ニトログリセリンの爆発事故
2022年3月1日に宮崎県延岡市の旭化成関連会社でニトログリセリンの爆発事故があり、3月28日に経済産業省のレポートが出されました。
事故後の空撮映像を見ると、土が四角く積み上げられたところに煙が立っています。
Googleマップを見ると土を四角く積み上げたような形は爆発前からあります。ニトログリセリンは、とても危険な物なので万一爆発しても被害が大きくならないように山あいに土嚢を築いて作業していたのではないかと思います。
爆発事故は、旭化成と日本化薬が出資した会社であるカヤク・ジャパンの工場の「第一洗浄工室」で起きました。
経済産業省のレポートによると、火薬類を洗浄(中和)する施設で、火薬類の一種「ジエチレングリコールジナイトレート」を次の配合工程に移すための払い出し作業中に発生しました。
爆発が起きた施設では火薬原料の貯蔵タンクがあり、最大貯蔵量はジエチレングリコールジナイトレートが1100キログラム、ダイナマイト原料「ニトログリセリン」が2000キログラムとのことで、これらの施設は爆発で消失しました。
これらの貯蔵は一般的なダイナマイト換算で2万~3万本分に相当する量といいます。
こちらのBBCの映像のように、ニトログリセリンを数滴たらしたところにハンマーで叩くと銃撃ったような爆発を起こす大変危険な物質です。
同工場の第1洗浄工室には、3つの貯槽に計2810kgの爆薬がありました。事故当日の朝(作業前)、No.3貯槽のジエチレングリコールジナイトレートを次の工程に払い出す作業を3名で行っていました。
アルミ容器(2個)に入れたジエチレングリコールジナイトレートを運搬車に載せて2名で移送し、1名は残って作業をしていたところ、爆発が発生したそうです。
亡くなった24歳の男性は残って一人で危険な運搬作業をしていたと思われます。
爆発はあっという間のことだったと思います。何が起きているかわからないままだったかもしれません。ご冥福をお祈りするばかりです。
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