「DEMONSTRATE VIA-@LIVE」執筆を通して感じたすべて

 こんにちは、birdeaterです。きっとこのnoteが見られている頃には、pixivのほうにタイトルの作品が投稿されていることだと思います。
 この作品はもともと、僕のお題箱にいただいた意見から作ることになりました。アイデアをくれた方、匿名なので直接の感謝を伝えることは出来ませんが、すごく刺激的な挑戦をさせていただけたことに感謝しています。ありがとうございます!
 実は、ヴイアライヴ自体は始まった当初から少しずつ見させていただいておりました。それが、受験のあれこれもあり段々とリアルタイムで応援することが難しくなる中、推薦受験を無事通ったことで余裕が出来、ヴイアラPの皆さんに教えていただきながらヴイアラをたくさん楽しんでいます。
 そしてついに発表された、ヴイアライヴの「決戦の地」。3/31に行われる「LAST STATEMENT!!!」に向けて、ヴイアライヴを応援する人間として、何か追い風になれるようなことがしたい。そんな中で頂けたのが、この小説の執筆アイデアでした。
 「ヴイアライヴのここまでの魅力を振り返っていけるような作品」というアイデアをもとに、まだヴイアライヴを見たことがない人にも、もちろん見たことがある人にも魅力を届けるべく、この1か月執筆に励みました。
 そんな中、ぶつかる壁もたくさんあって…制作秘話みたいな話は普段、苦労話みたいになっちゃいますし、解釈の幅を狭めてしまうことを避けたくてあまりしないのですが、今回は苦労もありながら「刺激」も大きかったので、それをここに書き残していこうと思います。



ヴイアライヴの「実在性」を生かして

 ヴイアライヴをテーマにした作品を書くにあたって、まず最初に考えなければいけなかったこと、それは「ヴイアライヴの三人が実在すること」でした。今まで書いていた小説及び二次創作は全て「フィクション」、キャラクターの個性を元に筆を運んでいく形式でした。
 しかし、ヴイアライヴの三人は既に現実に行動を残しているんですよね。ですから、僕はそれを「写実する」という方法を取らざるをえませんでした。それは最初の「ヴイアライヴの活動を振り返っていく」というメインテーマからも自明なことでした。
 でも、それだけでは面白くならないな、と思ったんです。淡々と三人の活躍を字に起こすだけはきっと魅力は伝わらないし、何より三人の努力の結晶を、僕が起こす「字」という形式で代弁してしまうのは恐れ多いし、きっと正しくすら書けないと痛感しました。だから、僕が三人の活躍を字で書くのはではダメだ、という結論に、かなり早い段階で至ってしまったのです。
 さて、「ヴイアライヴの活動を振り返る小説を書く」「ヴイアライヴの魅力は字では伝えられない」、この矛盾をいかに解消するか。その解決法が、今回全く新しい挑戦として掲げた「ヴイアライヴの魅力を"物語"で伝える」ということでした。
 僕が書く字では伝わらないかもしれないけど、この世界に生きる"空想の"人間を用意して、"実在する"三人と出会わせる。そしてこの"架空の"空想の生き様や変化、感受を通して、"実在する"三人の魅力や感動を届ける。空想と現実の境界を超えた作品、それがこのヴイアライヴの魅力を届ける唯一の手段だと結論づけました。「ヴイアライヴが主人公」の作品ではなく、「ヴイアライヴと主人公」の話を描こう、という方向性が固まりました。
 きっとこの空想と現実が混じり合う世界で、僕だけでは表現しきれない何かが生まれる、そう信じて執筆を始めました。


あなたにとって「ヴイアライヴ」とは?

