ダイハードオタク話: オクラホマステイト大学

メイソン・コックス(2011-14)

メイソン・コックス(Mason Cox)は異色の経歴を持つ卒業生だ。コックスは211㎝の長身ながら大学入学時までバスケットボールを本格的にプレーしてはいなかった。OSUへの入学も単純にエンジニアリングを学ぶためだった。

しかし、大学入学後、コックスはキャンパス内のピックアップゲームに参加する中で次第にバスケットボールにのめりこんでいった。その後、女子バスケ部のスカウトスタッフに加入し、相手チームのスカウティングの手伝い等をこなしつつ、時にはライバル校のブリトニー・グライナー(現WNBAスター選手)役もこなしていた。

当然ながら211㎝のビッグマンがキャンパス内で目立たないはずが無く、コックスの存在は当時の男子バスケ部HCトラビス・フォードの目にも留まり、程なくしてコックスは初心者ながらNCAA D1のパワーカンファレンス校男子バスケ部の一員となった。

しかし、いくらサイズに恵まれているとは言え、高校時代に全米各州のトッププレーヤー達ばかりのオクラホマステイト大学で主力の座を勝ち取るには壁が厚すぎた。

また、コックス自身も最優先しているのはエンジニアリングの勉強だった。そのため、通算成績は3年間で合計24試合の出場に留まった。

しかし、コックスのサイズはまたもや目を付けられた。今度はオーストラリアン・フットボール・リーグ(AFL)だ。オーストラリアンフットボールはオーストラリア独自のスポーツなのだが、未経験でも身体能力さえあればパフォーマンスを発揮できるため、AFLはアメリカで挫折したアメリカンフットボール選手や野球選手を招待した新人発掘の練習会を行っているのだ。コックスはコンバインに招待された。

そして、2014年のAFLドラフトでコックスは現在のコリングウッドに指名された。

ケイド・カニングハムのデコミット騒動

入学直前、ケイド・カニンガムがデコミット(OSUへの入学を取止め)の可能性が浮上した。理由は先述した「OSUへの制裁」と「Gリーグのイグナイトの設立」だ。


GリーグのイグナイトはNBAプロスペクトを集めたチームだ。現在、NBAドラフトのエントリーには「高校卒業後1年間の経過」or「ドラフトされた年内中に19歳になる」という条件がある。つまり、NBAプロスペクト達は高校卒業後に1年間を何らかの形で過ごさなければならないのだが、昨今、NBAプロスペクト達がアメリカ国内の大学へ進学するのでは無く、海外のプロリーグや自主トレーニング等の方法を開拓し始めたため、NBAのスカウティング等の負担が大きくなってきていた。イグナイトはこの状況を打開するために自らの手でNBAプロスペクトを育成する場として新設された。


そして、設立発表後、アイザイア・トッドとディショーン・ニックスが相次いで自身のコミット(前者はミシガン大学、後者はUCLA)を撤回してイグナイトへの加入を発表した。故に、NCAAトーナメント出場が閉ざされたカニンガムは尚更OSUへの入学意思を変更すると思われていたのだ。


しかし、6月、カニンガムは自身のSNS上で2020-21はオクラホマステイト大学でプレーすることを発表した。

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