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好悪とcost-benefit

"わたしは古い酒を愛するように、古い快楽説を愛するものである。我我の行為を決するものは善でもなければ悪でもない。唯ただ我我の好悪である。或は我我の快不快である。そうとしかわたしには考えられない。"
(芥川龍之介「侏儒の言葉」より抜萃)

 まさしくその通りであって、私の行動もこれに規定されています。
 そもそも、善とか悪のような頼りないものによりかかるのは甚だ心許ない。
 さて、
 芥川の言とは一旦離れて、全ての人間、さらに全ての生物について考えてみましょう。
 生態学的には、生物の行動、生き様はcost-benefit(費用対効果)によって規定されます。
 例えば、ミズナラの木は、必要以上の堅果(どんぐり)を準備します。これは明らかにコストがかかります(人間から見れば「ムダ」とも思えます)。
 しかし、これは、病虫害や気象害に備えるためのものです。
 そして、ある一定の時期 ―病虫害、気象害の危険が低下したころ ―育ちの悪いどんぐりは切り離されて落下します。
 これは、abortionと呼ばれ、直訳すれば中絶となります。
 (残酷なようですが、人間が栽培している果樹の摘果作業もこれと似たようなものです)
 この場合、
 気象/病虫害を避けるbenefit>必要以上のどんぐりを準備するcost
となっているわけです。
 ミズナラの木が考えて行動しているわけでは(多分)なくて、進化の過程で、「現在の冷温帯の地球環境」に適応したものが繫栄した、と考えられます。

 さて、前置きが長くなりました。
 私の、X(twitter)における行動も、「好悪」及び「cost-benefit」に規定されています。
 不快な文章や言動に出会った場合(好悪の"悪")を例に引きましょう。
 benefitを最大化するのは、「攻撃して除去」でしょう。
 しかし、それに要するcostは様々です。
 ここで、一定の規範が生まれます。
1.単なる意見の相違によるもの
2.はずみで/ついつい失言してしまったもの
3.明確な根拠に基づくもの
4.私が直接関与していない係争案件
 以上については、攻撃の対象としない。
 一般常識から考えてもその通りですが、cost-benefitの点から考えても、自分の方に明確な攻撃する材料もなく、わざわざ攻撃するcostも無駄となります。
 精神衛生という観点から考えても、「ブロ解/ブロック」という、low-costな方法が存在するわけですし。

 私が攻撃態勢に入るのは、
A. 明らかな誹謗中傷、人格攻撃
B. その中でも、特に親しいFFさんが対象になった時
(有難いことに、なぜか私にはそういうものが届いたことはない)
C. 攻撃することに、戦略的価値が認められるもの
D. その他、好悪の「悪」が極めて強い時
などです。
(複数の組み合わせもあり)

 さて、攻撃により得られるbenefitを最大化するためには、costを最小限に抑える必要があります。
 costとしては、以下のようなものが考えられます。
a. 自分側が、関係法令通達通知や、Xの利用規約等に抵触する可能性
b. 攻撃している自分側がみっともないと関係のないFFさんに愛想をつかされる可能性
c. 関係のないFFさん、その他のアカウントを巻き込んでしまう可能性
d. 自分の労力を無駄遣いするという事実

 a. については特に問題はないでしょう。私は法律等の専門家ではありませんが、そういったものを取り扱うことには慣れていますので、あらかじめ気をつけておけば、事実及び資料を整理して専門家に相談することは容易です。
 b. については、そう思われても仕方ないですね。明らかにcostです。
 c. については最も嫌なcostで、現在の係争案件において巻き込んでしまった方々ごめんなさい。今後は、―今後そういう案件が発生しないことを望みますが ―もっとスマートにやります。
 d. については省略。

 従って、A~Dに対して、a~dを勘案した上で行動しているわけで、まさしく「好悪」と「cost-benefit」に依存した行動規範なわけです。

(附記1)
 やたら、攻撃ゞゞと書きましたが、私は元来平和を好む人であり、「滅多なことでは」そんなことをしませんのでご安心ください。

(附記2)
 このテキストを公開するのは、「私を攻撃したい人」に、私の手の内を晒すという意味合いもあります。
 少しでも参考になれば幸いです。
 あ、でも、具体的な戦術/戦略については書いていませんが。
 ↑ここらへんが私の性格が悪いトコw


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