#36 実務補習3社目
中小企業診断士登録に必要な実務補習3社目。これが終われば、無事に診断士登録ができる。ここまで、かなりハードな日々を過ごしてきた。特に企業に勤めているメンバーは平日日中は仕事で作業ができない。事前準備や自習期間は仕事との両立がかなり厳しかったと思う。
メンバーの1人(リーダー)は、この実務補習期間中に異動が決まり、引越し先探しや引越し準備なども重なって、元々細い体がさらに細くやつれていくように思えた。
そんな中、最後の3社目は、京都にある金属加工の中小企業だった。
初日の訪問で京都へ向かう途中、地元を通る電車に乗った私は、メンバーの女性と「私の実家この沿線なんですよー」って話していると、「え?私も!」ってなった。何気なく、「えー?私〇〇駅」というと「私も!」って、、
よくよく話していると、同じ小学校を卒業していることが判明した。年代が離れているので、同じ時期に通っていたわけではないけれど、こんな偶然あるーー!?とちょっと興奮して、少し深掘りしてみたくなった。いろいろと話していると、
「あれ?その神社私も知ってる。そのすぐ近所よ」「え?私も」
「うんうん、そこに公民館あるよねー」
「うさぎこども会?」「うさぎこども会!!」
って、妙に話が詳細になっていた。
2日目の休憩時間、彼女がパソコンでgoogleマップを開いて持ってきた。そして、私たちの実家が道路を挟んだ斜め向かいであることを知る。
私たちは年が離れていたこともあって、一緒に遊ぶことはなかったけれど、親に聞いてみると、双方の親がお互いを認識していて、回覧板を回すほど同じ地区の住人だった。
それからは、彼女も独立診断士を目指していたこともあって、今でもかけがえのない大切な同期であり仲間であり、悩みを相談し合える親友である。
3社目を担当してくださった指導員はIT系を専門としている診断士の方で、初日から「もう、3社目なので私はあまり口出ししませんので、自由に進めてください」と言われた。私たちは言葉通り「自由」に進め、「これで行こうか!」ってなった時に、指導員の方が「ちょっと待ってください。なんか違和感があるんです…」と止めてくれた。
この“違和感”という感覚は、プロならではのものだと思う。私もデザインをしていて、そういう“違和感”にはよく出くわす。なんとなくできてるけど、ちょっとこれで出すのは違うなー、、みたいな、なんとも説明しにくいモヤっとした感覚。こういうのが肌でわかるようになるとプロなのかもしれない。
その違和感がなんなのか、説明を聞きながら修正をし、どうにか3社目の報告書も無事に完成させた。
そうして3社目の報告会の後、恒例の飲み会へ行った。これが最後ということもあって、みんなストレスを発散させるように食べて飲んだ。
割り勘をしようと従業員の方に声をかけると、すでに支払いが済まされていて、なんと指導員の方が払ってくれていた。「え?そんな、払います!」と言うと、
僕も、先輩たちからそうしてきてもらったんです。おかげで今はしっかり稼げるようになりました。これは恩送りです。いつか、みなさんが、また誰かに恩送りができるように、頑張ってください。
そう言ってくれて、これから診断士として本当に活動していけるのかなぁって不安を抱いていた私にとって、その言葉は忘れられないものになった。
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