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M-1グランプリ 個人的総評2

お世話様でございます。
M-1の総評の続きです。
なんとなく書いたnoteですがいろいろな反応をいただきとても嬉しく思います。

さて、まず最初に点数について触れます。

点数振り返り

インディアンス 87
東京ホテイソン 92
ニューヨーク 91
見取り図 94
おいでやすこが 96

前半5組はこのように点数をつけました。
ここで自分の中である程度基準・区分けができました。
92点以下は最終決戦に残らないレベル、
93点以上は最終決戦に残るレベルの漫才だという点です。
ここを境目として後半5組は点数をつけていくことにしました。

それでは、後半の5組に触れていきます。

6.マヂカルラブリー
点数:94

2017年の最下位以来の決勝進出。
あの時は散々アホなネタをやり、沈みましたね。
マヂカルラブリーというコンビを追ってない人は空白の3年があったからこそ、なにかモデルチェンジしてこの決勝の舞台に望んだのではないかと思いながら観てたと思います。
何せ、漫才の入り自体はとにかく静かに入りました。
「フレンチのマナー」というテーマで、丁寧にマナーについて教える部分から始まります。
そこからあの「野田クリスタル」ワールド全開のボケ。
「あの頃から何も変わってないじゃん!!」と観ていて思った視聴者も少なくはないと思います。
あの前振りが丁寧であればあるほど一個目のボケが強烈に映えますね。
そこからは「終わり」の動きや「端っこのフォークから使っていく」など村上さんが教えたマナーを上手いことボケに回収していく流れ。
この漫才、みればみるほど村上さんの言葉に一切の無駄がなく、またタイミングやトーン、全てがジャストなんですよね。
これが彼らの「漫才」として成立している大きな要因だと思います。
爆発力は相当なものでしたが、松本さんも仰っていた通り後半尻すぼみになってしまったということもあり、最終決戦に残るボーダーには乗ったかなという意味も込め「94点」という評価になりました。

7.オズワルド
点数:95

今大会で一番完成度の高い「M-1用の漫才」をしていたコンビだなぁと思いました。
しかしイマイチ点数は伸びませんでしたね。。
静かな漫才だと思われがちですが、後半にシャウトして畳みかけていく漫才。
私はこの「静かなパート」と「シャウトしていくパート」のバランスがとても良かったと思います。
静かなパートがある事によってキラーワードである「雑魚寿司」や「まのセキュリティ」がとても耳に残るんですよね。
あれを大きな声で叫んで言うと逆にワードの強さが弱くなるような気がします。
また、最終的な大オチとして結局お前ずっと口開いてんなぁっていうボケ。
起承転結の付け方は本当にお見事で、僕の中では完璧なネタの構成だなと感じました。
だが点数が伸びなかった。
理由についてはとても難しいんですが、僕はもうこれは出番順なのかなと。
直前の2組が強い個性的な爆発力を持っていたのに対してオズワルドは力でごり押しするよりかは巧みなネタの構成、強弱で押すのではなく引く漫才なのでそこでのギャップに会場の空気が切り替わるのが遅れてしまったのかなと考えます。
結果、笑いの爆発力では前の2組に比べると劣ってしまいますし、個性も負けてしまったのが点数が伸び悩んだ要因だと思います。
おいでやすこが、マヂカルラブリーという超我流の個性派の後っていうのが本当に恵まれなかった。。。
去年のミルクボーイの後といい出番運に見放されてるのが悔やまれます。

8.アキナ
点数:92

実力派コンビ。
山名さんの独特なボケ、高い演技力を中心に繰り広げる漫才は唯一無二。
今回もアキナの世界観が出ていて良い漫才でした。
しかし、その世界観がセンターマイクの半径5mくらいまで広がっておらず、客席には全然ハマってませんでしたね。
ネタの展開は工夫されていて観ていて楽しかったのですが本当にハマってなく、浮いてる状態でした。
考えられる部分としてはこのネタは楽屋に呼ぶ子が「好き」という感情を隠したいけどモロバレな振る舞いをする山名さんが軸となって面白く展開されていくネタだったんですが、基本線である「楽屋に呼ぶ子が好き」と「好きを隠したい」という前フリが多少わかりづらかったのかなー、と。
前フリの段階でネタの一本線を提示しないと4分という時間の中で世界観にお客さんを引き込むのはとても苦労するのでもうちょっと丁寧にネタの道を示せれば...というところですかね。
結果どんどん崩れていってしまいました。
ネタの構成であったり展開の工夫はとても感じられたので、本来であればもっと面白いんだろうなぁと思ったので最終決戦には残らないが良いネタの漫才という評価で92点にさせてもらいました。

9.錦鯉
点数:95

異例のおっさんコンビ。
長谷川さんのキャラクターがとても面白かったです。
僕は高評価しましたが、審査員では意見が割れました。
やはり題材が人を選んでしまったのかなと。
パチンコがわかる人にはドンピシャのネタでしょうがわからない人にとっては多少意味がわからない部分があったり、パチンコに嫌悪感を抱く人もいると思います。
せっかく良いキャラクターをしてるので決勝初出場の1発目に持ってくるネタではなかったかな。
ですがハマる人にはハマったと思います。
ネタの内容はギャグの天丼やツッコミの渡辺さんが悔しがる様子など、何も考えずとも観ていてシンプルに面白い漫才でした。
私的にはオズワルドほどのネタの工夫はなかったけど、オズワルドより少し面白かったかなー、という部分で総合的に考えたら、中身は違えどオズワルドと同じ点数が妥当だと思い95点にしました。

10.ウエストランド
点数:92

井口さんのマシンガンの喋り。
ただただおもしろかったです。
アキナと同じ点数に落ち着いたのもまた、先程と同じ考えでアキナほどのネタの工夫はないけれどアキナより少し面白かった上で最終決戦に残るほどの漫才でもないという観点から総合的にみて92点になりました。
おもしろいんですが今の形だと結構点数は伸び悩むし、伸び代がなかなかみえにくいなぁと思いました。
改善点としては、今はツッコミが井口さんというコンビの役割分担ですが、彼自身ツッコミボケというか、井口さんが偏見で変なことを言いながらツッコミをするというネタの広げ方なんですよね。
思い切ってそこを変えてもいいのかなぁと。
例えば話の起点は河本さんきっかけで良いと思うんですが、それを井口さんが独自の目線で切り込み、河本さんが一般的な考えでツッコミをするんですが井口さんが独特の偏見で理論武装し、2人がお互いにどんどんヒートアップしていく展開とか。
巨人師匠が仰ってた「ツッコミはお客さんの代弁者」という言葉を一番生かすべきはこのコンビであり、河本さんじゃないかなと思います。
上手くいけば、かまいたちの「トトロ」や「タイムマシン」に近いネタを生み出せるはずです。
まぁこんな事書いてるのをウエストランド本人に見られたら「素人が口出ししてんじゃねえよ!そういうのが一番気色悪いんだよ!」と言われる事間違いなしですが。

という事で後半5組、ひたすらつらつらと書き記しました。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
おやすみなさい。

点数まとめ

インディアンス 87
東京ホテイソン 92
ニューヨーク 91
見取り図 94
おいでやすこが 96
マヂカルラブリー 94
オズワルド 95
アキナ 92
錦鯉 95
ウエストランド 92

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