新米手配師の日常

通翻訳者として地道に活動してきた私がひょんなことからコーディネーター(手配師)に。
これまで見てきたのとは別の世界がそこに…そんな新米手配師が気づいたことを徒然なるままに書いてみます。

翻訳=通訳?

通翻訳業界の人にとっては通訳と翻訳は似て非なるものであることは当たり前かと思いますが、業界外ではどうもそうではないようです。
普段、言語に携わらない人にとってはどちらも別の言語に転換するという意味であり、大した違いはないのかもしれません。
もっとも、私も他の業界の細かな違いを認識せずに混同して使っていることもあるので、偉そうなことはいえないのですが..
通翻訳者として派遣されているときもこんなことがありました。
<その1>
「Aさん、これの通訳をお願いできます?」
(といって、書類を渡される。)
 (私:通訳でなく、翻訳のことね)
「承知しました。すぐに取り掛かります」
<その2>
(会議の席上で)
「これから言う文章を翻訳してもらえますか?」
(と言って口頭で発言される)
(私:ああ、通訳のことね)
「はい」(と通訳する)

こういった場合は通翻訳者が頭の中で「通訳」「翻訳」という言葉を変換して合わせればいいので、大きな問題にはならないのですが、手配となると、この違いが大きなトラブルになることがあります。
こんなことがありました。

<その3>
A 社(マスコミ):翻訳者1名の派遣をお願いします。
私:どういった内容でしょうか。
A社:動画の翻訳です。
私:現場で動画の音声を即座に翻訳して字幕に起こしていくということでしょうか。
A社:えっと、翻訳は口頭でお願いしたいです。
私:??(吹き替え?)その動画はどういった内容で、どのくらいの長さでしょうか。
A社:***さんの記者会見というかインタビューです。***のイベントの後、通路に出てこられます。そのときの***さんのしゃべっている内容をその場で翻訳して欲しいのです。
私:(動画じゃなくてライブ(生)?)ということは同時通訳者の派遣ということですね。
A社:そうなんです。昨日は他社さんにお願いしたのですが、来られた方が翻訳しかできないということで、対応できなかったのです..
私:(…なるほど)承知しました。手配しまして折り返し連絡しますね。

新米手配師の学んだこと
通訳=翻訳として使われることがあるので、ヒアリングは大事。

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