リンゴの木 ヴァルターフレミング

細胞周期の発見(1953年)以前に話をもどそう。
細胞が増えるときには、一つの細胞が二つになる。この細胞分裂について、
19世紀の後半に非常に詳細な観察をおこなった人がいた。ヴァルターフレミングである。
ヴァルタ―フレミング(Walther Flemming)は1843年にドイツのザクセンベルクに生まれた。普仏戦争に出征後、1873年よりプラハ大学で教鞭をとり、1876年よりはキール大学にうつった。彼は、コールタールより分離された染色剤である、アニリンを用いて細胞染色をおこなった。
彼が選んだ細胞は、 イモリ( fire salamander )胎児である。この種は核が大きいというのが理由であった。切片にして観察したようであるが、アニリンで染色した時点で細胞が死ぬと考えられるので、いくつもの像をとって、その時間経過を追ったものと考えられる。

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