池上彰『わかりやすく〈伝える〉技術』

もっと早く読んでおけばよかった。私がテレビで見てきたのは色々な番組でニュースを解説している池上さんだった。元々頭が良くて話したり説明したりするのが上手な人なんだろうと思っていたが、どうすれば相手にわかりやすく伝えることができるのか、工夫し続けた結果が今の池上さんなのだということがわかった。

簡単にできることではないが、最初の一文(リード)で話す内容の全体像を提示することが大事だというのはよく聞く。この意識は他人の話を聞くときにも大事だという。リードを考えながら話を聞いたり、意識しながらインタビューしたりする。こうすることで内容をまとめやすくなるし、理解も容易になる。

「接続詞はいらない」というのは耳が痛かった。接続詞を用いなくても論理的な文章は書ける。接続詞を多用すると非論理的な文章もそれっぽく繋ぐことができてしまう。それっぽく繋がった文章を見ると、論理的な文章を書くことができているような気になってしまう。私もこういう勘違いをしていた。自分の考えを論理的にアウトプットできないのを、接続詞を多用して誤魔化してきた。これからはなるべく接続詞を使わず、本当に論理的でわかりやすい文章を目指していきたい。

この本全体のわかりやすい文章が、池上さんの「わかりやすく〈伝える〉伝える技術」の高さを示していると思う。自分の考えをこんな風に人に伝えることができるようになりたい。

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