クリスマスだから(変な)本を読もう

日本の作家の読書日記より

……さる作家さんの読書日記では、「クリスマスだから(変な)短篇」を紹介しておられました。
クリスマスにまつわる短篇。
欧米の小説家、ディケンズの「クリスマス・キャロル」ですとか、いろいろと。
で、なぜか、ドストエフスキーの「罪と罰」が出てきました。
いえ、「『罪と罰』を読まない」という、ワケわからん本。
ドストエフスキーの小説を読まないで、想像してみる、みたいな内容らしい。

で、これはあかん、日本の文化人は、いまどき、ドストエフスキーも読まんのかいな。お~い! …と、アホを軽蔑しかけていたところ、アマゾンのカスタマーレビューでも、同様の意見を目にした。

その昔、いやしくも「作家」たるもの、『罪と罰』どころか、ドストエフスキーの全作品を読んでいてあたりまえだった。その主だった作を、読んでないと知れただけでも、知性を疑われたものである。…(中略)…この4人は、物笑いの標的に、自らなってしまった(笑)。もう後へは退けない。企画上、「仕事として」読んだのでしょうが、それが、仕事? これにも呆れるばかりである。日本は、亡びる……かも。(Amazon.co.jpカスタマーレビュー、投稿日 2015/12/16)

逆に、このアホな本に好感を抱くおバカさんも、レビューを公開している。

「週刊文春に池澤夏樹さんが紹介されているのを読み、東京新聞の大波小波にも書かれていたので、さっそく購入しました。」(Amazon.co.jpカスタマーレビュー、投稿日 2015/12/17)

上述の「週刊文春に池澤夏樹さんが紹介されているのを読み」、わたしも、バカな自分を思い知った。というか、この作家さんが紹介している短篇のうち、知っている作品は、なんと、ディケンズとドストエフスキーだけ、であった……

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