 さて、そこから「ヴイアライヴ」の視聴者であるこの作品の主人公について考えていかなければいけませんでした。いわばここが物語の核、設定的なミスは許されないな…と思いました。そこで、ヴイアライヴを見ている僕たちPにとって、ヴイアライヴをどんな存在なのかを考えてみることにしました。
 ヴイアライヴはやっぱり「応援したくなる」し、配信自体が面白くて「日常を楽しくしてくれる」存在でもある。そんな中、各月の挑戦企画ではそれぞれの本気を見せてくれて、僕たちが忘れてしまいがちな「がむしゃらに夢を追う雄姿」を示してくれる。僕はこの雄姿が、かけがえのない存在だと思ってスポットを当ててみました。
 妙に現実味を帯びた最近の世界で、「頑張ってみる」の一点張りで全てを薙ぎ倒していこうとする三人の姿は、特段光り輝いて見えるんです。
 だから、主人公はその逆、なんとなく悲哀と現実感に苛まれて「変われない」自分に悩んでいる主人公がいい、と思いました。
 そこで、最初は普通のサラリーマンにしようと思ってたんですが、普通のサラリーマンの人生を見える形で起伏させて物語とリンクさせるのは、中編小説の尺では足りないし、なかなか難しい…ということで、今回の主人公はアーティストの女の子に。「いやいや、十分立派な夢あるじゃん!」と思われるかもしれませんが、核は「その人がどんな人か」じゃなくて「その人が今の自分に満足しているか」だと思っていて、逆に「これだけ夢を追ってきても変わらなかった自分」というものは、ヴイアライヴの三人とも共鳴するものがあると感じたんです。


光を追い求めて

 そこから、プロットの大まかな流れを作っていきます。やっぱり大事になる部分は起承転結の「転」、その部分がちょうどあの「九月後半」に重なるような構成にすると最初から決めていました。フィクションのはずなのに、時折入り込む「ヴイアライヴ」の世界が、それを空想の域に留めないでいさせる展開。なので、ヴイアライヴのここまでの配信アーカイブを最初から全部振り返り視聴しながら書くことにしました。ですが、全ての配信について触れていってしまうと、物語の本筋とはまた違った話題に飛んでしまって、全体としてのテーマが不安定になっちゃうかな…という懸念もありました。
 でもやっぱり最初の出会いだけは描きたくて、三人の初配信と主人公「港 游渦(全部の漢字にさんずいついてるのすごい)」の出会いはしっかり描きました。やっぱり最初は「なんかやってるし見てみようかな」くらいのところがよくて。なんなら最後まで「なんかやってるし見てみよう」のスタンスで行こうということにしました(もちろん最後なんかは完全にファンになっていました)。これを見てくれた方が「私もなんか見てみたいな」くらいの気持ちになってくれた方が足を運んでくれやすいかな、という計らいでもありました。
 游渦は終始、中身のない自分の在処を探していきます。ヴイアライヴの三人という光にさらされて、彼女らが明かりである所以をどこか探している…そして最後にはやっぱり、その光の正体は「技術」でも「努力」そのものでもなく、その「生き様」にこそあるものだと気づきます。
 この気づきは、「ヴイアライヴ」じゃないと気づけないものだと思っています。どんなにすごいアーティストを見ていても、そこから感じ取れるのは技術だったり美としての感動で、「頑張っている最中の姿」を見て感動できるのはヴイアライヴだけですよね。僕はヴイアライヴのそんなところが大好きです。
 全体として、直接ヴイアライヴについて描かれているパートの文量は控えめになってしまったかもしれません(ここは個人的に反省ポイントです)。でも、游渦は絶対にヴイアライヴとの出会いがなければ変われませんでした。当初の「ヴイアライヴの魅力を届ける作品」として、この物語が動き出したことそのもの、そして港 游渦の成長がそのまま「ヴイアライヴが秘めている魅力」だと、そう信じながら描いていました。


