のて 66


すきま風が入らぬよう埋めることに忙しない三角窓
正当化できるようにと気を抜けない、冬の夜。

思考にゆとりがないように慣れない歩速で進む匂い
靴擦れしちゃった痛み 貼ってはズレてく絆創膏
いくらでもいて、いくらでもいる 脳を撫でる木琴

難解で複雑を大切にしているのに
難解で複雑に雁字搦め 犬かきばかりの羽毛布団

ずっとはずっとであるように、
25mぴったりで沈む息継ぎなしのクロールで。


肌刺す道 歪む視界
いたたまれない夕食時 過剰な優しさ
幸せになろうよと絡めとられる指先

委ねたら樂? 委ねたら落?
金星に土星が囁く、
そういう夜であるように今日も眠ろう。

理由なんてそこらじゅうにあるから、
明日も詰め込んだ予定表をこなしてこう。

おわり

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