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2022年高松宮記念 予想

 春の電撃6ハロン戦という響き、めちゃくちゃかっこいいよね。馬券は当たらないけど。
 やはりスプリント戦のような短いレースではゲートや展開ひとつで大きく変わることで結果もガラリと変わるのだろう。
 しかし、それ以上に求められる適性が違うという点が影響していそう。
 個人的にはリーディングサイアーになる馬とは、ダービーを勝てる馬を産み出せる種牡馬だと思っている。
 日本ダービーは東京競馬場芝2400mで行われるため、そのコースに求められる適性である「スピードの乗り」という瞬発力や加速力と評される能力を産駒に伝えられるサンデーサイレンス、ディープインパクトが人気になっていったのだろう。(産駒の成長の速さといった要因もあるでしょうが)
 しかし高松宮記念は中京競馬場の芝1200m。ガラリと距離も展開も変わるので、非主流血統や適性が求められる。その点を注意して見ていく。

【コース形態】
 バックストレッチからスタートして第3コーナーまでは約300mある。緩やかな登り坂だが、第3コーナーはスパイラルカーブでそこから下り坂が直線まで続く。
 最後の直線には中山に次ぐ急坂があり、最後の200mは平坦。
 コース形態として見ると差しや追い込みが台頭しそうだが、これまでの傾向を見るに、逃げた馬がそのまま残るパターンも多くある。当日の馬場状態がカギとなりそう。

【枠順】
 基本的に大きな差はないが、3番から9番にかけてが過去10年で複勝率30%を多く記録している。外枠も馬券に絡んでいるが、多くは馬場が重くなったレースで、真ん中を中心とした枠番を加点対象にしたい。
 減点としたいのは1番と2番、そして大外18番。1番は一度だけ馬券に絡んだのみ、2番と18番は馬券に絡んでいない。極端な内枠と外枠は減点した方がいいだろう。

【血統】
 種牡馬別にみると過去10年で最多の5勝を挙げているのがMr.Prospector系。種牡馬としてはキングカメハメハ、アドマイヤムーン、Speightstown、ロードカナロアと多岐にわたる。
 次いで馬券に絡むことが多いのはサンデーサイレンス産駒種牡馬。最多はダイワメジャーとディープインパクトの3回。しかしディープインパクト産駒は未勝利で、サンデーサイレンス系で勝利したのはダイワメジャー産駒のみ。
 勝利した馬という点では、Storm Bird系やViceRegent系といったスピードの持続力に富んだ米国血統も外せない。
 過去10年で馬券に絡んだ馬はほとんどがMr.Prospector系か、父系または母系が米国血統の馬ばかり。
 血統ではその点を重視していきたい。

【実績・年齢】
 最も複勝率が高いのは前走が香港のレースに出走した馬だ。去年も香港スプリントを勝利したダノンスマッシュが高松宮記念を制している。
 次いでシルクロードステークスと阪急杯を勝利してきた馬。いずれも半数が馬券に絡むか連対するなど、前哨戦勝利馬は軽視できない。
 オーシャンステークス勝利馬は過去10年で馬券に絡んでいない。
 年齢では5歳馬が最高の5勝で次は4歳馬と、年齢で言えばある意味順当な結果に。7歳以上で勝利したのは1頭のみ、その1頭も香港から遠征してきたエアロヴェロシティであり、JRA所属の7歳以上の馬は馬券に絡めていない。高齢になり、スピード勝負は分が悪くなるか。

 以上の点を基準に候補馬をピックアップしていく。
 例のごとく評価は
 A:本命級で連対は固い
 B:実力的に馬券内に食い込む可能性が高い
 C:馬券に絡むのは少し難しい
 としていく。

〇1枠1番 サリオス 前走:香港マイル 3着 評価:C
 コントレイルのライバルとしてクラシック路線を湧かせたが、古馬を相手にしてからは接戦とは言えない戦績となっている。前走こそ香港マイルで3着と力を見せたが、今回はさらに距離を短縮してスプリント路線に。
 ハーツクライ産駒、母は独オークス馬で近親にはサラキアなど、中距離傾向が強い血統。この舞台に対する適性には不安が多く残る。
 大型馬が有利なレースであり、サリオスも馬格があるため、向いてないことはないだろうが、今回は馬券外と判断したい。

〇3枠6番 サンライズオネスト 前走:阪急杯 3着 評価:B
 父はダイワメジャー、母父はジャングルポケット。ダイワメジャー×GreySovereign系は2014年の高松宮記念を制したコパノリチャードと同じ。調教でも栗東坂路で50秒台を連発するなど坂を駆け上がるパワーは文句なし。
 前走は好位につけて渋とく粘った。今回は距離短縮となる1200mであり、時計がかかれば馬券に残る可能性は充分あるだろう。

