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鹿が立ち入らない一角 ~ 菩提院大御堂 ~

ある日興福寺の小僧たちが習字の練習をしていると、一匹の鹿が現れ、小僧たちが書いた紙を食べてしまいました。小僧の中の一人、三作が怒って思わず文鎮を投げつけたところ、当たり所が悪く、鹿は死んでしまいました。

奈良の鹿は神の使い、鹿殺しは石子詰めされることになっていました。三作は子供といえど許されず、殺してしまった鹿とともに穴に入れられ、石や瓦で生き埋めにされてしまいました。

残された母の悲しみたるや・・・というのは私の文章力では書ききれないので省略。一方で鹿の方も警戒し、この一角には立ち入らないようにしているそうです。もちろん人間も普段は立ち入り禁止。人間も鹿も二度と悲しい思いをしないよう、記憶を受けついでるんですね。

そして年に一度、三作の命日には、普段立ち入れない境内に人も鹿も集まります。そう、大運動会のはじまりです。人と鹿、紅白に分かれてリレーとか綱引きとか・・・

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