2022年NHKマイルカップ 予想

 みなさんこんにちは。妖怪「回収率7.0%男」です。どれだけ恐ろしい呪物かというと1年間で10万円競馬に使ったら7000円しか残りません。
 回収率って低くて二桁あるもんなんやけど、なんで?
 こっちが聞きたいわ。
 というわけで荒れるに荒れることで有名なGⅠレース、NHKマイルカップが行われます。
 外国産馬のためのGⅠレースだったのは昔の話で、今は3歳最強マイラー決定戦となっています。
 大半の馬がダービーに行くとはいえ、やはりこのレースで活躍した馬はその後もマイル戦線で活躍するので、決して軽視できないレース。
 今年もどんなマイラーが飛び出すのか楽しみではある。
 例によってデータは過去10年のものを使用している。

【コース形態・ペース】
 NHKマイルカップだけでなくヴィクトリアマイル、安田記念が行われる東京芝1600mでの開催。向こう正面からスタートし、第3コーナーまでは約550mで直線が長い。そのため、ポジション争いは激しくならない。
 そのためスローペースになる、かと思いきや大半はミドルペースからハイペースになる。
 東京競馬場は第3コーナーが登り坂だがその後下り坂になり、直線へ入るためペースが緩まず、スピードだけでなくスタミナも要求される。

【枠順】
 大きな差はないが、8枠が意外なほど好成績。ポジション争いが激しくならないだけでなく、直線で外から差しやすいということでもあるか。
 大外枠からは穴馬が差し込んでくることも多々あり、外枠の馬の脚質には注意したいところ。

【血統】
 サンデーサイレンス系が最多だが、種牡馬となるとダイワメジャーが最多の3勝を挙げている。その他にはディープインパクトが2勝だが、サンデー系に限らず米国スピード型血統も好成績を残している。
 特に注目すべきなのが、Danzig系の血を持つ馬。
 サンデーサイレンス系×Danzig系の馬は度々好走しており、去年の勝利馬シュネルマイスターはサイアーラインがDanzig系の血統。2歳時からスピードを発揮できる仕上がりの早さがNHKマイルカップにマッチしているのだろう。

 以上を踏まえて予想していく。
 例によってランク分けは
 A:本命級で連対は固い
 B:実力的に馬券内に食い込む可能性が高い
 C:馬券に絡むのは少し難しい
 としていく。

〇1枠1番 マテンロウオリオン 前走:NZT 2着 評価:A
 前走のNZTでは中団から上がり最速で突っ込んでアタマ差の2着。前が逃げ残りやすい中山芝1600mでアタマ差まで並んだあたり、マイル適性は非常に高い。
 血統的にも父のダイワメジャーは過去10年で産駒がNHKマイルカップで3勝、重賞クラスでもマイルを中心に産駒を送り出しており、この舞台にぴったり。
 母父はキングカメハメハでKingmanboから続く欧州型Mr.Prospectorの系統。ダイワメジャー×Mr.prospector系はカレンブラックヒル(2012年1着、米国ミスプロ系)、アソマイヤマーズ(2019年1着、欧州ミスプロ系)と2勝している。
 これがニックスかといえば、ミスプロ系以外にもSadler’s Wells系やDanzig系など複数いることから、単にダイワメジャーの血統がNHKマイルカップに相性がいいのだろう。
 この馬自身はシンザン記念を見るに、先行型と思われるが前走では東京芝1600mを意識してか、第3コーナーでも手綱を引くなどあくまでトライアルとして臨んでいた。
 本番では充分勝利する可能性はある。
 NHKマイルカップに強い横山典弘騎手というだけでなく、昆厩舎との黄金コンビでもあり、期待は大きい。
 久々のGⅠ勝利は期待出来そう。

