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WCB・バイブマシーン

突然だがサワーエールが好きだ。ファンキーなランビックも、塩っぽいゴーゼも、甘酸っぱいフランダースレッドエールも好きだ。

そんなわけで、WCBバイブマシーンはサワーエール。
特にベルリナー・ヴァイセというスタイルになっている。

ここからちょっと長い前置き。


ベルリナー・ヴァイセはドイツのベルリンのビールスタイルで、乳酸発酵による強めの酸味と低アルコールが特徴。ストレートでは酸っぱいため、シロップを入れ甘く飲みやすくするのが基本らしい。なんならシロップ入りの銘柄も売ってる(らしい)。
あとストローで飲むらしい。可愛いな。エモい!チルい?

ちなみに「ベルリナー・ヴァイセ」は生産地保護されているので、今回もバイブマシーンはベルリナーヴァイセ風となる。ケルシュとかもそうだね。

さてベルリナー・ヴァイセは海外だとスウェーデンのブリュースキ醸造所が名手で、日本にも定期的に入ってきている。国内だとロコビアさんのユーカリナ・ヴァイスがあるけど樽オンリーなので飲める機会が少ない。

そのような情勢の中の2021年、WCBさんがこのベルリナー・ヴァイセを発売したもんだから速攻で売り切れ、私も余裕で買えなかった。
今ようやく飲むことが出来る1年越しのリベンジ。

ほな、いただきます。


グラスに注ぐそばから酸味のある乳酸の香りが漂ってくる。
それと同時にグレープフルーツとラズベリーの香りも漂う。
酸味のバランスやら色味がどうなるのかを楽しみに杯を口に運ぶ。

酸っぱい!グレフル!ラズベリー!
そして、甘くない!

目立つのはやはり強烈な酸味。乳酸菌飲料の円やかな味わいではなく「飲む酢」のような力強い酸味。ケトルサワリング製法で作られたサワーというのがよくわかる。ケトルサワーリングについては下に名解説を貼って置く。


次に感じるのはグレープフルーツとラズベリーのたっぷりとした果汁感。
ピンクグレープフルーツは爽やかで甘酸っぱく、ラズベリーは野生化した果実のよう野趣のある風味。
そして面白いことにこのビール、全く甘くない。
果汁の中にわずかに甘味を感じるものの、ほんとうに甘くない。
オーソドックスなベルリナー・ヴァイセからは逸脱するが、かえって果実感が強調されていて面白い。

それとともに面白いのが、味わう中心をどこに置くかで印象が違ってくること。

グレープフルーツを中心にして味わうと、見事なグレープフルーツエールになっている。豊かな香りに加えて酸味がもたらすフレッシュさ、軽い苦みからくるピール感。香りはピンクグレープフルーツの甘酸っぱさなのだけど、舌に感じる甘さがないため、皮ごと丸搾りしたようなフレッシュさと、軽く発酵させたドライな柑橘系ハードセルツァーのような雰囲気もある。

次に「ラズベリー」を中心にチャンネルを変えると、これまた魅力的なラズベリーサワーエールになっていることに気づく。野山を散策中に見つけたラズベリーを口に入れた味わい。人里近くに生える半野生のラズベリーの酸っぱい中に少し甘味があるワイルドな味わいが再現されている。

グレフルとラズベリーの両方がもつ共通項とフレーバーの組み合わせ方がよほど上手いんだろう。

そんなわけでサワーエールが好きなワイ将大感激。ついでにいうとフルーツビール好きでもあるので2度おいしい……いや、フルーツが2種類あるので3度おいしい。何度も書くけど甘さがなくてキレキレなので、そこで好みが分かれる点だとは思う。俺は好き好き。

WCB・バイブマシーン
スタイル:ベルリナー・ヴァイセ
都道府県:静岡県
醸造所:West Coast Brewing
原料:麦芽、グレープフルーツ果汁、ラズベリー果汁、ホップ
   麦芽使用率50%以上
アルコール度数:3.5%

■おまけ

さて。このWCBのバイブマシーン。スタイルに拘って飲む人やサワーエール好きに特にお薦めしたい。それはベルリナー・ヴァイセやサワーエールの解像度を上げる教材としての面白さも感じたから。

冒頭にも書いたが、ベルリナー・ヴァイスを飲む機会は少ない。
またケトルサワーリングで作ったサワーエールにしても、果汁や副原料を使ってないプレーンを飲めることはほとんどない。

このバイブマシーンは果汁が加えられているものの甘さが無く、酸味が強いので、プレーンなベルリナー・ヴァイセの特徴をとらえやすい。
そしてまた、ケトルサワーリングした酸味の特徴もわかりやすい。(と思う)