〇4枠7番 レシステンシア 前走:香港スプリント 2着 評価:A
 父はダイワメジャー。母父はDanzig系でスピードとパワーの適性は高い印象。母系にはSadler’s Wellsも入っており、瞬発力が試される東京芝1600mや阪神芝1600mよりは今回のようなコースが向いている。
 実績も去年の秋からスプリントに専念した結果、セントウルS1着、スプリンターズS2着、香港スプリント2着と文句なしの堂々たる成績。
 馬格も牝馬ながら500kg近くで今回こそはと陣営も気合が入っていることだろう。
 実績、適性共に最上位といえる。今回はA評価で。

〇4枠8番 ジャンダルム 前走:オーシャンステークス 1着 評価:C
 母は2003年の高松宮記念を制した名スプリンター、ビリーヴ。父はエクリプス賞最優秀芝牡馬を獲得したKiteen's joy。この種牡馬はSadler's Wells系で、欧米で幅広く活躍馬を送り出しており、北米の芝リーディングサイアーを獲得した経験もある。日本では他にダッシングブレイズが重賞を勝利している。
 晩成型優位のSadler's Wellsの血の影響か、2歳シーズンから活躍していたにもかかわらず、7歳になった現在もまだ重賞で戦えるところを前走のオーシャンステークスで見せた。
 しかし今回は低評価。オーシャンステークス組の戦績が良くないことや7歳という年齢だけでなく、ジャンダルムが成績を残した芝1200mのレースは1.08を切る走破タイムをたたき出していた。それ以外では馬券を外している。
 高松宮記念で過去10年でレースタイムが1.08を切ったのは2回。レース前日は雨予報で完全な良馬場にはならない他、ハイペースで引っ張る馬もいないことから速いタイムにはならないと予想。
 その点で今回は見送り。

〇5枠9番 ロータスランド 前走:京都牝馬ステークス 1着 評価:B
 マル外の牝馬でここまで大半がマイル前後の距離を使われてきた。スプリント戦は初挑戦となる。
 Roberto系と米国血統の牝馬で前走は過去最高体重としながら勝利。スプリンター的なパワーは兼ね備えている印象。
 この馬は距離を短縮して望んだ重賞はいずれも勝利しており、前走でも京都牝馬ステークスを勝利している。
 ポジションも2番手でレースを進めていることから初のスプリント戦の適応も可能だろう。
 紐には入れておきたい存在。

〇6枠11番 クリノガウディー 前走:阪急杯 14着 評価:A
 スクリーンヒーローの子で母父系はHalo系。母父父はDevil’s Bagで馬券に絡んだ経験のあるストレイトガールと同じ。
 2020年は1位入線をしながらも降着となってしまったが、中京芝コースの戦績は抜群。近走は2桁着順が続いているがいずれも阪神コースで度外視していい。
 ここで一発、穴を開ける可能性は高いと見ている。
 どちらかというと時計がかかって欲しいタイプ。

〇7枠14番 ダイアトニック 前走:阪急杯 1着 評価:C
 ロードカナロアの子供で母父はサンデーサイレンス。1200~1400mで好成績を残していたが、不振に陥ってからはマイルを経由し、得意の1400mで復活勝利をした。
 血統、実績ともに文句なし。調教もタイムは出ており、復活したといっても過言ではない。
 しかし今年で7歳。正直馬券に絡む可能性は高いとみているが、これまでのデータに従い、7歳以上は素直に馬券対象から外してみることに。
 こういう時の岩田康誠ジョッキーは怖いが、果たして。

〇8枠17番 メイケイエール 前走:シルクロードステークス 1着 評価:B
 父はミッキーアイル。2回高松宮記念で馬券に絡んだ経験がある。素質は短距離からマイル向きなのだろうが、それ以上にまともに競馬ができないほどの気性が超がつくほどの不安要素がある。
 しかし素質は抜群。前走も前半はかかり気味になりつつも直線はあっさり抜け出した。近走は徐々に競馬を覚えて落ち着きを(少しだけ)見せるようになった。
 枠はこの馬にとっては最高の外枠。前日からの雨で馬場がやや湿ると考えると、チャンスは大きい。
 ただ確実性という面では不安があり、B評価に。
 勝利しても驚きはしないが……。

〇8枠16番 グレナディアガーズ 前走:阪神カップ 1着 評価:B
 父は欧州最強と評されるFrankelで母系は米国血統のダンチヒ。スピードとパワーに優れたタイプでパワー型のマイラーというイメージ。
 血統的にスプリント路線は少し短い印象。前走も後方からの競馬だった。
 しかしこの馬は前で競馬をしていた実績もあり、その点は鞍上の判断しだいだろう。高松宮記念で最多勝利数を誇る福永祐一ジョッキーなのは心強い。
 調教タイムは抜群でここに来て久々のGI勝利を飾る可能性は充分考えられる。馬券からは外せない。
 大外枠なのは少し怖い。その点で若干評価マイナス。もう少し内側ならA評価で本命にまで推す可能性はあった。

 以上を想定し、予想印は

◎レシステンシア
〇クリノガウディー
▲メイケイエール
△サンライズオネスト、ロータスランド、グレナディアガーズ

 とした。
 当日の馬場傾向もあり、直前まで判断は悩みたい。

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