2024/09/30 哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方
いったい誰の人生ですか?
同じ生きるんなら、一生懸命楽しまんと損です
先日、たまたま「ナゼそこ?」というテレビ番組を見た。石井哲代さんという笑顔の素敵な104歳の女性が登場した。
彼女の日々の暮らしを綴った『102歳、一人暮らし。』『103歳、名言だらけ。』という2冊の本が地元図書館にあったので早速借りてきて、いっきに読んだ。
特に名をなしたわけではないが、普通のおばあちゃんのようで、普通ではないスゴイ人だ。
自分が高齢者となり、歳をとった人の心の内を知りたいと思うようになった。身近に自分の母がいたが、すこしおかしなことを言い出しても、私はそうだねぇと相槌を打つだけだった。親の心の内に踏み込むことは出来なかった。
少し前に読んだ『九十歳。何がめでたい』を書いた佐藤愛子さんのような著名人の生き方は、とても真似できない。
石井哲代さんは、普通の人だ。私にも理解できるかもしれない、これからの生き方の参考になるかもしれないと思った。
大事なのは、ひとことで言えば、「自律」した暮らしを貫き通すこと。
「自律」とは、自分で自分をコントロールすること。自分で自分にハッパをかけ、自分自身を励ます名人になって、心の中の弱気の虫を追い払う。やることを決めて、毎日同じように繰り返し、余計なことを考える隙間をなくす。
年寄りになると受け身になりがちだが、誰かに何かをやってもらうのが当たり前と思わず、精いっぱい生きていこうという覚悟を持つ。出来ないことは上手に人に頼り、こだわるのは「自立」というより「自律」した暮らしだ。
本には、哲代さんのこれまでの人生についても書かれている。子供を産むことの出来なった農家の嫁という苦しい立場、老いた姑の世話、人づきあいのよすぎる夫、そのうえ、小学校の先生という仕事もしていた。さまざまな苦労があったようだが、その生き様が人への思いやりを生み出しのであろう。
ニコニコした可愛いおばあちゃんだが、その表情の下にあるのは、自分を律する強い心と聡明な頭脳。簡単に真似はできないが、手本にしたい。
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