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日本のビッグバンドの層の厚さなめんなよ!!学生ビッグバンドは大学生だけじゃない!!小・中・高校でビッグバンドやってる学校・バンドの紹介

はい、ビッグバンドファンです。今日はビッグバンドをやっている日本の小・中・高校を紹介したいと思います。

小中高校生が参加する3つの大会

大学生の場合は計50回を超えるビッグバンドの大会、山野ビッグバンドジャズコンテストがありますが、小・中・高校生に関しては概ね3つの大会があるようです。一つ目は日本ステューデントジャズ教育協会が主催、これまで計29回開催されているステューデント・ジャズ・フェスティバル、二つ目は日本シテューデントジャズ教育協会の関西本部が主催で計35回開催されているジャパンステューデントジャズフェスティバル、3つ目はNPO法人の日本学生スポーツ・音楽振興協議会が主催、これまで11回開催されている国際ジャズオーケストラ・フェスティバル(ステラジャム)です。

日本ステューデントジャズ教育協会のサイトには加盟団体の一覧が出ており、計33団体となっています。

日本ステューデントジャズ教育協会関西本部も独自にサイトがあり、全部で56の加盟校が一覧化されています。

ステラジャムは協会登録等の手続きは無いので毎年参加校が変わるようですが、一昨年行われた第11回の大会を見る限り7団体参加となっています。

というわけで重複もありますが、ここに出ていないバンドもあることを考えますと、ざっと日本の小中高で100団体以上はビッグバンドをやっているということになります。ここからはそうしたバンドの中で演奏動画等がアップされているものを中心に15バンド程紹介していきます。

兵庫県立高砂高等学校 - Big Friendly Jazz Orchestra

まずは映画「スウィング・ガールズ」のモデル校と言われています、兵庫県立高砂高等学校「Big Friendly Jazz Orchestra」さんです。

まぁ、普通に上手い。演奏が丁寧なのでゴードン・グッドウィンさんの曲でも大崩れせずに安心して聞けるという。こんな曲を10代青春真っ盛りの頃に聞きまくるのはいいとしても演奏までしちゃうわけだから、大人になったらどういうことになってるんだろうか。とりあえず、スゲェ。

敬和学園高等学校 - Jazz Hornets

兵庫県の次は新潟県。敬和学園高等学校は新潟市北区太夫浜にあるキリスト教プロテスタント系の私立高等学校だそうです。小中高だと制服でステージに上がる学校も多い中、私服ということで何となく演奏も肩の力の抜けたリラックスさが特徴のように聞こえます。そして勢いが凄い。。。演奏聞いていると思わず「これが若さか・・・」とつぶやきたくなってくる中年オヤジです。

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開成ジュニアアンサンブル - ブルーバーズ
開成ジュニアアンサンブル - スーパーブルーバーズ

さて先程の2つのバンドはいずれも学校の部活動として設立されたものですが、次は地域の小中高生が集まった地域バンドです。ホームページもばっちりあります。最初に小学生バンドが「ブルーバーズ」として活動開始。ただ、当初はいわゆる器楽合奏を目的に結成されたもののようで第1回の発表はリコーダー合奏なのですが、これが翌年にはビッグバンドに転向、そこからはビッグバンドでの活動が続いています。2016年からは中高生バンドも立ち上がり、更に演奏活動が本格的に。コンサートにはエリック宮城さんや守屋純子さんといった自身もビッグバンドで活躍されているアーティストの方がゲストで参加するなどとても盛り上がっています。

開成町は神奈川県足柄上郡にありまして、小田原から酒匂川を北上した先、御殿場回りで箱根へのアクセスがあるようなエリアになります。ビッグバンドは音楽的にお祭り的な要素との結びつきが強いので、特に地域密着型のバンドは地域の文化資産の一つといっても良いぐらい大切なものだと思います。是非今後もますます盛り上がっていって欲しいなと思いますね。

名古屋小中学生ビッグバンド - Little Hills Jazz Orchestra
名古屋高校生ビッグバンド - Free Hills Jazz Orchestra

