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YouTube漫画の覚書

しばらくクラウドワークスでYouTube漫画のお仕事をしていました。初めてのことでしたがクライアント様が親切な方で教えていただきながら、短期でしたがお仕事を終えることが出来ました。

この熱が冷めないうちに、YouTube漫画のお仕事を考えている方向け、またはいつかまた自分がやる時がきた時用に覚書を置いておこうと思います。

心構え

いきなりすみません、でも大事だと思うので心構えを書かせてください。と言うのも、昔SNSであるイラストレーターさんがYouTube漫画の仕事でクライアント側をめちゃくちゃに言っている記事を見かけたことがあり、あれは相互理解の欠如による誤解だなあと今になると感じるのです。

YouTube漫画は映画

YouTube漫画は映画と捉えた方が良さそうです。絵描き側はいちスタッフであり裏方です。監督はクライアントでありシナリオです。作画としての役割は細かい演技部分(部屋がどうなっているかや、シナリオを邪魔しない且つ観ている人に自然さを与える小物演出など)あとは演者(キャラクター)の表情演技指導みたいなイメージです。

軸になるキャラクターやシナリオは決まっている場合が多いので、それを表現する為に自分の画力を投球していきます。

運営(クライアント)、シナリオライター(クライアント自身の場合も)、作画、声優、編集、とたくさんの方が関わり1つのものを仕上げていることを頭に置くと挫けそうになった時に頑張ろって思います。(たぶん)

なぜ絵柄を変えるのか

まず絵柄を変えてください、と言われます。何故かと言うと、YouTube漫画はコンスタントにupしてキャラクターにファンを付けたいから。キャラクターが描く人によって可愛くなりすぎたりカッコよくなりすぎるとキャラクターの本質自体が不明瞭になってしまいます。

ベースになる設定資料があると思うので、ベースのイラストレーターさんがどんな手癖でどんな色を重ねて影にしているか、何度か真似てみると手の動きが理解出来るのでやってみるといいかもしれません。

私もメインのキャラクターは途中から手癖になってきていてご指摘を受けたことがあります。都度、キャラクター設定資料を眺めながら描き直しました。

絵柄の個性が強いと、いくら本人が絵柄を変えたつもりでもクライアントの求めるものに合わない場合があります。そこが合わないだけで、その絵師さんに実力が無いとかそういうことでは決してありません。むしろ私含めそういう個性的な絵柄やタッチが欲しいと望む絵描きもたくさんいます。自分の個性をのばしましょ。

作業効率化(大筋編)

クライアントによっては締切を設けず、クオリティ重視な方も居ますが、大抵はアップロードの予定も決まっています。また、絵描き側としては好きな絵でお金を得たい気持ちもあるので数をこなすという意味で、ここからはいかにスピーディーにお仕事が出来るかを考察していきます。参考になれば幸いです。

演出は従え!

なぜ作業に時間が掛かるかというと、考え悩む時間があるからだと思います。

先にYouTube漫画は映画ということをお伝えしましたが、ブレーンはクライアント側であり、絵描き側ではありません。魅せたい場面や伝えたいことは全てシナリオに書かれているので、よく呼んで理解しその通りに描くだけのマシンになりましょう。

ラフは下書き!

まずはラフ提出を求められる場合が多いかと思います。何処まで細かいものを、または短期間で求めるかはクライアントによるかと思いますが、これはほぼ自分からみると下書きだな、という段階まで書き込んでOKだと思います。ラフOKが出たら直ぐに線画作業に入れます。


作業効率化(キャラクター編)

オリジナルキャラは俳優さんから!

メインキャラクターは決まっていますが、脇役や1話だけの主人公などおまかせの場面もあります。ここで悩むのも時間ロスになるので、まずはシナリオを呼んでどんなキャラクターならこのストーリーを表現出来るか想像し、そのイメージに近い俳優さんや有名人などを画像検索します。(男子生徒など無名の方でも)そこからキャラクターを作りましょう。

作業効率化(作画編)

分からないもの描けないものは写真検索!

これはYouTube漫画だけに言えることでは無いのですが、余程描きなれているものでない限り資料の有る無いは大きいと思います。小さな小物でもまずは画像検索!これで迷わない!

写真は色彩加工+イラスト調で背景に!

クライアントによっては素材使用OKな方もいらっしゃいます。素材は積極的に使って時間短縮しましょう。

素材を探す時は利用規約を必ず確認します。商用利用OK加工OKなものを選びます。自分で撮ってくるのも有りです。看板や商品名、パブリック的なものにも配慮します。

写真素材は色彩調整や加工などでイラストになじむように近づけます。私はCLIP STUDIO PAINT PROを使っているので、写真などから線画を抽出する機能などが無いのでそれを使わずに加工します。以下私の手順を記載します。ご参考までに。

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背景にしたい写真の色調補正をします。彩度と明度を上げるイメージです。

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フィルターをかけます。今回はイラスト調で。ほかにもぼかしやシャープをかけるとイラストぽくなることも。

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私は⭕のあたりをいじります。

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なんやかんやいい感じにするとこう!(依頼じゃないイラストのクオリティよ…)

それでもちょうど良い背景が探し出せないとき

写真を加工しても合わない、ちょうど良いのが無い場合はトレスします。ここだけが欲しい、という場面など。自分の頭に落とし込むという意味でも勉強になります。

まとめ

以上、私なりの効率的なやり方でした。もっと効率的なやり方やその人にあったやり方があるのかも知れません。私ももっと続けていたら新しい発見があったかも。日々新しい発見を忘れずに絵描き仕事を頑張っていきたいです。絵は技術です。日々精進(*˘˘*)

ここだけのお話…私自身HSP気質でYouTube漫画にあるようなストーリーが苦手です。なのでお仕事をやろうと決めるまで相当な時間を要しました。当たったチャンネルが良かったのもあると思いますが、だんだんとメインキャラクターのいい所が見えてきて少しだけ好きになってきました。なによりキャラクターの表情はストーリー関係なく関係むしろ過激なストーリーであるほど非常に勉強になり、強制的に自分の能力枠を広げてくれます。この点はとても得難い経験だったと思いました。思い切って飛び込んでみるのもありですね。


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