2023年度共通テストの所感

 こんにちは、birdeaterです。
 先日、共通テストを受けてきました。推薦で合格しているとはいえ、本番の会場の緊張感は凄まじかったです。僕としても、全国の受験生に誠実に在れるよう、全力で挑ませていただきました。
 さて、つい先ほど自己採点が終了しました。インターネット上では各教科について評価が分かれているようですが、ここに一個人としての所感を書いていこうと思います。来年度の受験生の皆様の参考になるように…といっても、過程や方式の変更が多いのでどれほど信頼できるかは分かりませんが、単純に今年の共通テストが気になってる人に向けても感想を書いていきます。
 ちなみに基準として紹介しますが、僕の学力情報です。最後に受けた「11月ベネッセ・駿台共通テスト模試」の結果を書いておきます。

総合:653/900 偏差値 62.3
国語:142/200(現代文82/100、古文24/50、漢文36/50) 偏差値 64.2
英語リーディング:88/100 偏差値 68.0
英語リスニング:68/100 偏差値 60.2
地理B:72/100 偏差値 62.1
数学I・A:74/100 偏差値 60.0
数学ll・B:66/100 偏差値 59.1
化学:62/100 偏差値 56.7
生物:81/100 偏差値 67.0

 だいたいこれくらいの学力の人が書いてるんだ、ということを基準に読んでいただけると、より分かりやすいかと思います。
 ちなみに、各教科の横についている★は、5をMAXとして個人的に感じた難易度を表記しています。3が普段の模試や対策演習くらい、数が大きくなると難化、小さくなると易化です。
 それでは、スタート~


【地理B】★★★☆☆

 個人的に苦手だった地理B。最後の11、12月でスパートをかけつつ、11月模試ではようやく7割に到達しました。
 とはいえ、本番でもなかなか苦戦を強いられました。「あれ、この国ってどこにあるんだろう…」「本当にこれでいいのか…?」と、回答に自信を持てない箇所もしばしば。とはいえ、「これは考えれば分かるな」というような簡単な問題もいくつか配置されていたので、途中から「出来るだけ点を落とさない」という心持ちで挑みました。時間もちょうどいい感じで終了、結果は61/100。過去に7割出したことを鑑みると、「悪くはない」という様子でしょうか。ただ、直前の演習で5割だったので、ちょっと安心したところもあったかもしれません。
 マイナーでも国の名前とか地名はしっかり覚えておくのが、地理の試験で不安を抱えないポイントかもしれません。「この国がある地域はこの気候だから」という知識があれば、最初の系統地理もそれなりにスムーズに解けたように思います。ここは僕の復習不足でした。


【国語】★★★☆☆

 個人的には★★★★☆でも良かったのですが、自己採点の結果が171/200と、予想に反して正答率が高かったので例年並みという判断です。
 まず現代文から。評論は個人的に結構難しかったな、と思います。大体評論って芸術系が来ると難化する傾向にある気がするんですけど(芸術好きでもなかなか回答に手こずったり)、今回のテーマはまさしく芸術の在り方。本文というより問題文の選択肢が結構難しく、絞り込むのにかなり苦労しました。ただ、時間をかけたぶん正答率は高めでした。唯一漢字を落としました。普段あんまり落とさないはずなんですけど、ここは緊張とか動揺もあったかもしれないです。
 小説はSNSでも話題になってた百合(?)の話。僕としても結構面白く読めて、スムーズに回答。最後の方だけちょっと難航しましたが、時間配分も気にしていたので思い切って選択。ただ、最初の単語がかなり難しかったと言われているみたいです。僕も一つだけ間違えちゃいました。普段小説書いてる身からしても、ちょっと悔しいです。
 古文はかなり簡単に解けたような気がします。ただ、具体的に内容を得ようとすると難しいと思います。古典は全体的に「なんとなく」話を理解できれば得点できるような問題も多いのですが、今回もそんな雰囲気。高得点ではなかったものの、6割くらいの得点。古典苦手な自分にしてはそれなりの点が取れました。
 漢文はついに「漢詩」が登場。国語の先生からも「今年は絶対漢詩出るぞ」と言われていたので、「やっぱり出たか…」という感じです。読む量が結構あったので焦りましたが、落ち着いて読めば推察できるようなシンプルな状況だったので、満点も狙える単元だったんじゃないかと思います。ちなみに僕は最初の絶句と律詩を間違えました。
 評論が難化、小説と古典は例年並み、漢文は易化、くらいの気持ちで解いてました。ただ小説は毎回内容によって得意不得意分かれるので、人による気がします。
 国語は普段から7~9割を取っていた(特に現代文は9割~10割くらいをキープしていた)ので、得意科目だと信じて解き切りました。結果171と、9割にこそ届かなかったもののかなりの高得点。嬉しい!


