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彷徨う

また夜が来た。暗く寂しい1人の夜。長く長く眠れない夜。どこにも行けない。行く場所すらない。何も出来ない私には居場所すらない。まだ雨風が凌げるこの屋根の下に居られる幸せを感じなければならない。
呟いても呟いても無反応な小さな箱の中。ここにも私のいる所はない。居場所って何?私って何?存在してる?目に見えてる?ここに居るよ。早く見つけて。暗い暗い場所に、座ってる。
ひたすら待っても誰もこない。
ああ。私って形がないのかも。
存在してないんだ。
辛く当られる時だけ存在する。
そういう物なんだ。
誰が来るまでの代わりになる物。
私の意識や考えなんて要らない。
ただの形ある物。
言葉や動きなんていらない。
人かたちをした物。
要らなくなったら捨てられる
そういう物。
明るい時は見えてても。
暗くなると見えない。
そういう物なんだ。
じゃあ、考えることすら必要ない。
発する言葉も要らない。
ただの無機質な物なのだから。