ロッシェル・カップ/大野和基『英語の品格』

「英語はストレートで、大雑把な言語だ」と思っている人は多いと思う。学校でそう言われたのか、別の場所で聞いたのか、はっきりとはわからないがとにかくなんとなくそんなイメージを持っていた。

そんな偏見を真っ向から否定している本だった。様々なシチュエーションを想定し、それに応じた例文をいくつも紹介してくれているので、「品のある」英語を使いこなすことで、微妙なニュアンスも表現できるということがよくわかった。

本屋でよく見る「三単語で伝わる」や「中学英語で十分」といった売り文句への疑念が確かなものになった。英語学習の入り口としてはこれらの本で勉強してみるのも良いのかもしれないが、私は「品のある」英語を身につけたい。日本語でも英語でも、ボキャブラリーが豊富で、それを使い熟している人はかっこいいと思う。とてつもない時間と労力が必要になるだろうが、この本を読んで地道に頑張りたいと思えた。

日本語と英語のどちらが繊細かとかは競っても仕方ないことだと思うのでどうでもいいが、それぞれの言語に傾向や価値観みたいなものはあって、話者の内面はともかく、内面の表現はそれによって少なからず規定されていると思う。この本を読んでぼんやりとそんなことも思った。他の言語を勉強すると、自分にない価値観みたいなものを感じられる時があって、それが面白いと思う。

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