個人的なお話

 ここからはヴイアライヴというより、単純に作中の描写のお話です。今回、架空の話とはいえ「ヴイアライヴに合わせた"現実感"が欲しい」ということで、主人公は僕と同じくギター弾きにしました。途中の楽器屋のくだりとか作曲の話とか、僕が普段友達としている話だったり、音楽を聴くとき弾くときに感じることだったり、楽器屋の店員さんと話していることだったりと、実体験を盛り込みながら描くようにしました。
 作曲の詰め込み法は、僕は作曲ではなく小説でよくやります。深夜の3時くらいまで自分を作業場から動かさず毎日執筆し続けると、精神どっかいっちゃいますけど、たまにそこから凝集されたダイヤモンドみたいなアイデアが出てくることがあって。結構体力もメンタルも持ってかれたりしますけどね。マネしないほうがいいです。
 作中キャラについても、本編では描かれていないディテールまで設定しております。使わないところまでしっかり事前に考えておくことで、より実在する人物像として捉えなきゃいけないな、と自分に命じ続けて、とにかく作品が持っている「現実感」を維持するように心がけました。
 あと、各配信の描写ですが、これは僕がリアルタイムでアーカイブを見ながら描いていました。こんなに緊張した執筆はじめてです。手が震えました。この三人の瞬間瞬間のパフォーマンスの価値が下がらないように、だけど小説として存在できる範囲での写実と感受。これがもう超難しかったです。8年くらい小説書いてますが、こんなに難しかったことなかったです今まで。


タイトルについて

 タイトル「DEMONSTRATE VIA-@LIVE」は、「PROJECT vα-liv」とは対称性を持たせて命名しました。まだまだこれからだぞ、という期待を持たせている「PROJECT」に対して、ここまで示されてきた現実を辿っていくという意味での「DEMONSTRATE」。VIA-@LIVEは言葉遊びで、発音すると「ヴィアアライヴ」になるので、なんか面白いかな~くらいの意味でもありますし、意味としては「"生きること"を通して」ということになります。まさに、三人のアイドル候補生の生きる姿を通して自分の在り方を見つけるこの作品にうってつけですね(自画自賛)。
 最初にタイトルから決めるのが好きなので、プロットを書く前にこのタイトルは決まっていました。なので、本編についても当時「三人の生き様を通して何かを伝えるぞ」という漠然とした構想だけ存在していて、結果としてこういう本編が出来上がりました。ちゃんと意味が繋がってよかった…と安心しています。


おわりに

 こういう文章書くと、まるで自分の作品に対して言い訳してるみたいにも見えてカッコ悪いな…と思えちゃうんですけど、今回はあんまりそういう要素がないように書こうと心がけました。いかがでしたでしょうか?
 実際、「ヴイアライヴの魅力はまだまだこんなもんじゃない」という未練はかなり残ってます。ただ、今の自分が出来ることは全てやったとも思っています。今の自分がヴイアライヴに捧げられる全力です。
 今、まだ本編を投稿する前にこの記事を描いているのですが、超緊張しています。この作品を見た人にとって、ヴイアライヴがどのように伝わっていくのか、その責任の重さを実感しています。
 ファンアートのタグはありますが、さすがにファン小説のタグはない…実際、小説って柔軟性が低かったりもあるので、応援には向かないコンテンツだろうな、とは渋々感じていたりもしますが、居ても立っても居られなくて書くことになったこの作品。より多くの人に届いて、そしてより多くの人に「ヴイアライヴ」を応援してもらう、それだけがこの作品の目的です。
 その悲願がどうか叶いますように。
 そして、本編ではどうしてもアイドル候補生の三人にしかスポットを当てられなかったのですが、ヴイアライヴを支えてくれる勝又P、土佐兄弟のお二人、そして各月ヴイアライヴとたくさん関わってくれたゲストの皆さん、今もヴイアライヴを支えるたくさんのPさん。この方たちにも感謝の思いを伝えたく、最後の一枚は作りました。

 それでは、これからもヴイアライヴの成功と、候補生三人の活躍を願い、応援していく意思を込めながら、お別れとしたいと思います。
 作品を読んでくれた皆様、本当にありがとうございました。
 これからも、頑張っていきましょう!!

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