こちらも先程の開成町と同じく名古屋の小学生~高校生が集まって活動をしているバンドになります。

本当に何となくなんですが、名古屋および愛知って学生ビッグバンドが盛んなように見えるのですが。。。やたら沢山出てくるうえに、演奏のクオリティが概ね高いという。調べた限り、他にもこんな感じで出てくるんですよね。

名古屋市立本城中学校 HONJO JAZZ ORCHESTRA
名古屋市立守山西中学校 ジャズ アンサンブル部
名古屋市立若葉中学校 ジャズ アンサンブル部
名古屋市立向陽高校Seven Sounds Jazz Orchestra
名古屋市立工業高校Blue Bone Jazz Orchestra
名古屋市立工芸高校Kogei Highsonic Jazz Orchestra
名古屋大学 エーデル・レーテ・ジャズ・オーケストラ
名古屋音楽大学 めいおん ジャズ・オーケストラ
愛知大学 Blue Stars Jazz Orchestra
愛知学院大学 Singing All Stars

凄いなぁ。しかも、ここからCUG Jazz Orchestra、水野修平さん、安藤康平さんといったビッグバンド発でアーティストも出てきているわけで、これは本当に文化の力だと思う。

しかも先日名古屋市文化振興事業団の企画でエンタメジャズ集団「カルメラ」が名古屋の高校生ビッグバンドと共演するなんて動画も公開されています。

こうやって盛り上がることで自然と切磋琢磨もするし、その中で技術も音楽性も向上していく。素晴らしいことだなと思います。ってか、普通に上手いなぁ。

甲南高等学校・中学校 - 甲南ブラスアンサンブル

学校自体が1919年の旧制時代から続く、まさに兵庫県を代表する名門校。ビッグバンド部も渡辺貞夫、日野皓正、ハービー・ハンコック、小曽根真、タイガー大越といった大物ミュージシャンとの共演歴もあり、また黒田卓也、李祥太といった近年活躍を続けるジャズプレイヤーも輩出するなど日本のビッグバンドの歴史にその名を轟かしております。

というわけで、まぁ当然のように演奏は大人顔負けのゴツイ演奏を聞かせてくれます。

ニャーーーーーーーーーーーーーーーー

東京都府中市立府中第四小学校 - HARMONY BREEZE Jazz Orchestra

さて、ここまで兵庫県、新潟県、愛知県、神奈川県と紹介していますが、東京にも勿論あります。しかも小学校。小学生に関しては開成ジュニアアンサンブルや名古屋のLittle Hills Jazz Orchestraのように学校単位ではなく地域単位という形のものはありますが、学校単位というのはなかなか無いです。しかも公立ということで、かなり珍しい形かと思います。

府中はクラリネット奏者の谷口英治さんがアドバイザーになっている「Jazz in Fuchu」というジャズフェスを開催しており、そこでの演奏も地域の一つの名物になっています。また実は開成町や名古屋と同じように地域型として「府中ジュニアジャズスクール」というのもあります。こちらも谷口英治さんが講師として指導されてます。

更に東京都立府中高等学校にライトミュージックオーケストラというビッグバンドもあります。

山野ビッグバンドジャズコンテストも今年は府中の森芸術劇場大ホールを既に予約しているということですし、これは完全にビッグバンドの街として名乗りをあげようとしてるのかな?

ちなみに一応府中の隣の市に5歳でビッグバンドのステージで演奏したピアノが好きな小学生の男の子がいます。

府中ジュニアジャズスクール、薦めてみようかな?

正則学園高等学校 - EMPBand

ここは調べているうちにたまたま見つけました。最初に紹介した3つの大会にはどこにも顔を出していない学校だったので驚きました。千代田区にある学校、まさに東京のど真ん中でビッグバンドやってます。ただ何気に東京JAZZ、東京マラソンの応援演奏など活発に活動もしており、OBのベーシスト横田健斗さんがプロミュージシャンとして活躍するなど頑張っているようです。

多分こういう学校も全国探してみるとあるでしょうから、思った以上に小中高のビッグバンドというのは多いのかもしれません。

帝京高等学校 - Swinging Honey Bees

そして東京の高校ビッグバンドを代表する活躍を見せているのが帝京高等学校「Swinging Honey Bees」。私、実はYouTubeで割と初期の頃にこの学校の演奏動画を見て、それで初めて知った口なのですが、それもそのはずで2007年にはYouTubeチャンネルを開設、総視聴回数が160万回を超えています。

