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美術図版、スキャンのすすめ

図録などの美術書から、作品図版を上手くスキャンする方法について、まとめておきたい。

スキャンするには、まずスキャナーが必要になる。しかし、スキャナーを自前で用意するのは難しい。用意したとしても、家庭用機種の性能なんてたかが知れている。

そこでおすすめなのは、コンビニのスキャナーだ。なかでも現在、一番性能が良いと思われるのが、セブンイレブンのスキャナーだ。ただし、店舗によっては最新機種でない場合があるので、最寄りのセブンイレブンはどうか確認してみてほしい。

最新機種はこれ
画像出典:https://original-nb.net/column/how-to-make-an-original-bag-with-hand-drawn-data

スキャンの料金はカラーで一枚30円。これが意外にバカにならない。一回まとめて作業すると、1000円くらいはかかるので、もう数万円は平気で吸われている気がする。それでもやっぱり同じ値段でたいしたスキャナーは買えないから、まぁ必要経費だろう。

それではスキャンの際して、いくつかアドバイス。

スキャンする前に、台の透明な板を拭いてきれいにしておこう。汚れやほこりがついていると、画像化した時に映り込んでしまい、せっかくスキャンしたのに台無しになってしまう。

スキャンするページのうしろに、黒画用紙を下敷きとして挟んでおこう。スキャンは意外と後ろのページの図版がうっすら透けて裏写りしてしまうため。

スキャンするときは、すこし角度をつけると良い。下記の記事によると、45度斜めにすると、モアレを抑制できるらしい。

図版はたいていの場合オフセット印刷されていることが多い。オフセット印刷は、拡大してよく見ると、小さいドットで4色インク、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)が隣り合って、その濃淡で色を再現している。なので、それがデジタル画像になると、モアレという現象が起きやすくなる。

モアレは、ドットの重なりがズレて縞模様のようになってしまう現象で、よくテレビで出演者がキメの細かい縞模様のスーツなんかを着てしまうと、起きてしまうことがある。

モアレの例
画像出典:https://www.asahi-net.or.jp/~ax2s-kmtn/pict.html

無事スキャン出来たら、PCにうつして画像編集する。

まず斜めにスキャンした画像の角度を戻して、トリミングする。

印刷物からスキャンすると、解像度がいくら高くても、ドットのせいで荒っぽくみえてしまう。どうしてもオリジナルの写真データと比べると、鑑賞にはあまり向いていないように感じられてしまうだろう。

このドットをある程度みえなくするテクニックもある。モザイク処理をかけてから、解像度を半分ほどにリサイズして、アンシャープマスクをすこしかけると、多少マシになる。

ここはもっと良い方法があるかもしれない。私も模索中なので、良い方法があれば教えてください。



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