ゆめくろ虹色のウェディングロード 感想

ゆめくろの2022ジュンブライベントの物語構造があんまりにも美しすぎてびっくりしちゃったので、メモを残します。結婚と道と橋をこういうふうにつなげてくるのあまりに巧みの業すぎてびっっっっっくりしました。

イベストで重要な要素となるのが、車、ロード、虹です。
バンブルビーの実写映画とほぼ同じテクニックが今回のイベストでは使われています。
カリフォルニアに住んでいるチャーリーは父親の肩身であるシボレー・コルベットを修理して家を出ていくことを夢見ています。チャーリーが行きたいのは、サンフランシスコです。
サンフランシスコに行く=新しい世界に踏み出すためには、ゴールデン・ゲート・ブリッジ=橋を渡るための移動手段=車が必要になります。ちなみに車という移動手段を何らかのメタファーとして取り扱う話としては人のセックスを笑うな、があります。

80年代アメリカ西海岸の伝統的観光地が郷愁を誘う―トランスフォーマー最新作、映画『バンブルビー』イベレポ | 地球の歩き方 ニュース&レポート (arukikata.co.jp)

上記の記事では「映画ではしばしば橋が、”一歩を踏み出し新たな世界へと渡っていく”メタファーとして描かれます」という指摘があります。これと同じ理屈がウェディングロードでも使用されています。ちなみにユーリオンアイスでも橋が勇利の心境を象徴するメタファーとして使われていることがよくありました。ちなみにアナ雪2でも分かたれていた二つのコミュニティが、橋を移動することによって共存関係となることを示していたと思います。

新郎の家で眠っていたオールドカーがラグーンに修理されることによって生まれ変わるというのは、新しい車生(?)を始めるとも読み取れます。
その車がウェディングロードを行く=新郎新婦がこれまでとは全く違う人生を始める、新しい世界へ踏み出していく、という文脈ですね。
空に虹が架かる、というのは全く趣きが異なる二つのコミュニティ、魔術サイドと科学サイド(禁書目録読んでいる人にはわかると思います。)が手と手を取り合って、友好的な関係を築いていく証=まさに虹の架け橋ですよね。

イベストの構造があまりにセオリーに則っており、あまりに美しく、震えてしまいました……。
ちなみにですが、感謝のリボンに愛を束ねて、が象徴するものは執着と束縛です。このリボンはエマのほうから相手を縛るために使われます。
つまり相手から執着や束縛をされて喜ぶ男の図があるわけです。エミリオは特に顕著で、エマを自分の居場所だと言い切っています。
この文脈は魔道祖師の忘羨です。自由を愛する魏嬰は本当は孤独な人間であり、居場所を求めている。藍湛がプレイの中で抹額を使用して、魏嬰を縛ることにより、彼の傷や孤独を癒す構図が出来ている、という旨をTwitterで指摘されている方がいらっしゃいます。気になる方は検索してみてください。

本質的にはエミリオは孤独を抱えていて、それを癒してくれる相手を求めている=リボンで縛られることにより満たされる何かがあるという構図なのかなあと思っています。


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