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2024/05/20 牧野記念庭園にて

5/19、大泉学園にある牧野記念庭園へ行った。

牧野博士にも庭園にも興味はあるが、この日、訪れた目的は牧野博士が採取した植物の標本を被写体に、菅原一剛さんが世界最高水準の1億5千万画素のカメラで高精細に撮影した写真を拝見し、それに合わせて開催されるワークショップに参加するためである。

抽選に当たり、ワークショップに参加させてもらったのは8名。楽しみに出かけた。庭園の植物をただふつうに撮るのではなく、用意された黒いボードを背景にして、カメラの絞り値を「8」、露出を「マイナス2」程度で撮るというものだった。その理由は、背景を黒に、そして被写界深度を深くすることで、植物の本来の美しさをしっかりと写し撮るためである。

あるがままに美しく撮るのは写真本来の目的ではあるが、ふつうはそこへ自分の感情を写し込む。だが今回は、それはちょっと置いておくということのようだった。

庭園に咲いている状態で植物をそのように撮るのはとても難しい。牧野博士とて、採集して押し花にしている。菅原氏の写真も、その押し花を撮っている。本来、庭園の植物にはやたらと触ってはいけないのだろうが、今回は黒いボードを当て、そっと茎を抑える程度なら構わないということのようであった。

ひとりでボードを支え、カメラを構えるのは無理なので二人ひと組となって撮影した。それでも難しい。しかも、植物に対してボードがやや小ぶりだった。ボードから植物がはみ出て、どうにも収まらない。

ボード上に植物を収めることに気を取られ、他の人がどう感じたかはわからないが、私は植物の美しさを観察するという最初の目的が疎かになってしまった。被写体を美しく写真に収めるには構図も気になるが、自然に咲いている植物を無理やり曲げてボード上に配置するわけにはいかない。だんだん嫌になってきた。

申し訳ないが、後半は、ボードを使わずに普通に撮ってしまった(笑)。

家に帰ってきて、県内図書館横断検索で調べたところ、牧野博士の標本を撮影した菅原氏の写真集「MAKINO植物の肖像」が見つかった。貸し出してもらい、ゆっくり拝見しようと思う。牧野博士と菅原氏の植物に対する愛を、私も感じたい。

記念庭園には、愛する妻、すえこさんの名を付けた「スエコザサ」に包まれた幸せそうな牧野博士の銅像があった。

牧野博士自身が植えたとされる樹齢約90年といわれる大きなダイオウマツを見上げると、松ぼっくりがひとつ見つかった。



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