〇1枠2番 ソネットフレーズ 前走:デイリー杯2歳ステークス 2着 評価:C
 2歳からぶっつけ本番で臨む3歳牝馬。長期休養明けはイクイノックスが記憶に新しいが、少し事情が違う様子。脚部に不安などがあり、レース間隔を空けざるを得なかったと見える。
 デイリー杯で敗北した相手は今回も本命に推されそうなセリフォス。そこからどれだけ上積みがあるかといったところだが。
 父がエピファネイアで、エピファネイア産駒は東京芝1600mを得意としている。今年も出だしから順調。
 牝系はエアグルーヴに連なる一族で、正直距離はもう少し長い方がよさそう。マイルの展開にどこまで対応できるかといったところ。強調材料はあまりない。
 POG指名馬なのでこういうところで勝たれたら少し悲しい……。

〇2枠3番 ソリタリオ 前走:スプリングステークス 10着 評価:C
 父モーリスで母父はキングカメハメハ。母母母にフサイチエアデールがいて、クロノジェネシスやノームコアが出ている牝系。とはいえ、先行して粘りこむタイプの血統要素が強い印象で、NHKマイルカップには少し合わないか。
 前走は1800mで距離が長かったとして、左回りのマイルは2-3-0-0と勝ちきれないところを見るとそこまで力があるマイラーというわけでもないのか。
 モーリス産駒は東京芝1600mであまり好成績ともいえないのもあり、今回は切りで。

〇2枠4番 セリフォス 前走:朝日杯FS 2着 評価:A
 ダイワメジャー産駒で母父はLe Harve。Le HarveはC.ルメール騎手が騎乗し、フランスのダービーであるジョッケクルブ賞を勝利している。
 ここまで4戦3勝2着1回と今回の出走メンバーで最も良績を残している。デイリー杯2歳ステークスは強い勝ち方で、朝日杯もそのまま勝利するかと思ったがドウデュースに屈した。そのドウデュースは皐月賞で3着。決して取りこぼしではなく、世代最強クラスのマイラーなのは間違いないだろう。
 中団からの差し脚を武器にしており、東京芝1600mでも切れ味を発揮できる。陣営はここを使ってから安田記念に挑むスタンスであり、それだけ自信があるということ。
 騎手もトップジョッキーの福永騎手を鞍上に据えるなど必勝の構え。
 ここは最有力と見た。

〇3枠5番 キングエルメス 前走:アーリントンカップ 3着 評価:C
 父はロードカナロア、母父はスペシャルウィーク。ロードカナロア産駒としてNHKマイルカップでは2019年、2着に飛び込んだケイデンスコールの激走が記憶に新しい。母父もサンデー系で通用しそうだが、この馬は先行して押し切るタイプ。
 ケイデンスコールはそれまでのレースで上がり最速を何度も叩きだしていたため、まったく同じとは言えない。
 東京芝1400mで重賞勝利経験はあるが、1400mと1600mでは傾向がガラリと変わる。そのため、タフなレースになる今回は少し苦しくなりそうで、今回は馬券からは外す。
 時々そのまま粘りこんでしまう馬もいるのが怖いところだが。

〇4枠7番 タイセイディバイン 前走:アーリントンカップ 2着 評価:C
 ルーラーシップ産駒で母父ダンスインザダークという中距離でよく走りそうな血統。デビューから数戦は2000mを使われており、適性がそちら向きと考えられていたようだが、1400m〜1600mに距離を短縮してから重賞で連続2着。母のダイワスピリットが1800~2000mで2勝しているが、母母のロンドンブリッジはファンタジーステークスの勝ち馬で桜花賞2着の実績がある。
 ロンドンブリッジの父ドクターデヴィアスは母父としてマイルの距離を中心に重賞勝ち馬を勝利する馬を送り出しており、欧州で活躍できるステイヤーの血がパワーを伝えて日本ではマイルで適性を見せている。
 そう考えると母系統の血が色濃く出ており、稍重のファルコンステークスでは中団からじわじわと伸びてきた。
 アーリントンカップでは好位につけて一旦は抜け出すも最後ダノンスコーピオンにかわされた。他馬に並んだときはジリジリと伸びており、ダノンスコーピオンの一瞬の切れ味に屈した感じだ。
 さすがにGⅠとなるとスピードが足りない予感。馬群の中からじわっと伸びてきそうな気配もあるが、今回は切りで。

