまでかかるとここでどうこうは厳しいかなと思う。
6枠12番 ダガノデュード
母は芝ダート1400で4勝。
姉にタガノフィナーレがいるパワーに優れた牝系。
父にヤマカツエースでNureyevをクロスする形。
Fair Trial的な機動力に優れていて、Kingmambo×RobertoやDeputy Minister× Storm Catとダート的パワースピードを増強してるので芝なら中山とかの方が合うかなという印象。
勝ち上がりに6戦を要しここでどうこうはできないと思う。
7枠13番 ナムラフッカー
母は芝ダート1800で1勝ずつ。
なんと言ってもこの馬はハーツクライ=アイリッシュピースの2×3の全姉弟クロス。
そこに母父ルーラーシップなので基本的には緩い
ティンバーカントリーでどこまで締められるかという所。
馬体的にもまだ緩さが目立ち新馬は何も出来なかったが2走目は鮫島君が好判断の離し逃げで勝ち上がり。
3走目逃げるもすぐにジュンゴールドにハナを奪われリズムをやや崩し3着。
前走デイリー杯は一転控えて最後方追走勝ち馬とは真逆の進路も大外を追い込んで3着と新しい一面を見せた。
この中間も差し足を伸ばす調整で死んだフリからの1発を狙っているだろう。
この馬場でこのメンツでそれができるのかという所だと思うが腹を括った競馬を期待したい。
7枠14番 ジューンテイク
母は芝短距離3勝馬。
兄に今年障害で重賞連勝したジューンベロシティ
姉に今年桜花賞出走。今秋OP入りしたジューンオレンジがいて、近親には天皇賞春3着のミッキースワローがいる牝系。
キズナ×シンボリクリスエスのニックス配合だがサンデーの3×3というキツめのインブリード。
Lyphardをクロスしている影響もありどちらかというと切れ味より立ち回りの内回りタイプという配合。
新馬勝ち後なかなか2つ目が勝てずに居たが前走同じく中京で機動力を活かし勝利。
寄られた時に噛みつきに行くなど幼さは見せていてまだまだな所はあるが阪神マイルは合わないのでまた内回りでという馬。
8枠15番 エンヤラヴフェイス
母タイキアプローズはタイキシャトルとほぼほぼ同血に当たる馬。
2000年生まれで高齢出産という事もあり母父Devil's Bagは今日日なかなか見ない形。
Specialと同血のThatchとNothern Dancer系の配合でNureyevっぽい2代母になりつつEight Thirtyも内包するのでStorm Catを刺激しHaloいじりもしていて1600〜2000という配合かなというイメージ。
馬体からも中距離がっぽく映る。
新馬は好位から楽に勝ち上がり。
新潟2歳Sは馬群に包まれ進まなくなってしまった。
前走は外枠から楽に追走しジャンタルマンタルには出し抜かれたものの重賞2着と力を見せつけた。
揉まれなければやれる馬だと思うが阪神マイルで外から差して来れるほどのものではなくここは試金石の一戦だと思う。
8枠16番 アスクワンタイム
母は未勝利も全兄姉にファンタジスト、ボンボヤージと2頭のスプリンターを排出している。
カナロア×ディープという緩い配合をDanehillとRobertoで締めるという配合としては理にかなった配合。
なかなか気難しい馬で調教も勝手にやめたりと難しいらしい。
兄弟からも小倉巧者の平坦で鬼足使って追い込んでくる小倉2歳Sがこの馬の本質だと思うので阪神マイルではさすがに厳しいと思う。
8枠17番 シュトラウス
母が名牝ブリーメンブラットでマイルCSを制しているキャロットを代表するアワブラ。
産駒は母からの期待度程活躍しておらず気性的に難しい馬が多い印象。
モーリスなのでサンデーの4×3でHalo≒Tom Foolのアドマイヤベガなのでそういった機動力とFair Trial的な機動力を持ち合わせた配合。
Topsider的なガツンと行って逃げるみたいな所がシュトラウスらしさを出してしまってるのかなと思う。
新馬戦からレーンでも抑えは効かず諦めハナへしかし持ったまま突き放し圧勝。
サウジアラビアRCでは出遅れてリカバリーするも引っかかりまくりその分伸びなかった。
前走東スポ杯はモレイラがとんでもなく短く手綱を持ち何とか抑える形。
高い持久力で凌ぎきった。
この馬の走りはマイラーのそれではなくホープフル向きなのだが気性が故に朝日杯のペースを選択
ただトップスピードは早くなく長く良い足を使うタイプでマイル戦で好走させるのはなかなか難しいと思う。
好位で折り合い抑えて直線粘り込む形で大外からマーカンドがどこまでやれるのかなという所。
能力は1.2というところだがマイルなら個人的には嫌いたい。
まとめ
阪神の芝は内伸びで外差しは先週よりも難しくなっている印象。
メンバー構成的に本質的には中距離馬の馬が多く折り合い難の馬ばかりなので決め手比べの阪神マイルには向かなそうだがペースと馬場で粘り込みもありそうな状況。
ただG1の阪神マイルなのでやっぱり個人的には追走力がありトップスピード、決め手のある馬からいきたいと思うので、
◎タガノエルピーダ
○ジャンタルマンタル
にしました。
展開的には
セットアップが逃げ
オーサムストローク、エコロヴァルツ、サトミノキラリあたりが2列目その後ろにジャンタルマンタル、タガノエルピーダ、クリーンエア、バンドシェル、エンヤラヴフェイス、シュトラウス
後は出たなりかなと。
ダノンマッキンリーも折り合い次第では出していくかもというところ。
団野君にはラブリイユアアイズの時の様な強気な競馬期待してタガノエルピーダの可能性に賭けたいと思います。
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