コロナ禍の中でも演奏動画が上がっており、まさに若さと勢い、伝統と執念の為せる業だなと、思います。

埼玉県立川越高等学校 - SolidBlue Jazz Orchestra

そして東京のお隣の埼玉県にもゴツイ演奏する高校ビッグバンドがあります。私の知り合いにもここの卒業生が何人かいますが、伝統なのか分かりませんが、やたらとブラスが強力という印象があります。ここでも1曲目にGet It On、ラストはTANK、、、ゴツイなぁ。

学生バンドって、毎年人が入れ替わるのにサウンドの系統があまり変わらないって、やっぱり先輩とか伝統って馬鹿に出来ないものだなと思います。

水戸啓明高等学校 - BigBand Express Jazz Orchestra

埼玉県の次は茨城県、水戸にもこんなビッグバンドが。どうしたらこんな演奏出来るんだろうねぇ。正直アンサンブルをカッチリ合わせてくるというのは猛練習でどうにかするって話もあるんだろうけど、ソロのところとかフィーリングのところとかステージングとかそういうのはやっぱり場数とか人生経験とか色々あると思うんだけど、何かこういう演奏聞いちゃうと全部オヤジの戯言なんだなと思い知らされます。はっきり言えるのは「日本のビッグバンドの層の厚さは半端無い」ってことですね。

茨城県立東海高等学校 - East Ocean Jazz Orchestra

茨城県からもう一つ。っていうか、茨城県って上手い高校生が集まる県なの?まぁ、常総学院の吹奏楽部とかも凄いしねぇ

あとは続けてくれ、それだけですよ、ホントに。

番外編:東京都立小石川中等教育学校 - Little Stones Orchestra

探してみたのですが動画が見つからず。。。というわけで番外編なのですが、私がかつて所属していたバンドなので入れておきます。このバンド結構変わり種でして、実は同じ学校に吹奏楽部もあるんです。しかもビッグバンドをやっている部の名前は軽音楽研究会(略して軽音研)でして、俗に他の学校の軽音楽部はフォークソング研究会(略してフォー研)という名前でやってます。更にそうした部の中で最初に出来たのが軽音研、つまりビッグバンド部が音楽系の部活の最初に出来たそうで、その後別に吹奏楽部が立ち上がった、という流れだったそうです。結成経緯がそんな感じなので、伝統の中に吹奏楽要素が1mmも無く、その分だけビッグバンドの色がちょっと【濃い】感じでもあります。そんな環境で青春を過ごし、しかも高校を卒業してからも続ける、そんなOBOGともなれば、これはもうはっきり言って【変態】しか残りません。誰に頼まれたわけでもないのにビッグバンドの話だけをひたすらブログやYouTubeで発信し続けるような奴が出てきたり、いい大人になったというのにコンテンポラリーな楽曲しか演奏しないOBバンドが出てきたりします。

プロになったOBでは、Music Magic Orchestraの内山有希夫さんがいます

それからGentle Forest Jazz BandやZ Express BigBandでアルトサックスを吹いている菅野浩さんもOBです。サックスセクションの真ん中あたりの眼鏡かけた方です。

ちなみに菅野さんは「ポール・デスモンド」をこよなく愛するという理由から「ポール」と呼ばれることもあるそうです。

ただ好きなだけなら分かりますが、ちょっとこじらせてこんなことになったりします

更に楽器のセッティングの話をしているのに、段々違う方向に向かっていったりします

最近はハーモニカとアルトサックスを同時に演奏出来るように鼻でハーモニカを吹きながらアルトサックスを吹く練習を本気でやったりもしていたそうです。

というわけで、いかがでしたでしょうか?多分東北や北海道にもあると思うので、恐らく想像している以上に日本にはビッグバンドをやっている小中高校生がいるということで。何はともあれ、楽しくビッグバンド続けていけたら皆仲間ですから、これからももっとこの輪が更に熱く大きく広がっていったらいいなと思います。以上、ビッグバンドファンでした~、ばいばい~


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