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#しょうゆを返して

 奇跡が起きて、しょうゆが私の元に帰って来られますように。心が引き裂かれるよう😢早く戻って来て、恋しいよ、心配してるよ‥

  昨年8月に「プローイ」さんの彼氏は彼女に一匹の子猫を誕生日プレゼントとして渡した。二人はナコンパトムからバンコクへと出かけ、そこで購入したものである。

 彼女はその3ヶ月のスコティッシュフォールドの雄の子猫を「しょうゆ」と名付け、24時間エアコンを効かせた、密閉された空間でしょうゆを愛情いっぱいに育てた。

 今年5月3日、彼氏に勤務先に迎えに来てもらった後に帰宅すると、しょうゆがいないことに気づいた。町内中、探し周り、貼り紙を出したり、SNSに投稿したりして、あらゆる手段を使って探したがしょうゆの手がかりを掴む事は出来なかった。

 彼氏もプローイさんを手伝って一緒に探してくれ、「そのうち戻って来るよ。」と彼女を慰めた。数日経ってもプローイさんの悲しみは消える事はなかった。彼は「もしも親切な人に拾われ、飼われていたらしょうゆは幸せだよ。」と言った。

 1ヶ月程が過ぎても、プローイさんはしょうゆを思い、尚も探し続けていた、6月8日までは。その日、プローイさんは彼氏のFacebookのパスワードを教えてもらい、ログインすると‥彼氏が消去し忘れた、猫を譲り手を探している、という文があったのだ。何名かの人から問い合わせがあり、彼は値段としょうゆの写真を送信していた。

 ร่วมเดือน 1ヶ月ちょっと

 プローイさんはしょうゆを購入した人物と彼とのやり取りを見つけた。購入者は「トゥーン」で、購入額は13,000バーツ。彼女のアカウントにアクセスしてみると、5月の2日に「可愛いボクちゃんのしょうゆ、ようこそ、我が家へ。甘えん坊ね。あー、虜になっちゃう。」と言うキャプションと共にしょうゆの写真が投稿されていた。彼女も「しょうゆ」と言う名前を使用していた。

 プローイさんは彼氏のアカウントからトゥーンにメッセージを入れたが、返答はなく、彼女に電話をし、全てを話した。「そちらに伺うので、20000バーツでしょうゆを買い戻したい。」と言うお願いと共に。しかし彼女はそれを拒否した。

 プローイさんは彼氏に「しょうゆを取り戻す方法はただ一つ。彼女を法的に訴えることしかない。」と伝えた。彼氏はトゥーンの所に行き、しょうゆを返してくれるように頼んだが、彼女からの返答は「返さない。訴えるならどうぞ。取引は終わっているのに、今さら何故?」と言うものだった。更に「気持ちをもてあそんで楽しいの?何か有れば先ずクリアしてよ。私自身は猫を手に入れ、もうこの取引は終了したと思っている。」と続けた。

 その後、プローイさんの彼氏とトゥーンの彼氏の両者の間で話し合いが行われ、トゥーンの彼氏は「彼女は自分が強奪した立場であると法的に見なされる状態になってから、しょうゆを返す話し合いが始まる、と考えてる。」と述べた。

 トゥーンと彼氏の言い分はこうである。「4月30日にしょうゆの購入金額を支払い、5月2日にナコンパトムの大手スーパービッグC前で引き取っている。金額としては市場価格として妥当である。しょうゆと1ヶ月一緒に暮らし、前の飼い主と変わらない位の愛情を感じている。私達に心ないコメントを寄せる者に対しては法的処置も辞さない。」と。

 最終的にプローイさんは証拠書類を持参と共に弁護士の所に相談に行っているが、警察署に常駐する弁護士の回答は「あなたは彼氏を訴える事は出来ない。と言うのも彼氏はあなたの家の鍵を持っていた。一方、しょうゆの購入者には、強奪した物を意図的に購入した訳ではないからだ。しょうゆは盗難品であるとは知らなかったからである。」弁護士はプローイさんには、しょうゆを返して、と言う権利はないと述べた。(プローイさんと弁護士の面談内容より引用)

 プローイさんの彼氏はこのようにマスコミのインタビューで述べている。「当時、自分は金銭的な問題を抱えており、こっそりとしょうゆを売ってしまった。今は深く反省している。購入者としょうゆの返却について交渉するつもりであったが、連絡が取れなくなってしまった。自分はしょうゆを彼女の誕生日プレゼントとして購入した事は事実だが、飼い主ではない。彼女が子猫の時から育てたのだ。」

 SNSでの意見は、飼えば情が湧くのは当たり前、と言う事で両者に同情が集まった。こんな事は誰に対しても起きるべきではない。非があるのはプローイさんの彼氏である。だが、「1年間ずっとしょうゆの世話をして来て、しょうゆがいなくなって、つらい思いをしてきたトゥーンさんにはしょうゆをプローイさんの元に返してあげて欲しい。」と言うのが大半の意見であった。

 ツィーターでは「#しょうゆを返して」というハッシュタグが生まれ、元の飼い主の所にしょうゆが戻りますように、プローイさんが法にのとって訴訟を起こせると言うアドバイスと共に7万件以上のツィートが流れた。

 

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