〇4枠8番 アルーリングウェイ 前走:桜花賞 6着 評価:B
 前走の桜花賞では良いポジションにつけていたが、後傾ラップの瞬発力勝負となり、相性が悪かった。また、スターズオンアースと接触したのもあり、不利がある中で勝ち馬と0.2秒差はそんなに悪い結果ではない。
 血統的にはジャスタウェイがハーツクライにスピードが優れるNearctic系が入り、父よりはマイラー志向になった馬。そのジャスタウェイがさらに米国スピード型血統の牝馬と配合されることで、スタートしてからの加速力とスピードの持続力が優れた本馬を構成している。
 比較的消耗戦になりやすいNHKマイルカップは桜花賞より合っている。
 見限るには早いといえるだろう。
 今回は紐に入れる。

〇6枠11番 インダストリア 前走:ディープインパクト記念 5着 評価:C
 父はリオンディーズ。新種牡馬として順調なスタートを切っており、これからも有力な産駒を送り出してくれそうな予感。半兄のエピファネイアも好調で、シーザリオ産駒は種牡馬としても優秀なのか。
 そのリオンディーズ産駒だが、距離適性は万能なものの、東京芝1600mをかなり苦手としている。
 弥生賞では内先行有利な馬場を外後方を走り、外を回されながらも5着で能力はある。しかし名手ダミアン・レーンが騎乗するのもあり、人気が過剰な気も……。
 瞬発力勝負になる舞台の方が合ってそうで、あと1ハロンの延長が欲しいところ。

〇7枠13番 ジャングロ 前走:NZT 1着 評価:C
 今回ハナを切って逃げることが予想される馬。濃厚な米国血統といった様子で、父父のサザンヘイローはダートかつ高速馬場のアルゼンチンのリーディングサイアー。スピード能力でハナを奪い、そのまま押し切るタイプで、NZTこそラップタイム12秒台を2回入れて勝利。
 本質的には短距離馬だろう。NHKマイルカップで12秒台のラップまで落とし込むのは難しいと思われ、流石にこの舞台では厳しい。

〇7枠14番 フォラブリューテ 前走:桜花賞 14着 評価:B
 東京芝1600mを得意とするエピファネイアの産駒で母はマイルCS勝ち馬のブルーメンブラット。前走は出負けして最後方を進み、そのまま終戦。正直不完全燃焼といったところで、内先行有利の馬場だった桜花賞よりは今回の舞台の方が力を発揮できそう。
 問題はゲートだが、今の東京の芝コースは後ろからでも十分届く馬場。流石に最後方では厳しいが、五分にスタートを決めて中団でレースを進められれば。

〇8枠16番 プルパレイ 前走:ファルコンステークス 1着 評価:B
 イスラボニータ産駒で前走ファルコンステークスは直線内から抜け出して勝利。
 デビューしてからは逃げていたが、3歳になってからは後方からの競馬を続けて良績を残している。朝日杯FSを先行し、前走ファルコンステークスでもハイペースの厳しい流れを経験した。
 東京芝1600mへの対応は可能。2年連続でファルコンステークス連対した馬が馬券に絡んでおり、紐から外すには怖い存在。

〇8枠18番 ダノンスコーピオン 前走:アーリントンカップ 1着 評価:B
 父はロードカナロアで母系はSadler's Wellsの血を引いている。いわゆる距離延長もいけるロードカナロア産駒タイプといった感じ。
 この馬自身は共同通信杯で大敗するも立て直してアーリントンカップで1着。スローペースながら末脚を発揮して勝利しており、共同通信杯の敗北は状態が悪かったものとして扱ってよさそう。
 左回りや輸送による影響ではなかった、と断言できないため、少し評価を下げたが流石に紐からは外せない。注意が必要な馬だ。

 以上を踏まえて予想印は

◎セリフォス
〇マテンロウオリオン
▲アルーリングウェイ
△プルパレイ
△ダノンスコーピオン
☆フォラブリューテ

 完全な上位決着または全頭大穴という結果ではなく、人気馬が穴馬を連れてくる結果になると予想。それも踏まえて馬券は連複系を買おうと画策中。
 そろそろ当てたい。

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