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【神奈川こと107】「すみずみ」ではなく、「たまたま」(横浜市神奈川区白楽/ブックカフェ はるや)

作戦を遂行できた。

よって、これを書く。

神奈川新聞日曜版に「本屋さんのイチ推し」というコーナーがあって、
県内のユニークな本屋さんの店主が、週替わりで一冊の本を紹介している。

ブックカフェ はるやの店主が紹介していた「偶偶放浪記」という本が目に留まり、購入ついでに訪れてみることにした。

このところ同時多発テロ的に色々なことが身の回りで起きているので、息苦しい。だから、心の人質解放大作戦を敢行する必要があった。

作戦の内容は以下の通り。

①まず、用事は全部土曜日に済ませて、何にもない日曜を作る。

②続いて、できるだけたくさん歩くことで、携帯に入れているCoke Onアプリのウィークリーチャレンジの49,000歩/週をクリアする。

③さらに、酒は飲まない。

④あとは気の向くまま、風の吹くままにする。

この4つを意識しつつ、まず作戦①を完了させて翌日曜の午前、東横線は白楽の駅で下車し、目的地であるブックカフェはるやを探した。それは、あっという間に見つかった。

「はじめて来ました。こないだの日曜、神奈川新聞で紹介していた『すみずみナントカ』が面白そうだったから」と告げると、気さくな感じの店長さんが、「あっ、『たまたま放浪記』ね。ここにありますよ」と教えてくれた。

「偶偶放浪記」の「偶偶」は「すみずみ」ではなく、「たまたま」と読むのであった。いつも、このにんべんの横についてる田んぼにムの形の付く「グウ」と音読みする漢字がよく分からなくなる。「偶、隅、遇、寓」ああ、区別がつかない。

早速、お目当ての本を購入し、コーヒーをいただきながら小一時間ほど過ごした。お酒もメニューにあったようだが、作戦③の理由から深入り焙煎のホットを迷わず選択。

きれいすぎない感じの店内と、開けた窓から聴こえてくる外からの雑音、今にも雨が降りだしそうな曇り空が気持ちをほぐしてくれた。そして、何よりも本の内容が高尚な感じじゃなく、ところどころクスクス笑えて楽しめた。作者が横浜市出身のようで県内のことが結構登場するのも興味深い。

「また来ます」と言ってお店を出て、東横線の線路沿いを菊名駅まで歩く。途中雨が降ってきて、普段は必携している傘や帽子を今日に限って持ってきていないことに5分間ほどイライラしたが、作戦④を遂行すべく濡れるままに菊名駅を目指した。

往きも帰りも、大船駅と自宅の間は歩いたので、本日19,320歩。これで週間累計歩数54,506となり、作戦②をクリア。

かくして作戦は成功し、心の人質は解放されたのだった。

千載一遇を期しつつ、書斎の片隅で偶作にふけみた。








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