矢部潤子『本を売る技術』

眺めているだけでも楽しいので本屋にはよく行くが、眺めていた本棚に書店員さんの工夫がこんなに詰まっているとは知らなかった。本棚への本の差し方、平台での積み方など、言われてみると確かにそうなっているなというものが沢山あった。平台に積んである本が何冊か毎に向きを変えられているのはなぜだろうとか、本屋でなんとなく気になっていたことにもちゃんと理由があってそうなっているのだということがよくわかった。

各章の間に「補講」というコラムが入っている。本の流通の仕組みなどが丁寧に解説されていて、とても面白かった。

お店毎にやり方や方針は様々だろうから、どこのお店もこの本で書いてあったように売り場を作っているわけではないだろう。この本にあった作り方と何が同じで何が違うのか、そして違うのであればそこにどういう意図があるのか。書店に行って見てみたいと思う。書店に行く楽しみを増やしてくれる面白い本だった。

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