【英語リーディング】★★★★★

 今年の問題児。長すぎ。
 
英語のリーディングは国語の現代文と並んで得意科目で、普段の模試等も80分の試験時間を10~15分残しくらいで解き終わっていたんですが、今回は解き終わりませんでした。
 まず、大問1から結構苦戦した記憶があります。「これどこから読み取ればいいんだ…?」みたいな展開があったりして、「いつもよりちょっと難しめの模試」くらいの気持ちで解いてました。今回、内容もかなり読みこまないと答えられない問も多くて、速読がカギを握る英語リーディングとしてはめっちゃやりにくかったです。
 そして問題の大問5。なんと文章量が普段の1.5倍、話の展開も回想が混じって読み取りにくい…本番では一旦飛ばして大問6に向かい、余った10分で回答しましたが、時系列順並べ替え問題だけ間に合いませんでした。
 大問6も決して簡単とは言えない内容。それなりに読まないと答えられないので、とにかく時間がない。ゆっくり吟味してる時間もなかったので、とにかく文章を拾い読みして問に答えていく感じ。こんなに焦ったのいつぶりだろう…。
 今回の得点は77/100と、決して悪くはない点数でした。大問5も埋まらなかった並べ替え意外は正答で、全体的に少しずつ点を落としてしまいました。問題の異常な長さは言わずもがな、なぜか例年と若干異なる出題形式、それなりに深い理解度が求められる各問題のことを鑑みて、★は5つ。ただ、逆に問題の難易度自体は「ちょっと難しめの模試」くらいだったので、それに慣れていれば★4つでも有り得たのかな、とも思います。


【英語リスニング】★☆☆☆☆

 個人的には一番簡単だと感じたリスニング。スピーカーじゃなくてイヤホンだったのも大きいでしょうか。点数は83/100。
 聞いていても「お、意外と何言ってるか分かるぞ!」という問題が多く、冷静に聞いていれば確実に正答できる問題もいくつか。大問4の図表の読み取り問題も、時系列順に並べ替えるだけの簡単な問題で、図表の穴埋めもそれほど難しくなかったです。そしてそのあとの話を聞いてベストを選ぶ問題、なんと1人目の話が終わった時点で1人目が該当することが確定したので、その瞬間にマークして、難関大問5の資料と選択肢を読み込みました。これがかなり影響が大きくて、おかげで今までになく冷静に大問5に挑戦、ほとんど満点という結果に。大問六もシンプルな内容で、こちらも満点を狙える範囲だったと思います。
 全体的な難易度はかなり下がったと思います。リーディングが難化したのを相殺しようとしたのかもしれませんが、国立入試ではリスニングよりリーディングの配点が高いところがほとんどなので、打撃は受けた人は多いと思います…。


【数学I・A】★★★★☆

 若干の難化が見られたかもしれない、数IA。数学はそれなりに得意なので、全体の点を引っ張ってくれることを期待して臨みました。昨年が易しかった(一昨年が難しすぎ!!!!!)のもあって、今年は難化するだろうな~と思いながら挑みました。
 最初の整数部分の計算及び無理数の近似値の問題。最初で6って書きそうになりましたが、無理数の整数倍はしっかり小数部分まで計算しないといけないのが定石。三角比の問題も、ザ・共通テストという感じの問題。最後だけ埋まりませんでしたが、それ以外は図形の知識を応用できれば難航しながらも突破できるかな、と思います。
 そして突然登場した高校受験。台形の円周上を動く点Pと点Q、つくられる三角形、その面積の推移。これ二次方程式の問題だって気づくのに時間がかかり、時間がかかったうえに大幅に失点してしまいました。データの読み取りは例年通りボーナスタイム。見た通りに答える、というシステマチックな単元です。
 さて、選択問題ですが僕は「確率」と「整数」を選択。確率は順列の問題から始まり、現象を理解できれば芋づる式に回答できましたね。ただ、最後だけ計算が合わなくて失点してしまいました。確率の天敵、計算ミス…。
 整数は謎のタイマー問題。ただ、n進数の話を理解した上で、「この単元は整数問題なんだぞ」ということを思い出せれば、回答のヒントを得られたかもしれません。ただ、こちらも最後の問題は時間が足りず回答できませんでした。
 結果は68/100。それなりに難化していたとはいえ、70は超えたかったな…というのが正直な感想。少し悔いの残るところもあるテストでした。


