ファンタビ3 感想

誰がファンタビ3で十二国記をやれと言った…………っ!?!?!?!?!? もう初っ端から麒麟云々、麒麟が叩頭した相手が云々で放心していた……蘇るトラウマの数々……。こちとら呪術廻戦の残穢が小野不由美の残穢であり、呪0の第1話サブタイが「呪いの子」=「魔性の子」であることに散々苦しめられているというのに、なぜファンタビ3でも十二国記文脈をぶち込まれたのでしょう。

完全に紛い物の麒麟を用意するとか月の影と白銀であり笑ってしまった……。グリンデルバルドが途中から阿選にしか見えなくなった。天意を試そうとして失敗するとかどこまでも阿選じゃないか……。なんで麒麟が主を選ぶシステムを採用したのか脚本家に聞きたい本当にびっくりしちゃったなあ…………。

十二国記って「死なないラインハルトがいたらどうなるか?」という小野不由美の思考実験のための箱庭なんですよね。そして十二国は試験官。一つ一つの国に最適な統治の仕方があって、そこから外れてしまうと国王は失道するのかなって思ったりしています。
たとえば農業が栄えている国では、国王の忍耐が必要とされる。輸出で栄えている国では、特産物をきちんと運用して輸出の手段を確立させる必要がある。などなど。

麒麟システムを採用するのは、まさに天意を問うこと。グリンデルバルドのやり方とダンブルドアのやり方、どちらが正しいかを見えざる神の手に委ねることでもあるんですよね……。

それはそれとしてジェイクイ結婚おめでとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!

幸せになってくれるって信じてたよおおおおおおおおおおおお!!!!
正直、血の誓いを破棄して殺し合う元親友たちを見せつけたあとに、結婚式の描写=永遠の愛を誓う文脈を入れ込んでくるファンタビ3の対比構造がえぐすぎて震えてました……すっっっごい残酷なことするじゃん……。

ジェイコブのお店に背中を向けて立ち去るときのダンブルドアの表情が本当に辛そうで悲しみにあふれていて辛かった……。でもグリンデルバルドが孤独に苦しむぞ!って呪いをかけたあとに、すかさずジェイコブに「友達のよしみで」って言わせるのもすごすぎた。ジェットコースターストーリーにもほどがあるんですよね!!!!!!
あそこでさらっとダンブルドアに「友達」っていえるジェイコブさん本当にすごすぎる。大好き。「無限のリヴァイアス」のルクスン艦長が大好きなオタクなので、ジェイコブさんも大好きなんだなあ……。

それから最後の最後にバンティが登場してすべてをかっさらっていく展開は、ネビル・ロングボトムと同じだなあと。
誰の敵にもならないような、誰にも注目されないような、善良で心根の優しい平凡な人物が、敵を倒すための最大の手札となる展開っておなじみですよね。
これは恐怖心ゆえに親友たちを裏切ったピーター・ペティグリューとの対比なのかなあとずっと思っています。ピーターのことがあるからこそ、作者のJ・K・Rや制作陣はネビルやバンティのようななんの取り柄もない、しかし真に勇気のある人物に活躍の場を与え、ピーターの間違いを否定しているのかなあと。

あとやっぱりゆらゆらするテセウスお兄ちゃん面白すぎた。爆笑をこらえるのが大変だった。吹き替え版を見てきたわけですけど、宮野の声で「ゆらゆら~、ゆらゆらして~」って言われるのほんっと腹筋崩壊にもほどがありました。あそこのシーン見るために2回目が見たい。最高。

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