留年しそうだよ~(´;ω;`)

予期できた死がある。
高い階段の上に立つ断頭台だったり、足元にある深い渓谷だったりがある。
ほとんどの人間が引き返して、二度は近づくまいと思う。
断頭台での執行や渓谷への落下は都度、形態を変えるが今は留年の体を取る。
今、数か月前においてきたやるべき事が後ろから私の首を絞めんとする感覚に襲われている。
不快だが、少し溌剌を覚える。
生きている。ギリギリのバランスで、やじろべえが倒れない物理のように強固なものでなく、かなり不確かな支えで生きている。
根拠に乏しく乾いた自尊と圧倒的楽観によるもので、これらはあまたの数私の人生を台無しにしてきたが、今では彼らに生かされて居る。
期末試験の結果でこの快適に腐ったモラトリアムの生活の続行を断念せざるを得なくなるのだが、それでも少し心躍っている。
なにせ適当な生活と、その間のかりそめの社会生活ではこの生の実感を得ることができないからだ。
当分こんな思いはしたくない、を何回も繰り返す。
その様に生きて初めて日々のツケを払うことができる。
液晶に覆われた視界とイヤホンを詰め込んだ外耳で現実から逃れ続け、今なお私は断頭台の目前に立つ。

どうなっても私は一向に笑っているだろう。

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