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宇宙よりも遠い場所

演劇の脚本が書きたい。
でもなぜ自分がそんな事を思ってるのか全く分からなかった。その分からない感情のワケを知るべく僕はググった。
するとそのサイトにはこんなことが書かれていた。

『脚本を書きたいと思う動機は二つある、自分の中の確固たる思想を他人に伝えたいと思ったか、観た作品に影響され自分もこんな作品を作ってみたいと思ったか』

続いてこんな事が書かれていた。

『作品に影響されたならその作品の何が好きなのか分析すると、自分がどういう思想を伝えたいのか認識できて脚本が書きやすい』

そのサイトの主張に大いに納得した僕は筆を取った…








はい。


小説が始まるワクワク感出そうかと思ったけどそういう知識がなさ過ぎました。親にnoteを始めた事話したんですが、言われたのが
「インプットしてないのにアウトプットできるの?」

今までまともに本を読んでこなかったことを後悔しました。あんだけ本読め本読めって言われてたのに俺は何をしてたんだろう。
でもアウトプットは続けます。
3本記事書いてきた事を通して自分の考えを文字で起こせる力が少しずつ付いてきたように感じるんですよ。使える弾は少ないですが。
でもゴルフだって球なしで素振りしたりするでしょ?



てなわけで今日は1記事目で書いたことを撤回して、自分が大好きな作品の事を書こうと思います。1カ月というのは人の思想を変えるのにそれほど短い時間ではありません!



え〜紹介するのは…


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《あらすじ》
そこは、宇宙よりも遠い場所──。

何かを始めたいと思いながら、
中々一歩を踏み出すことのできないまま
高校2年生になってしまった少女・玉木マリことキマリは、
とあることをきっかけに
南極を目指す少女・小淵沢報瀬と出会う。
高校生が南極になんて行けるわけがないと言われても、
絶対にあきらめようとしない報瀬の姿に心を動かされたキマリは、
報瀬と共に南極を目指すことを誓うのだが……。

友人にはしつこく勧めているので名前だけ知ってる人も多いでしょう。
僕が今まで観た132本のどのアニメよりも愛してやまない作品です。


この作品を最初に観たときに思ったことは




これ俺のために作られた作品だ、間違いない。




見終わったときにそんな考えが浮かんでくる作品が皆さんの中にも一つか二つはありませんか?
なんだか友達だったり世間ではそんな評価されてないけど、自分にはすごい刺さったみたいな作品が。
といってもこの作品が評判悪いという事ではないんですよ。
どっかのランキングで2018年のベストアニメに選ばれていますし。
世間で評判悪いってよりかは、ブスッとナイフで刺されたかのようにこの作品が人よりも幾分刺さったという意味で「俺のために作られた作品」という表現を使いました。


じゃあ何がそんなにお前の心に刺さったんだって話ですが…。


一つ目にこの作品とてもメッセージ性が強いんですよね。


メッセージ性が強い作品ってさじ加減がむずかしいと思うんです。
一歩間違えれば宗教勧誘臭くなったり(押しつけがましい)、かといってメッセージ性を省きすぎても薄味になってしまったりとか。
表現をするという事ではターゲットを前者や後者にも絞るのも面白いですが、テレビアニメ作品は商業性が強いものなのでどうしてもより多くの人に観てもらうという意味では、この作品上手いことやったなと思いました。
実際円盤も売れたようで商業作品としては大成功と言えるでしょう。


じゃあ実際どんなメッセージが込められているのか。物語の端々を見ていくとこのアニメいろいろな出来事があって随所にメッセージがこめられているのですが、やはり印象に残ったのは最終話のラストシーンですね。

全13話のなかでいろんな出来事はあったものの制作側が一番伝えたかったのはこれだったのかなぁと思いますね。物語前半で退場したキャラが最後の最後でドーンと爆弾を落とすのはなかなかほかの作品では無いですよ。

最終話のメッセージは、「南極に行く」という途方もない夢に対しての理想(行ける)と現実(行けるわけない)という視聴者のアンビバレンスを、キマリとめぐっちゃんという二人の人格に落とし込んだとして解釈するとより考えやすいのかなって思ったりします。

「南極に行く」という課題自体はあまり私たちには馴染みのないものですが、これを「新しい事を始める」という課題に置き換えて考えると身近なテーマに変わりますね。そうして身近なテーマに強烈なアンサーを残したから(まぁ結論自体は王道なので説得力というべきか)こそこの最終話が刺さったという人も多いのではないでしょうか。

