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2024/05/30 安友志乃さんの言葉 3

安友志乃著『撮る人へ』の最後のほうには濃い内容が書かれている。うまくまとめられないし、まとめると間違った私の主観が入るかもしれないので、引用にする。

美術史のはじまりは原始美術です。

安友志乃著『撮る人へ』

原始の人々にとって最大の関心事は狩猟、獲物の繁殖、子孫の繁栄でしたが、その祈りの気持ちを込めて描かれた壁画や石の建造物を美術史は美術のはじまりとして包括しています。祈りの気持ちが美術の始まりである、と美術史は示しているわけです。これこそ人間の英知です。

安友志乃著『撮る人へ』

ここを読んだ時、縄文土器を思い出した。実用品であれば不必要と思われる、あの美しい紋様や装飾は何を意味するのか。如何ともし難い自然への畏怖と祈りだったのであろう。まさに人間の原点である。

コンセプトのある作品、ない作品、よくこんな言い回しもされますが、(略)あなた自身に「人間としての本質を捉える思考の形式、および、人生を貫く基本的な考え方、視点」がある否か、という問題なのです。

安友志乃著『撮る人へ』

考えを構築していく知性、深い情緒、そしてその二つを寄り合わせた豊かな表現力を具体的なかたちにするための技術、この三つを束ねあげる力、このどれ一つ欠けても作品にはならない。

安友志乃著『撮る人へ』

発表する、作品(つまり自分)を人前にさらけ出す、ということは、原始から人が持っている衝動です。

安友志乃著『撮る人へ』

写真史、つまりカメラの発明について振り返ってみたくなった。なんと、安友志乃さんが『写真のはじまり物語』という本を出している。さっそく図書館で借りてきた。これまで読んだ2冊とは、ずいぶんと趣が違う本だ。

『撮る人へ』には、「道具(文明)や集団の形態(社会構造)の変化に伴って、それら全てから影響を受け、その時代にふさわしい美術行為を人は行う」と書かれている。

次の本を読み進めてみようと思う。


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