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リンゴジャーニー Vol.1〜旅支度

旅の下調べはインターネットで

旅支度といったら、地図付きのガイドブックや時刻表を駆使していかに効率よく観光して限られた日数を満喫するか、入念な下調べをする性分の筆者だが、今回の旅・リンゴジャーニーもまた事前の下調べから始めたのは言うまでもない。とはいえ、時は令和なり。インターネットを駆使しない手はないのである。

 検索キーワード:リンゴ追分 ジャマイカ
 検索結果:諸説ありすぎる!笑

こんなに、諸説あるとは!しかもどれも「いかにも!」な話で興味深い。

ネット上の諸説

1. 日本とジャマイカ国交樹立のタイミングで直接渡った説

1963年:美空ひばり「リンゴ追分」セルフカバーのレコードが日本で発売
1964年:日本とジャマイカの国交樹立
1965年:ジャマイカで「RINGO」のレコード発売
どうでしょう。この事実だけを並べてみると、自然な流れじゃないですか。コレだと思うんですよ。

日本とジャマイカの国交が始まった時、もしかしたら日本の大衆音楽として紹介しようと「リンゴ追分」のレコードを持って海を渡った日本人がいたのかもしれません。

そして、美空ひばりさんの歌声がジャマイカのミュージシャンの心をとらえて、日本とジャマイカを音楽でつなげてくれたのかもしれません。


「オレ、これメッチャ好きなんだけど、ちょっと聞いてくれよ」っていうヤツがいて、「何これ!?超いいじゃん。これヤリてえ、カバーしようぜ」っていうヤツがいる。今も昔も音楽ってそういうものじゃないでしょうか。

every coffee様

なるほど〜!こちらの方は仮説として書かれているようですが時系列はバッチリですね。もし個人的に旅行とかでリンゴ追分のレコードを持ち込んだ人がいたら、もう天晴れですよ!こちらのブロガーさんは2014年に開催された「日本&ジャマイカ国交樹立50周年イベント」からの着想でこちらの説を考えたそうですが、国交樹立セレモニーとか文化交流に関する当時の記録が見つからないので、間接的な影響は後々の影響はあるはずだけど、個人的には懐疑的だな。ということでジャマイカ大使館へ質問のメールを送ったのだが読んでもらえただろうか。

2. 中村とうよう氏がジャマイカでレコードばら撒き説                    

MM誌創刊前に、中村とうようさんと竹中労さんが南米旅行した時に、手土産として、リンゴ追分のレコードをあちこちにばら蒔いたのが、スカタライツに渡ったって話を。

グラス鬼ON様

いかにも!ではあるが、他の調査結果として「2人が南米旅行をしたのは1967年」との記録がある。『Ringo/The Skatalites』リリースより遅いので候補落ちだけど、個人的には、痛快でおもろかった!

3. Don Drummondが兵隊としてアジアに来た際に持ち帰った説                   

レゲエという音楽はコード進行もあるのです「裏が強拍になる(=ンチャンチャ)」事が一番の特徴です。
なのでどんな曲でもレゲエ調にする事ができます。
例えばスカタライツの「RINGO」という曲ですが、これはトロンボーン奏者のドン・ドラモンが戦時中に兵隊としてアジアに来た際に持ち帰った
美空ひばりの「りんご追分」をカヴァーしたものになります。(厳密にはこの楽曲はレゲエの前進であるスカですが)

origami PRODUCTIONS様

残念ながらDon Drummondの情報は極めて少なく、また兵役に関する情報も調べる中には見つけられなかった。裏付けが必要そうだ。

ネット上の諸説まとめ

説2.(中村とうよう・竹中労説)に関しては複数人がネット上で言及しているし、他にも話を聞いた友達の中でも数人がこの説を挙げていて信憑性があるように聞こえるのだが、The Skatalitesへ影響を与えたかという視点だけで言うならば、否定的であることも事実。説1については「かもしれないよね〜」という内容の投稿だし、3に関しては追加調査が必要かな。

旅は計画的に

旅の最終目的地は「リンゴ追分がジャマイカへ渡った経路の解明」なわけだけど、はてさて目的地へどう辿り着くかである。すでにリンゴジャーニー先人たちの足跡をネット上で見つけたのだが、これだ!という旅路には出会えなかった。リンゴ追分がリリースされた1952年当時、音楽が海を渡るとしたら、どのような手段が可能だったのだろうか?

竹中労著『美空ひばり』(1987年朝日文庫)にもリンゴ追分に関する記述はあるが、
海外進出へ寄与したヒントは言及されていない…Bさん       

次回から、いよいよリンゴ追分が海を渡った足跡をたどる旅の第一歩を踏み出します🍎    
                         (2023年10月初旬)

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