実際私も大いに感動して、僕の大学のサークル選びにも影響してします。
演劇という未知の世界に踏み込んでしまった…なかなかアニメみたいには行かないですけどね。



ところでめぐっちゃんを語るには最終話もそうですが5話も欠かせませんね。
めぐっちゃんがキマリに絶交を突きつけるシーンでの

「そうしてないと何も無かったんだよ私には!自分に何も無かったからキマリにも何も持たせたくなかったんだ。」

ってセリフ。ヤバくないですか?
自分の今まで取ってきた行動に心当たりがありすぎて怖かった。

自分よりも下だと思った、頼ってくれたと思ってた人が急に自分を必要となくなるどころか次のステップを踏み出そうとしていると知った時に沸く自分の醜い感情がこのアニメを通して自分に映し出されてしまったんです。

めぐっちゃんのように実際にその感情を口に出してしまうのは、あったとしても高校生までだとは思いますが、僕含めて多くの人が持ってる感情じゃないですか?当然人に上下のランクをつけるのは良くないって頭では分かってはいるんですが…。

そういう意味で5話は恐ろしく生々しい回でした。このアニメ5周くらいしてるんですが、この5話だけは未だに観るのを避けてしまってます。いやぁ、恐ろしいアニメです。





ちょっと話が逸れましたが、次に進みます。



心に刺さったポイントの二つ目は、声優さんの演技です。



メインキャストの4人は今のアニメを語るには外せず、どの4人も主役を張れる実力者ですね。原作ファンがいないオリジナルアニメである以上声優さんはビックネームにはなっていますが、それに関係なくこの4人じゃなきゃ務まらなかったと思います。
このアニメ、そしてラジオやファンブックなどで語っていたキャラに対する考え方を聞いて、この4人の声優さんのことをもっと好きになりました。
声優さんのなにが刺さったか、キャラの魅力とともに一人ずつ紹介したいと思います。





まずは…

結月役・早見沙織さん


女性のイケボとはまさにこの声の事といっても過言ではない空気清浄機のような声の持ち主。声だけであぁ早見さんだって分かってしまう声優さんですが、演じる役の幅がとても広く声もかなり使い分けているすごい声優さんです。
結月は早見さんでは少ない高めな声質の役ですね。(他でこういう声の役は幼女戦記のヴィーシャくらい?)
早見さん曰くしっかり者の役が多いそうで今回の役は特に序盤が難しかった、他の3人よりも年下である一方で、大人ぶろうと思春期特有の背伸びをしてる感を出さなければならない役だったそうだ。

やはり僕が印象に残ってるのは10話の結月回ですね。結月の少し常識から外れた友達感が明らかになる回でした。
友達誓約書を出すシーンの他の3人とは考え方がズレている怖さ(?)を幼い声とのギャップでより増幅しててヤバかったですね。
最後の誕生日を祝ってもらった結月。素直に喜んでいて可愛さがすごく伝わってきました、やっぱ人はギャップで萌えるもんです。
軽く死ねますね。





次に…

キマリ役・水瀬いのりさん


幼さと大人っぽさが同居した独特のボイスを持つ声優さんですね、地声もそれなん!?って最初冠のラジオ聞いた時びっくりしましたね。声優になるべくしてなった方だと思います。

キマリは水瀬さんにしてはベースが高めの声質かつハイテンションな感じなんですが、キマリの純粋無垢な声は自分の中の青春したいな、何かしたいなって欲がものすごく掻き立てられます。
1話の最初の語りとかもうすごい
このアニメの主人公としてはピッタリな声でした。


印象に残っている演技は8話の船酔いに絶望してるシーンでのキマリ。
「選択肢はずっとあったよ、でも選んだんだよここを、選んだんだよ自分で」
ってセリフ。
キマリらしくないけどキマリなセリフ、キマリがかっこいいシーンでした。





そして…

報瀬役・花澤香菜さん


言わずもがな人気声優さんですね。
澄んでいて可愛らしいエンジェルボイスが特徴の声優さんですが、今回の報瀬役は花澤さんの地声に近い声でした。これはこれでいい。
もっとこういう役増えてほしい…。

この報瀬、誰もが目に惹かれる美人でありながら超がつくポンコツ、しかも人見知りでありながら攻撃的な性格と残念な面も多いんです。でもどこまでも誰よりも真っすぐでホントいいヤツですよね。

コメディとシリアスの差が一番激しいキャラなので、報瀬の作画もパワーの振り幅が凄いのですが、花澤さんの演技も負けてませんでした
声の出し方の引き出しが多いこと多いこと、伊達に今まで何百本ものアニメに出てませんよね。大いに刺激を受けました。
報瀬に命を吹き込んでくれた花澤さんには感謝しかないです。
ほんとに報瀬役が花澤さんでよかった。


報瀬の演技で印象に残ってるのはやはり11話の最後と12話のメールのシーンですかね。11話は日向のところで語るとして。
12話は母がいないという現実を突きつけられる残酷なシーンだったのですが、絶望感がヒシヒシと伝わってくる叫びでした。
本当に残酷なシーン。でもこれがあったからこそ母親がいないという現実にようやく向き合うことができた、報瀬にとって必要なステップだったんだなぁ。
それだけに13話で髪バッサリ切ってきた報瀬のこの表情。

