SFCスピリッツの創造 最終課題

「SFCスピリッツの創造」は、SFCから様々な方向へと羽ばたいていった11人のOB・OGが、後輩であるSFC生に向けて大切なメッセージを送る授業です。そのメッセージの中で印象に残った部分を簡単にまとめてみたので、ぜひ読んでみてください。

今村久美さん カタリバ(教育系NPO)

地元、大学生にならない人が多い
社会における階級の違い、教育格差に気づく
→見えない分断の改善をするため
教育系NPO「カタリバ」をつくる
教育を親と学校に丸投げしない
大学生など、学校の先生以外が教育に携わる仕組みをつくる
学校=単に「学習する場所」という機能だけでなく、家庭状況が悪い子供たちの「居場所」「逃げ場」の機能もある。

渡邊康太郎さん takram(デザイン会社)

自ら「コンテクストデザイナー」を名乗る
コンテクストデザイン=一人一人からそれぞれの物語が生まれるようなものづくりの取り組み
RT数が多いものに価値が宿るようになっている
強い文脈じゃないとダメなのか?→ちがう
新たな価値はいつも「弱いもの」から始まる
まだ世の中に認められていない価値があるんじゃないか?
→みんなのクリエイティビティに補助線を引きたい=コンテクストデザイン
n=1の"自分だけ"が携えているものは脆い
だけど、それが、便利なものが飽和している現代において、意味があるもの・自分自身がつながりを感じられるものとして真価を発揮してくる。

閑歳孝子さん zaim(個人向けの家計を管理するアプリ)

なぜ事業のテーマとしてお金を選んだ?
→「お金の使い方によって人生の選択肢は大きく変わる。その選択肢を広げたい。」
自身が夢中になり、お金になるテーマは何か?
寝食を忘れるほど夢中になれるものを持っている人は社会に出ても少ないため、それを大事にしたほうが良い。
ノブレス・オブリージュ…財産、権力、社会的地位の保持には責任が伴う。得た能力、環境、お金を、身近な人や社会に還元しよう。他者にお金を使うことで自分の幸福度が高まり、世の中のためにもなる。

千葉功太郎さん (Drone fund)(起業家・投資家)

起業家…逆算思考。
投資家…友達に相談されて答えるのも投資。将来友達が助けてくれるかもしれない。これは「投資とリターン」と言い換えられる。自分の時間を誰かに与える。
起業家精神:
①高い視座から徹底的に未来を妄想し、その解像度を高めていくこと
②妄想を現実にするために誰にも嘘のつけない客観的な目標を立てること
③目標からのバックキャスト(逆算)でタスクを明確にすること
④全体を通じて時間の投資を強く意識すること
withコロナ時代のニューノーマル。パンデミックがあろうとなかろうと10年後を見通すのは簡単ではない。妄想して逆算して行動していく。

柳澤大輔さん(面白法人カヤック)

話のネタを増やすために起業。世界で唯一、サイコロで給料が決まる上場企業。
・自分が尊敬している人が高い地位にいる組織にいた方が良い。自分の肯定そのものだから。
そういう価値観が合っている組織にいくことが大切。
・どんな組織でも、自分が主体的に関わっているという実感を持てればどんどん好きになるし、楽しめるようになる。
・ある詩人の言葉「アイデアいっぱいの人は深刻化しない」。面白がる人はアイデアがいっぱい。面白がることが大切であり、なんなら行動しなくても良い。徹底的に妄想して、面白がろう。

門松貴さん(内閣官房長官秘書官)

「破壊と創造」「つくる」ために「こわす」。「文系理系の壁」を壊す。門松さんの現在の仕事は秘書官だから文系の仕事だが、法令上は理系の技官。「組織の壁、規制の壁」を壊す。古い規制やしがらみを壊す。
門松さんは、sfc3年の時、文系と理系の両方ができることが強みだと気づいた。経産省に入って気づいたのは、周りの官僚はほとんどが東大出身でデキる人しかいないこと。初めの1年はとても苦労した。でも、報告書を書いてみたら人の半分の速さでできた。自分の強みに気づくことが大切。

松尾卓哉さん(広告の企画・制作)

電通に入りたかった。
九州大と慶應大に合格して、どちらの大学に進学すれば電通に入りやすいか、電通に直接電話して聞いた。マーケティング部長が電話に出て、慶應が良いと答えてくれた。そして、食事会にまで誘ってくれた。大学生となり、就活を始め、電通の面接に行くと、なんとそのマーケティング部長が面接官だった。部長が松尾さんのことを覚えていて、無事に採用された。
→学生時代に自分を耕し、運を呼び込むことが大切。
自分を信じる。それと同時に相手が最大限の力を出せるようにする。
全てのビジネスにおいて大事なことは、「人の役に立つ」ただこの一点に尽きる。

江渡浩一郎さん(産業技術総合研究所)

未来は時間が経てば現在になる。現在になるとそれは当たり前になる。だけどそれがわからない段階では「非常識」と言われる。
「多くの人が同意しない未来をつくる」
大学生のうちにやるべきこと
・自分なりのテーマを見つける。未来では当たり前になっているけど、今は誰も信じない、自分だけが知っている真実とは?
・仲間を見つける。大学の外に活動の場を見つける。
「未来を予測する最良の方法は、それを発明してしまうことだ」

平尾丈さん(「じげん」、起業家)

社会の問題を事業で解決する事業家集団
事業家とは、社会に対する圧倒的な当事者意識を持った行動者。
成し遂げたい夢はあるか?→ロールモデルを見つけ、理想を知る。
①will

②skill
必要なことを身につける
③action
インプット、アウトプット
早くやる、数多くやる
withコロナ時代。「ピンチ」を「チャンス」に変える。
「とにかく『一歩』踏み出そう。」

小林正忠さん(楽天の創業メンバー)

楽天の挑戦。いろいろ成功させた。
「無理無理無理」って言われたことのほとんどができてしまった。
挑戦からの学び。不可能はない。
①出来るか、出来ないか
→やるか、やらないか
②挑戦しなければ何も始まらない
③批判の大半は挑戦してない人の声
そんな話、聞いたことがないからこそ、
みんなが無理だと思っているからこそ、
みんなが失敗しているからこそ、
誰もやったことがないからこそ、
自分がやる。新しい道をつくる。歴史をつくる。
「自我作古」我より古をなす。
公に報いる。
やるしかない!人生の主人公はいつも自分。

駒崎弘樹さん(フローレンス、社会起業家)

事業で社会の課題を解決する
ITベンチャーの起業→アイデンティティクライシスに陥った→社会のインフラが追いつかず、不幸になっている人を救うための共済型ビジネスを作った。「NPOのフローレンス」
「大義あるところに正義あり」「みんなも社会を変えられるんだぜ」「1人でも多くの困っている人を助け、社会をアップデートしていこうぜ」