電気が高騰した中、リミックスポイントはなぜ利益を出せたのか

2022年6月28日 リミックスポイントの株主総会が盛況の中で幕を閉じました。
今年は小田社長による議事進行も完璧で、少しも飽きることなく見ることができました。

いつもサプライズはないと思いつつ参加している質問タイムですが、今年はこうじ(アカウントはko神ji)くんがやってくれました。
チームリミックスの最古参で気の良い青年で、彼の頭の良さにはいつも驚かされるのですが今回はついに小田社長からポロリを引き出しましたね。

ニュアンスは違うかもしれませんが
①電力が大きな黒字を出したがヘッジは他社もできるのでは?このビジネスモデルは他社に真似の出来ないものか?
②前年4Qだけやけに利益が出ているがこれは一過性のものか?
という質問だったと思います

まずリミポの電力はいままでどういう数字を出してきたかを説明しましょう
下図の左側は電力の販売量で、右側が売上です。

リミックスポイント電力部門 販売量と売上、利益


おそらくリミポだけじゃなく、自家電源を持たない全ての新電力は売上と利益を上げる方法として
安い電気を買い
販売量を増やし
売った差額で儲ける
という戦略しかなかったと思います

なのでリミポはひたすら契約電力を増やし、強いバックの居ない単独系新電力としては脅威のランキング50位以内を果たします。
1Qあたりの売上はどんどん上がるもの利益は右肩上がりにいはならずMAXを4.4億円としてそれ以外はほぼ1億円台です。

そのうちリミポは気付き始めます。実はがむしゃらに電気販売量を増やすってことが正解なのだろうかと。

上記の図で言う
低圧は一般家庭や小さな店舗
高圧は工場やビル
特高は駅ビルや大型ショッピングセンター
などです

電気の販売量は特高>高圧>低圧の順に大きくなります。
割引料も当然その並びになります。大きく電気を買ってくれるお得意先なのですから大きく割り引くことを要求されます。

私は電気の代理店もやっているので、高圧の見積もりも取ってもらったことがありますがこれで利益出るのか?という脅威の値引き額でした。
利益ぎりぎりでやっているためJEPXの電気代が高騰すればあっという間に利益はなくなります。最近までリミポ電力はこういうギャンブル的要素が強かったように思います。

倒産したホープなどは役所などの公的施設に電力を販売しており、そういう施設は1年間契約を変えられない場合が多いです。そこに電力高騰をもろに食らってしまっては立ち直ることは出来ません。

このJEPXが安くないと全く成り立たないギャンブルをやめるためリミポはヘッジを開始しました。苦しかったワラントですがあれでお金を手にして先々の電力をかっていたから今のリミポがあるのです。

ただ謎は残ります。まさしくこうじくんの聞いたヘッジってリミポしか出来ないの?他の会社はなぜやらないの?いつまでできるの?いままでその解答をしてくれたことはありませんでした。

理解できないのは「JEPXって30分単位で電気かうんでしょ?結局高い時間に買わざるを得ない時間帯はヘッジって言っても限界あるよな」ってことです。

今日のように価格が100円を超える時間帯になってしまったらヘッジ分なんてすぐに吹っ飛んでしまうでしょう。

昨日やっとその謎がとけました。小田社長は

「一番電気を安く買う方法は30分単位ではなく1日単位で買うんです」

と言いました。しかしJEPXには丸一日買う方法がありません。どこを読んでも30分単位です。調べていくうちにベースロード電源というのは1日単位で買えることを知りました。もしかしたら相対電力もできるのかもしれません。

「ベースロード電源」とは、発電コストが低く、かつ昼夜などの時間帯を問わずに継続的に安定して稼働する電源を示す言葉として使われています。
ベースロード電源は、石炭、地熱、水力、そして原子力の4つに分類されます。

ベースロード電源にも昼の時間帯を買うものと24時間分を買うものがあります。

ここからは私の想像ですが、安くて安定しているベースロード電源を24時間分買って、需要を24時間一定にすることで実は一番確実に利益を出せるんじゃないかということに気付いたのではないでしょうか?そしてその時々に応じて相対電力(東電などから直接買い付ける方法)や電力先物を組み合わせてフォローする。

これがなぜほかの新電力ではできないかといえば
上図でいう需要を長方形にしていくには、低圧だけでも高圧だけでもできないわけです。

朝と夜に需要が膨らむ一般家庭の低圧と、昼に稼働する工場やビルの高圧を同時に販売できる新電力で
なおかつどちらかが突出しないように販売量の調整を行わないといけないわけです

それが昨年の高圧の顧客への契約解除依頼であったのです


需要調整を行ったことにより24時間常に電気が使われるため高くなる時間の購入は24時間ベースロード電源や電力先物で賄い、安い夜中は相対電力でと様々な手が取れたはずです。そして余った電力は市場で売ることもできます。その場合安く買っておいた電力を高騰した市場で直接売ることもできたのが利益が高くなった原因かもしれません。

①の回答としては
「他社がまねしようとすればできなくはないが低圧高圧を計算しながら契約電力を合わせていくため相当難しい」
という回答になると思われます。

②に関しては高圧の解約がうまくいったと答えていたので赤字が出るような会社から切っていったか契約の見直しをしたんでしょうね。あと高圧が減ったので高圧用に買ってあった相対電力を低圧に回せて儲かったという意味だと思います。
なので前年4Qだけのフロックなのかと聞かれたらコントロール可能と回答できるのはないかなあと思います

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