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もうね…。
ここが一番このアニメで好きなシーンです。


1話のED流れ始めた後の、新幹線で報瀬がキマリに気づくところの笑顔も好きです。

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このシーンって報瀬にとっては本当に大きなターニングポイントですよね。
今まで応援してくれる人はいたけど、リスクを背負ってまでついてきてくれる人はおらず一人で頑張ってきた報瀬。
そんな彼女が自分と楽しいことも悲しいことも共有できる友達ができたシーンです。
いやぁ…いい。もう1話終わった時点で報瀬は結構報われている気がします。


報瀬はこれ以外にもいいシーン沢山あるんですが長くなり過ぎてもなので次行きます。





最後は…

日向役・井口裕香さん!

こちらもアニメ観たことある人なら名前を聞いたことぐらいはあるだろうという人気声優さん。といっても恥ずかしながらこのアニメ観るまで僕も名前しか知らなかったんですが…。

びっくりですよ。


いろんなアニメ観てきましたけどこんなに演技に心動かされた声優さんは初めてでした。

元気でムードメーカーな表の一方で裏ではトラウマがある。6話でそんな一面が明らかになった時、自分でこんな事を言いたくないですが何だか他人に思えなくて。
そんな事考えながら迎えた11話。日向の過去の詳細が分かって報瀬たちがそれに向き合う回なんですが

11話のラスト5分ヤバない??(語彙力不足)



私だったら許せないという報瀬と、許すというよりかは諦めに近い感情を抱く日向がテントの外で語る所からその5分は始まるんですが…結局お互いの主張は平行線なんです。


が、次ですよ次。

「ありがとう…ごめんな、私多分まだ怖いんだよ」

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うわーーっーー!なんだこれは!!!


自分とは考えが違う、だが寄り添ってくれて嬉しい。
日向のそんな気持ちが詰まった言葉ですね。
井口さんのここのセリフの読み方すごく好きです、悲しさと嬉しさの複雑な感情がヒシヒシと伝わってきました。


11話の快進撃はこれだけでは終わりません。
日向が言いたくても言えないことを報瀬が代わりにガツンと言ってしまいます。
賛否両論あるシーンですが僕は好きです。
報瀬ほんといいヤツ。友達のために俺はここまでできるだろうか…。

このシーン報瀬がカッコいいのもそうなんですが、井口さんの日向の演技がまたすごい!神がかってました。


「ちっちゃいなぁ、ワタシも」


このセリフ最初聞いた時鳥肌が立ちました。
日向の「楽になりたいけど許せない、どうしたらいいかわからない」
そんなやりきれない気持ちが全部乗ったすごい演技でした。
声優オタクな私だとアニメ観てる最中もその声優さんの顔が浮かんでくることが結構あるんですが、ここはもう日向でしかなかった。
いやぁ…すごい。

井口さんはこのシーンの事をこんな風におっしゃってました。

「(花澤)香菜ちゃんの熱い芝居は印象的で、まるで隣でギュっと手を握ってくれている感覚があってテストで号泣してしまった。自分が三宅日向か井口裕香なのか、生まれて初めてその境界線が分からなくなった。

自分が大好きなアニメにそんなにも感情移入して愛を持って声を当ててくれてるなんて知ったら嬉しいですよね。
自分と演じてる役が境界線が分からなくなるなんて、よほど日向のキャラが井口さんの深いところに刺さったのかな、なんか裏では日向みたいにいろいろ考えてたりする人なのかなって勝手に想像したりもして。

そんな感じで、このアニメから井口裕香さんのファンになりました。これからも応援したい声優さんです。











はい!!

いや、まだ書きたいこと沢山あるんですがこの辺にしときます。心に刺さった所はなんて書き方したら無限に出てきちゃうよ…。


というわけでここまで読んでくださった方、ありがとうございます。アニメ観てない人!こんな文章だけで魅力は伝わりません。
ぜひ1話だけでも観てくださいな!ネトフリで配信やってるよ!


ところで、観てくれた友達とかと"よりもい"の話する時はこのサイト見ながら出来たらいいなぁなんて思いますね。
いいなぁって思ってるポイント、いざ口頭で話すってなると全然言語化できないんです。
自分がいいって思ったシーンを共有したいって思っても、言葉にできず共有しないで終わってしまう。そんな問題はこうしてnoteに書き出してそれを友人に見てもらう事で解消されるのかなって思ったりします。
逆に友人にも書いてもらいたいですね、友人の言語化出来てないけど良いって思ってるポイントも知りたいかも…。

いやぁ、タダでこんなブログ書けるなんていい時代になったもんだ。



それじゃあまた次の記事で会いましょう!Bye!

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