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無題

一筋の光が消えてしまった。淡く優しい灯火。それだけが私の生きる支えだった。それを失った今。道が見えなくなってしまった。何も見えない。月の明かりすらない。手探りで前に進むのも恐怖でしかない。もっと若ければ頑張れたかもしれない。でも、もう無理。いっそ消えてしまいたい。何のしがらみもなく。頼りにしている手網だけは今離せない。頑張って引き上げて。あと少しだけ頑張ればもう頑張らなくて済む。もういいんだ。自由になれるんだ。囲いからも重い鎖からも生という十字架からも開放される。新たな未知の世界に。そこには私というものは存在するのだろうか。ここに居るけど居ないような存在が無いものとされる世界ではないだろうか。また一筋の光を掴むことになるのだろうか。それならもういい。何物でもない。生まれ変わりもしないでいい。
お願いです。解放してください。私から。存在すらしてない私から…