【数学II・B】★★☆☆☆

  僕が一番ビビっていた教科、数学II・B。昨年がかなり易化してたので、「今年は一体どうなってしまうんだ…」と警戒していましたが、解いてみるとそうでもなかったのが現状だと思います。
 最初は珍しく対数から。模試では三角関数から入ることが多いのですが、今回はまず対数のグラフや条件の設定という基本的なところからでした。
 そしてなんと登場したのが剰余の定理。共通テストで問われなすぎて全然対策してなかったので「(ヤバい)」と焦りましたが、誘導がかなり丁寧だったので、剰余の定理とは何かをしっかり理解していると、自然と手が動くところだったかもしれません。
 さて、数II・Bの強敵といえば積分。なんといっても時間が足りない、ただでさえ60分のテストで積分計算なんてやる時間はない…ですが、今回は単純な計算を問う問題ではありませんでした。グラフの関数とグラフの面積の関数の関連性を問う問題で、かなり厳つく見えたのですが、以前に何度かこういうタイプの問題に遭遇していたので「これはこうなるだろ…!」という過去の経験をエッセンスに感覚で回答、計算的な確認はほとんどしていません。結果全部合ってたので、やっぱりこういうところで経験とか現象理解って生きてくるんだな…と実感しました。
 数列は少し不思議な数列。今まであまり見たことのない出題形式でしたが、代入すれば答えが出てきたので難化はしていないかな、という印象。ただ、最後の真偽判定だけ時間が足りなくて判断しきれませんでした…無念。
 ベクトルもそこまで考えさせる問題はなく、教科書レベルの計算事項を完璧に出来ていれば解けた問題。ですが、最後の問題は計算が終わらず…という結果。
 全体の問題の難易度としてはむしろ簡単な部類だったかな、と思いますが、積分のところを地道に計算して確認していった人たちにとっては時間がかなり圧迫されて、★3つ、もしかしたら4つに行く人もいるのかな…とは感じます。


【化学】★★☆☆☆

 難化したという意見も分かるのですが、僕にはかなりハマりました。特に最後の大問。
 最初はいつも通りの理論化学だったのですが、難易度控えめでありがたかったです。そこまでゴリゴリな計算も少なかったので、出た答えに近いものを選択肢から選ぶ感じです。
 かなり壊滅してしまった大問2。平衡のところでやらかしてしまいました。解いてるときは自信あったのに…。
 一方で、問3と問4はほぼ完答。ずっと「化学は有機と無機で満点取れればそれだけで40点」ということを意識して頑張ったので、功を奏しました。
 そして大問5。初出の定義が出されてそれを解いていく問題ですが、謎が解ければ簡単(今回の範囲で一番簡単だったまであるかも)だったので、落ち着いて状況を整理できればそれほどの問題ではなかったんじゃないかと思います。
 ということで得点は76/100。この前の演習で36/100取って絶望してたのですが、倍以上の得点に。こういうところから鑑みても、今回の化学はかなりシンプルな問題が多く、どちらかというと易化だったんじゃないかな~と思います。


【生物】★★★☆☆

 今回の大やらかしです。
 まず、時間が余りまくりました。普段はギリギリな生物の試験ですが、なにせ大問あたりの問題数が激減。代わりに一問の配点の大きさがとんでもないことに。こりゃミスしたときの影響デカいぞ…と思いつつ回答。
 最近生物は7割以上キープしてたので、それほど危惧しなくてもいつも通りやれば大丈夫、と思っていた矢先、なんと65/100。何があったのでしょうか。
 まず知識問題をかなり落としてます。考察問題はそれなりに点を取れているのですが、暗記が苦手なところが露骨に出ました。直前は苦手だった化学に注力していて生物が疎かになっていたので、それも大きな敗因です。得意科目でも、復習はしっかりやろう!
 考察問題の難易度としては、さほど難しくないものが多かったと思います。ただ、「考察問題かと思いきや知識マストな問題」もあったりするので、やはり生物はまず重要用語の暗記からですね。どちらが大事ということではなく、どちらも大事です。
 ただ、時間が余ったところからすると試験としては易化したと思うので、知識問題が楽勝だった人からすると圧倒的易化だと思いますが、僕は苦手だったので±0ということで★3つです。


 ということで共通テストでした。既に大学が決まっている自分だからこそ、この時期に書ける記事だと思い投稿することにしました。
 最近の共通テストの傾向として「大量の情報を素早く分析させる」「考察能力を測る」ということが挙げられていて、「その教科の特性を測れていない、ただの情報処理テストだ!」「努力した人の点数が上がらないIQテストだ!」というように揶揄されているようですが、一受験生の僕としては、共通テストの理念はかなり理解できます。情報化社会が進む近代においても、結局社会で生み出される大量の情報を整理するのは人間側です。たくさんの情報や刺激を与えられ、その真偽や周辺情報をどれだけ論理的に、どれだけ素早く整理し、問題解決に応用するだけの考察が出来るかは、まさしく新しい時代に求められる能力だと思います。それに、考察力や速読力は単純に演習経験でいくらでも獲得できるので、やればやるほど成長はします。ただ、「努力さえすれば自分の欲しいだけの力が手に入るかどうか」が別の話なのは、勉強のみならず全てに言えることです。結局、やるしかないんだと思います。
 ということで、共通テストを受けた皆さん、お疲れ様でした!!
 これから共通テストを受ける皆さんは、自分の苦手と向き合いながら、これからも頑張ってください!!
 birdeaterでした!

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