プリキュアだって辛いことは嫌だ|ヒーリングッドプリキュア42話「のどかの選択!守らなきゃいけないもの」

裏切られたわ。ダルイゼンを助けることを選ぶと思い込んどった。。
癒すことを使命としたプリキュアが、(これまで敵対関係にあったとはいえ)キングビョーゲンという巨悪の前に傷ついたダルイゼンを突き放す選択をするとは思ってなかった。

42話を見た後は「そりゃそうだよな。これしかないよな。」と思う説得力のある選択なんだけど、見る前にこれを予想することは出来なかった。こういう時にシナリオ力を感じてグッとくるわ。

ダルイゼンは小さい頃の主人公(のどか)に寄生して、のどかを苦しめていた張本人なんよね。でも、ここでダルイゼンを許して和解する、ダルイゼンとのどかが共闘してキングビョーゲンを倒す。っていうシナリオやと思いこんどった。
一度間違ったことをした奴相手でも、ちゃんと仲直りできる強さ、的な“正しい“価値観を持ったもんがプリキュアとして描かれると安易に思っとった。

でも、今の価値観は違うわ。自分に嫌なことをした相手を許す必要なんかない。嫌なことをした奴の言うことは断っていい。何より大切なんは“自分自身”や。そんなことを教えてくれる回やった。
具体的な話に落とし込むとすると、、、やな。
昔自分をいじめてた同級生が今でも憎い。でも、そんな昔のことで今でも憎しみを抱いているそんな自分が嫌だ。みたいな人がおったとする。
今までのヒロイン像からいけば「許すことが強さやから、許していこうぜ!」になるはずやねんけど、今回のプリキュアは「許す必要ないで。あんたのことを傷つけた奴の言うことなんか気にすんな。あんたはあんたでかけがえのない存在やで!」と言ってくれるんよね。
「みんな仲良く」的な道徳の標語は理想的ではあるけど、現実的ではないんよ。っていうことを語っとるわけよ。道徳の授業なんか、毎週プリキュア見せとけばええんやないやろか?時代の価値観に合わせて内容更新してくれるし。

コロナで再放送が続いたから気持ちもダレてしもうて、娘もわいもヒープリを見たり見なかったりって感じやったけど、これにはやられたわ。こっから最終回まで目が離せんわ。

42話の内容から話がそれたけど、話の筋を補足すると、のどかに拒否されたダルイゼンは、キングビョーゲンに吸収されたんよね。
わいの予想では、ここからキングビョーゲンとプリキュアの戦いの中で、キングビョーゲンに取り込まれたダルイゼンが改心してキングビョーゲンを止めるはずや。で、ダルイゼンともどもキングビョーゲンを浄化してendやな。

一度拒否した相手が、拒否したことによって自分のしてきたことの重大さに気付き、改心する。その改心のタイミングで、のどかも病だった過去の自分を肯定できるようになる。そんな希望を持たせたエンディングになるはずや。
相手の行動はコントロール出来んから、もちろん現実ではそんな上手くいくことはめったにない。でも、のどかの取るべき行動としては、ヤな奴は拒否。改心したら許す(そして許すことによって自己肯定できる)。であることには変わりない。娘には、自分を適切に愛する術をプリキュアから学んでほしいもんやわ。

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